衆院選を前に

入社三年目ぐらいの女の子と真面目に雑談をしていたら、「我々の職種は…」とか「あの会社は職種的には…」とか「これからの時代に合った職種は…」とか、やたらと職種を連発するので、昼間から北斎の蛸と海女などを連想しそうになった今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか?

と、今日も無事爽やかに書き始められたところで、本題に入りましょう。あまり書く気が起きないテーマですが、今回の衆院選について。おそらく長くなるので、適当に興味のある項目だけでもご覧になって下さいませ。また、以下はあくまでも個人的な意見ですので、特に自分が正しいと主張する気もなく。ただ、読んで戴いた方にとって今回の衆院選を考える一助になれば良いなと思う次第であります。

なお、構成としては、政策別に思うところを書いて、次に政党別に思うところを書いて、最後にまとめという形になります。



■政策別あれこれ

各政党が独自色を出す為とはいえ、色々と細かい事が多いなぁという印象で。政策の優先度が考慮されないままに、あれもこれもと報道だけが過熱している印象を受けます。また、どの政策についても各論のみの議論となっていて総論が疎かに思える辺り、今に始まった傾向ではないですが気になるところです。

個人的には経済優先で良いと思うのですが、政策以前に政党によっては実現の可能性がほぼ皆無だったり、実現の運びとなったところで抵抗を受けて頓挫しそうだったり、色々と考え出すと難しいですね。。。



・経済

普通に安倍さんのインフレ・ターゲット(≒リフレ)政策で良いのではないかと思っています。みんなの党の主張の方がより正確だとは思いますが、日銀改革も視野に入れた発言をしているのはこの2政党ぐらいでしょうか。他の主要政党の経済政策は、正直何を言っているのか解らない部分が多いです。。

残念なのは、これに対する反論が奇妙なものばかりに思えるところ。日銀の独立性とは手段の独立を指すという事が共通理解を得られておらず、白川さんの「バブル期でもインフレ率は低かった」という反論は、戦後の我が国の物価上昇率を調べてみると、80年代後半がそれまでの数字の推移からは逸脱しているのが見て取れるだけに説得力を感じません。何より、報道が混乱している状況なのが困ったところ↓。

参考:東京新聞:週のはじめに考える 「日銀引き受け」論争の真実:社説・コラム(TOKYO Web)

この件などを受けて、ネット界隈では安倍さんを陥れる陰謀論という意見が姦しいと聞きますが、科学関連の報道などを見ていても、普通に報道の担い手の知識不足に思えたりして。加えて言えば、政策を議論すべき候補者たちも経済についての知見に不安を感じる人が多いのも悩ましいところ。

ちなみに自分はリフレ支持と書きましたが、説得力のある反論が得られれば反対派に鞍替えしますし、しかし現実は上記のように論になっていない反対しか聞こえて来ないわけで。例えば最近だと、リカーズ「通貨戦争」(朝日新聞出版)の内容を前提に論を組み立てる候補者などが出て来てくれたら、意見を傾聴する気にもなるのですが。。

自分の知識の無さを棚に上げて何だか偉そうな事を書いていますが、安倍さんの政策に対する反論は、それが実行に移された後に特に出口戦略を検討する上で大いに役に立つはずなので、もう少し実のある議論を拝聴したいところです。

いきなり長々と書いていますが、では最後に自民党政権になって経済は回復するのか?というと……途中で政策が頓挫する可能性が高い気がするんだよなぁ。。。

先に述べた戦後のインフレ率の推移を見て思い出す事ですが、60年代の高度成長期もインフレ率は高く、70年代初めの列島改造ブームに石油ショックが重なった時期は例外としても、その後も昭和50年代を通してインフレに苦しんだ庶民は少なくなかったはずで。それに終戦直後のインフレ経験者を含めると、インフレと聞くだけで嫌悪感を催す方々を批難できない気持ちがあります。そんな中、リフレで円安が進行した状況で燃料や穀物などの価格が値上がりした場合、「制御できないインフレだ」という煽りに政権が耐えられるかというと、、、難しそうな予感がします。

頭の痛い選択になりますが、実現の可能性が微妙とはいえ、知識的・経験的な裏付けが希薄に感じられる他政党の経済政策よりは、、、という感じですね。では、次。



・消費税

個人的には経済の下部テーマとしか思えないので簡単に。消費税を争点として大々的に掲げているだけで、その候補者の評価を下げてしまいたくなるのが正直なところです。

長期的に見て増税が避けられない事と、短期的には経済をいっそう悪化させ税収は増えないという悲しい結末しかもたらさない事は、共通理解と考えて良いかなと思います。では財務省は何を考えているんだ?となりますが、悲観的な将来を織り込んでいるんだろうなと。

