今年を振り返って

今年を振り返ってみると、昨年まではできていた事が色々と出来なくなった一年でした。例えば音楽を例にとると、一昔前であればフジロックとサマソニに来るミュージシャンは一通り耳を通してチェックしていたものですが、ここ数年はフェスが終わった後にライブ映像で後追いするのが精一杯になり、遂に今年はそれも満足に出来ずじまいでした。

では音楽を聴かなくなったのか?というとそんな事はなくて、ただ既存の曲にしろ新曲にしろ、一曲を吟味する時間が長くなったのだと思います。充分に聴き込んだと思っていた楽曲に新たな発見を多く見出したり、最新の楽曲から連想される別の曲をあれこれ参照しながら繰り返し聴いてみたり、今年はそんな傾向が強くなった一年でした。


読書に関しても同じようなもので、毎月発売される興味深い著作のあれこれを追うのが次第に難しくなり、その一方で、軽い読み物はネットで、難解な読み物は古典的な名作で、いずれも関連書を渉猟しながらなので寧ろ読む量としては増えている気がするのですが、きちんと読了した冊数となると格段に減ってしまったように思います。

ネットの利便性は今更口にするまでもないですが、本当に世の中には楽しく面白く興味深いものが沢山あり、いかに自分が何も知らぬ状態であったかを思い知らされるとともに、あやふやな記憶やふとした疑問から広がる世界を眼前に提供してくれるネット検索の恐ろしさが改めて身に沁みた一年でした。


物事をより深く知りたいという方向性は変わらないと思いますが、来年はもう少しまとまった形での読書や音楽・映像鑑賞を心掛けたいと思います。読書を例にとると、ある書物を切っ掛けに色んな方向へ手を広げる読み方だった今年とは趣を変えて、関連する色んな情報を手掛かりに特定の書物を読み解く方向で行こうかなと思っております。


今年を振り返ってみると、音楽領域では紅白のラインナップを見ても解る通り、特に国内ではヒット曲というものが一段と見えにくくなった年だったと思います。出版分野では、ピケティの経済書が異常な売り上げを記録していると聴いた時には、古き良き教養主義の香りを感じて嬉しくなったものでした。そして、件の書が政権批判に益さないと判明した途端に話題に上らなくなった事には落胆したものでした。

政権側からの「批判を許さない」とする無言の圧力も依然問題ですが、反対派の「何でも良いから批判しろ」という節操のなさとそれの強制も困ったもので、来年も同じ構造のまま続きそうなのが不安ですね。経済の行方も不透明ですが、全て賛成か全て反対かで色分けを強いるのではなく、コストと効果、利点と欠点、短期と長期の影響などを議論し合える環境が広まって欲しいものです。


いずれにせよ、個人的にも広く一般にも、来年が良い年になりますよう願いつつ、今年はこれにて。
皆様も良いお年を。

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