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クラシコCL雑感。

昨今は、試合のダイジェスト程度ならいくらでも動画サイトで確認できる時代ですので、以下ではざざっと気になった部分だけを書き残しておきます。


■12月のクラシコ

一つ目の話題は、失点時のコヴァチッチの動きについて。

メッシを警戒するあまり、ラキティッチのドリブル独走をお膳立てするかのような動きになったのですが、現地ではそれほど酷い言われようではなかったみたいで何よりでした。そう思う理由は二つ。

この時のモドリッチとカゼミロの位置および動きを確認すると、彼らにも責任の一端があるように見えるのが小さい方の理由。

そして大きい方の理由は、2015年のCL決勝を思い出して欲しいのですが、当時ユベントスに属していたピルロがメッシを警戒して距離を詰め、それによって生まれたペナルティ・エリア内のスペースにイニエスタが走り込んで先制点に繋がりました。

でも、このピルロの動きを批判した人って(指摘した人は少なからずいましたが)あんまり記憶にないんですよね。

少なくとも今回のコヴァティッチほど責められてはいなかったはずで、個人的には「そう動きたくなる気持ちは分かる」という意味で類似のプレイだと思うだけに、お咎めなしみたいで何よりでした。


二つ目の話題は、解説の宮本さんについて。

前半の終わり頃からハーフタイムの辺りで「バルセロナの中盤の守備の曖昧さ」について話題に出されていたと記憶しています。

で、私の印象としては「局所的には宮本さんの論が正しい」けれども、「チーム戦術として、あるいはピッチ全体として見ればどうかなぁ?」というものでした。順を追って説明していきます。

まず一つ目ですが、基本的にバルサやレアルそれにスペイン代表というチームは「センターバックやキーパーに踏ん張って貰ってなんぼ」という傾向が少なからずあります。

十年ほど前を思い返しても、プジョルやバルデスが身体を張ってギリギリ防いだ試合はいくつもありましたし、カシージャスがW杯決勝でロッベンとの一対一を凌いだ場面を思い出す方もおられるかと。今ならピケやラモス、それから両キーパーが活躍するシーンが、一試合に何度か見られます。

それから二つ目は、局所の最適解を積み重ねるのが全体にとって最善かというと、それは違うというお話。

そもそも、緩い部分を厳密にしていくと、どうしても肉体的・精神的な疲労が溜まっていきます。選手が機械ではない以上は限度があるわけで。なのにそこに拘る宮本さんの解説を聞いていて、指導者として大丈夫かなと少し不安になりました。

三つ目は二つ目と少し重なりますが、例えば両クラブとも、サイドバックの裏のスペースは守備では弱点になります。でも攻撃の主導権を握って相手を押し込めば、それは問題ではなくなります。

それと同様に中盤の守備が緩いことは、最終ラインが相手の攻撃に耐えた暁にはカウンターに繋がります。一方で、レアルの中盤の選手たちの技術の高さを見るに、厳密に守備を整えてもボールを奪えるとは限らず。ならば攻撃に繋がる姿勢を見せる方が期待値は高くなるかもしれません。

最後の話は所詮は仮定の話ですし、バルセロナの守備に緩さがあったのも確かですが、極端な話「斬り合う気が満々でこの形を選択した」のであれば、改善する必要はないんですよね。

強調しておきたいのは、「局所の最適解」を導けるのは褒められるべき事です。でもその最適解の「使いどころ」を間違えてしまえば、どうにもならないわけで。

宮本さんと言えば、将来的にはガンバや代表の監督をと期待されている存在だと思うので、「部分を気にしすぎて全体を崩してしまう」事のないように、着実に成長して欲しいなと思って書き残しておく次第です。


■5月のクラシコ

長くなったので手短に。
最近のバルセロナの問題点について。

今シーズンもリーガと国王杯の二冠を獲得しているとはいえ、ここ数年は終盤の大事な時期に乗り切れない印象が強いです。

新監督になって守備の安定感が向上したと言われますが、結局は一発勝負のトーナメント戦(CL)でも、無敗優勝が見えてきたリーガの試合でも、守備に綻びが出てしまったわけで。

では、やはり問題点は守備なのかと言えばそうは思えず、むしろ「点を取るべき時に取っていない」ことが響いた結果という印象です。

で、この流れで攻撃の中心たるメッシの話になるのですが、最近はクラシコですらスロースタートな感じで、止血用のガーゼを噛みながら本気のプレイになったレアル戦の辺りから、そうした傾向を感じていました。

早い話が、メッシを筆頭に選手たちのモチベーション管理に失敗しているのではないかと。

そして、昨シーズンのCLでパリを相手に逆転で勝ち上がった時には「バルサのレアル化(=最後には勝つ)」みたいな気配を感じたのですが、今のところは「やらかす傾向」のほうが勝っていて。

一方のレアルは、中盤のパスや連携などではバルサを上回って久しい状況です。そうした「バルサ化」に加えて勝負強さが並外れているだけに、大事な試合ほど負けるイメージが湧かないというのが正直なところです。


■CL決勝

実際、先週末のこの試合でもサラーが交替するまでの15分間は見応えがありましたが、以後は「いつもの」という感じでした。

ジダン監督の采配には時に素人でも首を傾げるような疑問手があって、その辺りが実績の割には微妙な評価に繋がっているのだと思います。

おおむね「戦術面では褒めそやすのに不安が残る一方で、モチベイタとしては超一流」みたいな評が一般的かと。

ただ個人的に凄いなと思うのは「勝負の流れを完璧に踏まえている」ように見えることで、「負ける時には負けておく事で勝負所で勝ちを逃さない」とでも言えば良いのか。あるいは失敗がより良い未来に繋がる感じで、敵にしたくないなと強く思います。

例えば昨シーズンのCLバイエルン戦では敵地で先勝しながらもホームで追いつかれて延長戦になり、結局はロナウドのハットで勝ち上がりました。その結果、メッシを抜いてロナウドが単独得点王になりました。

希望を見せておいて延長で三点取って勝つという、バイエルンにとっても一番嫌な形ですが、メッシにしても「なんじゃそれ」って言いたくなるような展開だったと思います。

少なくとも私がメッシの立場であれば心が折れる自信がありますし、「ロナウドに点を取らせるために、わざと延長にしたのかよ」と難癖を付けたくなるレベルですね。


おそらく、ジダン監督のレアル・マドリードは、負ける時にはあっさり負けると思います。でも大一番になるほど(決勝に近いほど)負ける姿が思い浮かばなくなります。

強いて言えば、やはりバルセロナ相手が一番結果が読めないものの、安定感や地力で差があるだけに、来期も優勝争いはマドリーが中心になるのでしょう。

そうした構図の中で、意外なクラブや新たな選手の活躍を楽しみにしたいと思っていますし、その前にワールドカップも楽しみですね。


そんなところで、今回はこれにて。
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