とりあえず、経済を何とか立て直した上で考えるべきテーマだと思うので、現時点ではスルーするのが妥当かなと思います。



・TPP

これも前提として強い経済が優先事項だと思うので、あまり争点にはしたくないテーマかなと。

基本的に我が国は、超とは言わないまでも間違いなく大国ですし、その源はどう考えても経済力なので、そこが維持できていれば交渉などもより有利に展開できる事を自覚すべきかなと。そもそもの交渉力に不安を感じるのは理解できますが、かといって先延ばしを続けて良い状況でも無さそうですし。。

あるいは自虐的になりますが、経済がこのまま衰退して行くにしても当分の間は、我が国の経済規模は外から見て魅力的な獲物に見えるはずなので、その辺りを利用してTPPなり対EUなり対東アジアなりを複合的に扱う方向でしょうね。

なお、このテーマでも反対派の意見は解らない部分が多いのが正直なところ。反論の仕方が様式化しているとしか思えないのですが、耳を傾けるに値するような深みのある反論が聞きたいものです。



・原発

反対派が様式化の極みにあると言っても良い気がするテーマ。あの80年代と比較してすら退化しているとしか思えない反核集団の現状は、率直に言って福島の事故処理やその他の原発への対処についても悪影響にしかなっていない気がします。ただ現状を放置する事にしか貢献していないというか。。

現実的には、ニュースはあれども分析は自粛ムードの感がある4号機の事を考えても、抜本的な解決策などは望めないわけで。姑息的な対応を積み上げるしかない点で、そもそも議論になる方が不思議な気もします。脱原発までの年数を競うのは意味不明だし、無駄に国防などに話を繋げて原発を擁護するのも筋が違うし、まともな話が聞きたいとか思ってしまう今日この頃。。

ちなみに姑息的な対応ですが、報告書の内容を信じるのであれば、原発が稼働中か停止中かは第一の優先事項ではなく、911後の米国の対応に倣って緊急時に速やかに電源や冷却水その他を現場に投入できる体制を整える方が遙かに重要に思えます。後は、多くの人が唖然としたであろう使用済み核燃料のずさんな扱いですが、、、何を言っても変に騒ぎ立てて、結局は何ともならないんだろうなぁ。。。

現状さすがに推進派はいないとして、現状維持派にせよ反対派にせよ、原子力関連の専門家がこの先も多数必要な事では共通理解が得られるはずなので、彼らの環境改善や新たな人材の育成を政策で後押しする動きも出て来て欲しいところですが。。反対派で底の浅い方々などが「消える技術の専門家など要らん」とか言い出しそうで……というのは偏見かな。。高木さん亡き後、専門知識を持たない集団が専門家を蔑視して、運動のブームを作ることしか考えていなかったのが反対派の困ったところだと思うんだけどな。。。

とりあえず、この10年で家電業界が辿った道を参考に、技術者の軽視が人材流出に繋がる未来だけは避けて欲しいかなと控えめに希望する今日この頃です。。



・外交

昨今の近隣国との泥仕合から、勇ましい発言も聞かれるテーマですが、、、変に騒がず機会ごとに粛々と対応しつつ、多くの国を対象に我が国の主張をきちんと表明し続ける事かな。海外の報道をちらほら見るだけでも、圧倒的に主張が足りていない事は理解できるはずなので、そこを第一に考えて欲しいところ。でも、伝統的にダメですね。。。

後は、何を持って国益と考えるかですが。。例えば対中関係を考えた時に、石原さんが騒ぎ立てて政府が国有化した一連の流れが新しい全人代の常務委員メンバーの決定に大きく影響した事を、ご両者ともどこまで自覚的だったのか?とか考えてしまったり。対日姿勢を考えると、現状の面々よりは胡錦濤氏の院政の方がまだ国益に適う気もするのですが、この辺りの影響力をもっと自覚して欲しいなと思ったり。もちろん、自覚しすぎて汪兆銘政権を作るような動きに繋がるのも問題ですが。。この件については、外務省が消費税における財務省と同様の思考から意図的に国有化に持って行った感じも受けますが、まぁ、薄熙来氏の事件を見ても素人が考察するには荷の重いテーマですのでこの辺で。

