最近読んだ漫画

この二ヶ月ほど、漫画への出費が妙に増えている今日この頃なのでありますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか?という事で、いったい自分は何を読んだのだろう?という記録と、それから批評という点で特にマイナス面について過不足なく描写する練習をしたい気持ちもあったので、以下でつらつらと書きつくって行きます。とりあえず7月購入分から発売日順に、まずはこの4冊。

・和月伸宏「るろうに剣心 特筆版 下巻」460円
・松井優征「暗殺教室 5」420円
・宮下英樹「センゴク 一統記 4」590円
・吉田基已「夏の前日 4」630円

って、発売日に買ったわけではないにしても、7月4日と5日だけで既に2,000円オーバーでしたか。。。



・和月伸宏「るろうに剣心 特筆版 下巻」460円

映画化に合わせて出た、原作のパラレル的な内容の作品。何だか懐かしいな〜と思いながら軽く読み終えてしまったのですが、続編の期待に繋がるという事でまぁ良いのではないでしょうか。興味を惹かれた方は……原作を読んで下さい(苦笑)。

で、原作の話を思い付くまま。個人的には薫さんの見開き2ページに亘るインパクトあるお姿以降はあまり印象に残っていないのですが、そこまでは良作だったかなと。週刊少年ジャンプ600万部を支えた作品が次々に終わりを迎え、発行部数が右肩下がりになる状況で、看板作品としての重荷を背負うに値する作品だったと思います。

強く記憶に残っているのは、ジャンプ本誌で連載の最終回を迎えた時の事。雑誌の巻末に連載作家のコメントがありますが、その中で冨樫義博さんがねぎらいのコメントを載せていたのが印象的でした。自身も「幽☆遊☆白書」連載時にジャンプの全盛期を支える中核の一人だっただけに、そしてジャンプ黄金時代の連載陣の中でほぼ唯一その時連載を持っていた身として、90年代後半のジャンプを孤独に支えた和月氏に宛てたコメントには、表現としては通り一遍のものでしたが、表面的なものには止まらない重みを感じたものでした。

ついでに作品以外の外部的な話としては、作中に十本刀というキャラクターが出て来ますが、その中の「オカマの鎌使い」を提案したのが後のワンピースの人で、「ずる賢い小人の老人の相棒たる純朴な巨人」が後のシャーマンキングの人のアイデアで、いずれもこの作者のアシスタント出身だったりします。更に「ヒカルの碁」や「デスノート」がヒットする以前から小畑健さんへの敬意を各所で語る等、自身の作品を越えた漫画界への貢献があった方ですが、その要因を端的に述べるなら、作者の漫画への姿勢に由来するものではないかと思います。

最後に、作品の内容で一番記憶に残っている事について。それは主人公の奥義習得に至る展開なのですが、抜刀術において更に一歩踏み出すというネタは、ほぼ確実に藤沢周平さんを意識したものだと思います。この作者が件の短編を読んでいないわけはないと思うのですが、それをパクリだと言いたいわけではなく。むしろ、そのネタに至るまでの過程を少年漫画として描写できていた辺りに、作者の実力と人気の秘訣があったのではないかと思うのでした。

例によって初っ端から長々と書いてしまったので、長さを控え目にどんどん行きます。。。


・松井優征「暗殺教室 5」420円

年々ヒット作に疎くなる上に最近は長期連載が増えているので、名前は知っていても読んだ事のない作品が目白押しの昨今、上で話題にしたワンピースなども実はあまり詳しく知らないのですが。。本作は、珍しく自分が読んでいる最近の少年漫画になります。作者がネウロの人という事は知っていても、きちんと読んだ事がないのでそれ以上の情報はないまま、偶然表紙に惹かれて初巻を購入したのでした。

で、最近の少年漫画の流行りがいまいち掴めないので的外れかもしれませんが、真っ当な少年漫画だなぁというのが第一印象でした。

本作には救いようのない人たちが出て来たり、そもそも作中の中学生たちに与えられた課題が担任教師の暗殺というのだから、むしろ青年向けの作品ではないかという評価が聞こえて来ても不思議ではないと思います。ただ、「ハレンチ学園」から最近話題の「はだしのゲン」、「シティハンター」に「ジョジョの奇妙な冒険」など、これらジャンプ連載作品は当時の少年たちがリアルタイムに読んでいたわけで、作品のテーマのみで少年向けか青年向けかに分けるのは乱暴な話ではないかなと。

