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参院選2013

最初から最後まで盛り上がりに欠けた感のある今回の参院選ですが、簡単に記録しておきます。


参議院選が目の前にあった事を考慮しても、先月の通常国会最終盤は与野党ともに酷い有様でした。特に、憲法違反との度重なる指摘を受け、最低限の対処として三党合意したはずの0増5減が何故か進まず、参議院議長の不信任案決議が出て来たり、最終的には野党が安倍首相の問責決議を出した事で異論が少なかったはずの法案が幾つも廃案になったり、個人的には与党も悪いけれど野党は酷いという感想でしたが、そんな状況では有権者としても盛り上がるに盛り上がれないのが正直なところでした。

いわゆるアベノミクスが批判はあれども一応目に見える成果を出していた一方で、民主党政権下の3年間は完全に失敗として認識され、しかし当の民主党幹部らは稚拙な言い訳を繰り返して有権者の失笑を買っていたわけで、世間の関心は二大政党の対立ではなく、ねじれ解消のための与党過半数もあまり問題にならず、自民の単独過半数や改憲勢力が2/3に迫るか否かが話題になるような選挙戦でした。

民主党に代わり受け皿になるはずだった諸政党も内部で混乱があり、つまり今回の結果は野党の迷走が招いたと言って良いと思いますが、公明党が絶妙なポジションを確保した上で自民の単独過半数も改憲勢力の2/3も成らず、穏健な有権者にとってはまずまず妥当な結果だったと言えそうです。

以下、現状と今後の事について、政策別と政党別で簡単に。とはいえ昨年末の衆議院選と違憲自体は殆ど変わらないので、既に書いた部分は省略します。



・野党について

民主党は特に述べる事はないです。地に足が着いたまともな方々が中心になって勢力を立て直して貰えれば良いなという程度で。

維新は伸び悩みましたが、関西と比例区でそれなりの票を取り何とか踏み止まったとも言えそうです。候補者を眺めていると、橋下さんの劣化版のような方から意外に政策がまともな方まで幅広い印象で、個々の議論はともかく全体となると分からなくなる党首の傾向も含め扱いが難しい気がします。

みんなの党は、その維新が自滅して連携重視の方々が戸惑う中で渡辺さんが求心力を取り戻し、しかし政策などはより理想に寄った感じになりました。個人的には経済政策は彼らの主張そのままで構わないと思っていますが、現状でアベノミクスが密かに先鋭性の牙を抜かれつつある中で、過激に走らざるを得ない部分はあったのでしょう。彼らの経済政策は結論ありきではなく理論がはっきりしているのが好感の持てる点で、ゆえに国内外で議論ができる事を評価したいのですが、国内ではまともな反論が殆ど聞かれないのが残念です。一方、それ以外の分野では深みが足りず、政権運営に参加するにはまだまだ力不足の感じを受けます。賞味期限切れのおそれも依然として存在するだけに、この先の方向性が難しいですね。

その他の野党はざっくり略で良いと思いますが一点、やはり舛添さんの引退が残念でした。厚生労働大臣としての仕事ぶりも見事でしたが、知識がありそれを実際に運用して仕事をこなす力量もあり、しかし政争が苦手だったのが惜しまれるところです。

いずれにせよ、野党がそれなりにしっかりしてくれないと政権が行き詰まった時に困ってしまうので、まともな野党の復活を望みたいです。これは諸外国でも問題になっていて、例えばフランスはこんな事になっていますが、狭隘なナショナリストや過激なアナーキストなどが議会で勢力を伸ばす事のないよう、既存の各政党には頑張って欲しいものです。



・与党について

積極的に公明党を支持する事はないにせよ、加憲という彼らの憲法に対する姿勢は応援しています。現状の勢力図で憲法に手を付ける事はないと思いますが、妙な動きが出て来た時には彼らの良識ある動きに期待しています。

自民党については、既存勢力がアベノミクスの足を引っ張る事が懸念されます。先に少し触れましたが、密かなインフレ路線の修正と従来のばらまき路線の色が濃くなり始めていて、そこに消費増税が加われば逆コースが決定的になるだけに、安倍さんとしては次は党内への対応が重要になってくるのでしょう。詳しくは政策別で。



・経済一般について

一番重要なのは消費税の扱いですが、仮に増税となった場合、実施から半年〜1年で難しい状況に陥る事が予想されます。しかし各方面のしがらみから政権が増税を選択せざるを得ない可能性も少なくなく、現時点での最大の不確定要素と言って良いでしょう。