では、何をもって少年漫画と言うべきか?となるわけですが。単純に子供が読んで楽しいものと考えると、本作は展開を進める時のタイミングが良く、これは作者の天性なのかもしれませんが、どれほど奇妙な登場人物が出て来ても、そこから読者が守られているのが凄いものだなと思います(敢えて言うと、「はだしのゲン」はこの辺りが微妙なのは確かで、児童によって閲覧させない選択はありかなと思います。一律禁止はもちろん論外ですが。)。


・宮下英樹「センゴク 一統記 4」590円

本作も長いなぁ、、、と思いつつ購入を続けていますが、飽きが入っているのが正直なところ。。最近、日経新聞の土曜朝刊にてお勧め歴史漫画として挙げられていましたが、お勧め書籍ランキングにあった網野さんの作品共々、無条件では賛成し難いのが困ったところです。まぁ、あのランキングは以前からステマの疑いga…(自粛略)。

さて、この作者の問題点は女性が描けない事で、それがストーリーに絡むと、比叡山焼き討ち辺りを筆頭に物語が破綻しがちなのが残念なところ。そうした自身の欠点を意識して何度も挑もうとする姿勢には好感が持てますが、失敗続きだとさすがに評価も厳しくなるわけで。。一方で男は?というと、少なくとも一つの型はあります。ただ、パターンが一つだけなので、今川義元も山県昌景も今回の信長さんもとなると、さすがに飽きて来るのが辛いところ。

戦争から政治まで、従来とは違った視点からの描写を通して歴史を広げているのは文句なく作者の功績であり特徴でもありますが、娯楽漫画であるからには歴史の解説に止まらず物語とのバランスが求められるわけで。15巻ずつ完結とはいえ連載も長くなって来ましたし、興味を惹かれた方には本編ではなく外伝的な「桶狭間戦記」全5巻をまず読んでみるのが良いのではないかと思います。

最後に、最新巻の中で印象に残ったのは、本能寺を成し遂げた後に泥縄的に戦略を練り始める光秀を評価する下り。一般に、光秀の準備の稚拙さや秀吉の対応の機敏さから、前者を貶し後者も時には陰謀論的に扱う意見があります。しかし、イレギュラーな状況でいかに体勢を立て直せるかは、特に戦国の世では最も根源的に問われかねない資質だと思うわけで。その意味で、金ヶ崎を経験した光秀・秀吉・家康の三者(異説あり)がいずれも意図のある行動に素早く転じた事はもっと評価されるべきではないかと思っていたので、本巻の描写は腑に落ちました。


・吉田基已「夏の前日 4」630円

4冊分の感想を書くだけで今日は精一杯という気がして来ましたが、余計な事は考えずに次の作品。もともとは表紙買いだったのですが、時代設定を惑わせるような奇妙な雰囲気が気に入って読んでいます。

20代の学生と社会人が狭い人間関係の中でラブコメを演じるわけですが、その辺りのやり取りはあまり惹かれないのが正直なところ。それは主要人物の内面、特に悩みが描写し切れていない事に原因があると思うのですが。。とはいえ、仮に編集者の立場になったとして、本作にそうした深みを求めるべきかは難しい問題なのも理解できるので悩ましいですね。。

また、サービス・シーンが時々出て来るわけですが、絵そのものはともかく、流れに沿って読み進んだ時にさほどエロくは感じられないのが残念で。本巻でも、行為としては過激な事になっているものの、作中人物も描いている作者も無理が見えて興ざめしてしまうのは、あるいは自分の年齢のせいなのか。もしもそうだとすれば何だか寂しいものでありますが、もっと若い頃に読んでも同じ感想だった気がします。

話としては確実に波乱に向かっている最中ですが、どのようなカップリングに落ち着くかよりも、物語を上手くまとめて欲しいものだと期待しております。



・ひとまずお終い。

このペースだと7月だけであと2回ぐらい書かないと駄目そうですが。。。続けられるだけ書いて途中で放置する事になると思いますが、宜しければもう暫くお付き合い下さいませ。

以上、今日はこれにて。


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テーマ : 漫画 - ジャンル : アニメ・コミック

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