とにかく思うのは国内でまともな議論が増えて欲しいという事に尽きるのですが、恣意的なデータの選択(前後の流れから明らかに異質と思われるバブル期のデータを何故か前提にする等)や、海外の識者の話を換骨奪胎(「Aというリスクは確かにあるが現状では可能性は低く挑戦の価値はある」という話が「海外の識者も、アベノミクスにはAというリスクがあり危険と判断」になる等)などが繰り返されると、さすがにうんざりして来ます。

それに加えて我が国の悪しき傾向とも言うべき、結論ありきで基礎すら怪しげな発言が多発したり、形式や何らかの象徴的な出来事を重視して話が袋小路に嵌まったり、論を戦わせているだけなのに人間性を攻撃されたと勘違いして人格攻撃の応酬になったり、それらが重なると頭が痛くなりますが、一般の人がそうした傾向に陥るのはある程度仕方がないとしても、メディアを通して識者の酷い発言を聞かされる事が減って欲しいなと偉そうな事を思う今日この頃です。。



・TPPについて

今回の選挙ではほぼ争点にならなかったTPPですが一点だけ、参加が遅れた事で交渉の余地が格段に減った事は、広く意識されるべき事かと思います。極端な話、早々に参加を表明して、市場の小さな国々(当然、市場ルールも先進国と比べるとローカル色が強い)から取りっぱぐれが少なくなるよう米国と組んでルール作りに邁進する事もできたはずで、我が国の交渉能力に不安を覚える気持ちは理解できますが、ほんの一世代前にはスーパー301条などを巡ってアメリカとやり合っていたわけで(経済一流で政治が三流と言われた頃)、本当に残念だったなと。

現時点からは取るべき手は限られていますが、それでもアメリカの一人勝ちを防ぎながら国内市場を変化させていく事はできるわけで。例えば現在の癌保険は某外資系がシェアの3/4を占め、会社の全利益の同じく3/4は日本市場から得ているという話がありましたが、その魅力的な利益を餌に規制緩和を通して他国に働きかけ、競争が激しくなる中で国内企業の拡充を図るような動きに繋がってくれたらな、と思っています。絵に描いた餅と言われそうですが、少なくとも、下手に緩和されると逆にあちらさんが困る分野もありそうですよ、という感じで。



・少子高齢化について

これは本当に洒落にならないところまで来ていると思うので、対策が難しいのは分かりますが問題点としてだけでも広く世間に訴えて欲しいところです。国の借金が危険性を喧伝されつつ対策が立たぬまま毎年増えていますが、それなら少子高齢化も、話題にするなら対策を出せとか言わないで、問題としてもっと大々的に広報して貰いたいものだなと。

普通に街を歩いていて、エスカレータや歩く歩道で怖い思いをした方々は少なくないと思うのですが、あるいはレジや窓口でもめ事を起こしてしまうなど、老いて来るとどうしても動きが緩慢になったり耳が遠くなったりで問題を起こす事が増えて来ます。今はまだそれをフォローする方々が機敏に動けますが、20年もするとフォローする側も老人が多数になるわけで。

少子化対策と、その少ない人材をどう教育するかは非情に重要な問題だと思うのですが、しかし教育となると色んな方々が一家言あるぜと口を出してきてまとまらないのがまた気の重いところですが、憲法のように現状の議員さんの面々では力不足に思える議題や、原発などのように実際は解が限られていて専門的な議論をどう活かすかが求められる問題に政治家が関わるのは正直二の次で良いので、差し迫った問題にこつこつ取り組んで欲しいものだなと思うのでした。


・おしまい

政権交代の連続で選挙のたびに前回の与党代議士が100人以上落選する衆議院選ほどのインパクトはないにせよ、一人区の結果を見ても総取りか惨敗かの両極端になる最近の選挙では、長期的に人材を育成する事の難しさがあります。そうなると政治家として即戦力が求められるわけですが、やはり各界の成功者といえども新たな分野ではまず学ぶべき事も多くなかなか初当選で存在感を出すのは難しいわけで。

そうした弊害を思うと現在の選挙制度が疑問に思えて来ますが、しかし問題は制度ではなく、現実として国のために政治家になりたいと思えるだけの魅力がないのが問題に思えます。かつて升田幸三さんは「本業に自信が無い奴が選挙に出るんだ」と仰っていましたが、政治家を本業にしたいと思う人材を吸収して彼らを育てる余裕ぐらいは維持できるような形になって欲しいなと思うのでした。

以上、今日はこれにて。

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テーマ : 2013参議院選挙 - ジャンル : 政治・経済

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