とりあえず、政権が交代しても外交の基本軸は継続するという前提が、前回の苦い教訓として根付くならば良いのではないかと思います。



・社会保障

児童手当、高齢者医療制度、年金、最低賃金などがテーマですが、いずれも解は限られているので、黙々と撤退戦を指揮する意識で取り組んで頂ければと。



・憲法

憲法改正即戦争という反対派の論陣がどこまで共感を得るのか知りたい気もしますが。。一応9条について考えると、現実に存在する軍隊を憲法できちんと定義しておく方が無難なのは確かだと思います。曖昧なままなし崩しに戦争に至るケースと、定義によってそれ以上を制限されている状態と、どちらが良いかという話ではないのかな?と。

ただ、現時点で政権に一番近いと思われる自民党の改正案↓について言うと、文章が酷いというか、想定が甘いというか、これならば改正しない方が遙かにマシとしか思えないのが正直なところ。

参考:「憲法改正草案」を発表 | コラム | 自民党の活動 | 自由民主党

例えば明治憲法の制定に当たって、伊藤公は憲法案とともに憲法義解を出して議論の参考にさせたわけですが、それと比べると申し訳ないほどに内容が浅く文章が稚拙に思えてしまいます。。或いは現行の憲法でも、成立の経緯などから来る批判は同意する部分もありつつ、英文を読むと起草者たちの教養は感じられるわけですが、改正案は。。。

憲法改正という形式だけが欲しいのであれば話は別ですが、我が国の未来に関わってくる事ですし。。真面目に改正を考えるならば、国内最高クラスの憲法学者に海外の専門家も加えて、数年の年月を与えて専念させるべきではないかなと思います。ただ、その場合も制定を命じた政治家の意志が大きく問われるだけに、現在の代議士の面々では棚上げすべきテーマかなと。あまり先延ばしをしていられる状況でもないのですが、人材難とは本当に悩ましい問題ですね。。



・その他

道州制とか各種改革とか。維新よりは、みんなの党の主張の方が解りやすいとは思いますが、現状の優先順位は落ちるので野党として時折必要性を発言して貰う程度で。



■政党別あれこれ

できるだけ簡潔に済ませたい。。


・民主

「懲罰」という風情になるのは避けて欲しいところですが、仕方ないかな。。。前任の二者に比べると現実寄りの政策に戻し実質的にマニフェストを放棄した野田さんの方向性は妥当なものだったと思いますが、そもそも政権を支える人材に苦労している現状では、重要事項に取り組めないのが切ないところ。前例を無視した軽い行動も多かったし。。

惨敗はほぼ確実としても、一定の勢力を何とか維持して国政が極端に偏りすぎないよう重しとして存在していて欲しいところではあります。できれば、能力不足を自覚する人々が中心になって再生を目指して下さい。仮に衆参ダブル選挙だった場合、自民圧勝で歯止めが利かなかった可能性があるだけに、タイミングとしては良かったのではないかなと思ったり。



・公明

支持母体を貶す意図は全くない、という前提で、この党がキャスティング・ボートを握る展開はいい加減に止めてくれないかなと思ったり。政策にしろ国会での政争にしろ、無難かそれ以下というイメージしかないのですが、困った事に二大政党が迷走している場面では、その姿勢が役に立つという奇妙な展開。しかし、支持母体が強固なのは凄いですね。



・共産

20世紀の歴史を知る者として、自分が投票する事はないけれども、確かな野党としての共産党には期待しています。一定の勢力のままで居て欲しいなと。



・社民

既に役割を終えた政党としか言いようがないのですが、この党が担ってきた時代遅れの思想を、所属政党の看板だけは付け替えた議員達が維持している現状を思うと、解りやすく社民党の旗の下に集まってくれと言いたくもなります。

で、既に述べた理由から当面の憲法改正には反対なので、その点では期待しています。



・維新

維新八策などを見ても、それぞれの政策がどう繋がるのかが理解できず。。個々の議論はまだ理解可能ですが、全体としてどう把握しているのかが見えないです。これは橋下さんの傾向なのでしょうね。

大阪のダブル選挙では一騎打ちだった事もあり、相手の繰り出す誹謗中傷の酷さがそのままプラスに働いた面が少なくなかったと思いますが、今回は。。。本命が自民で、対抗の民主がどこまで生き残れるかという状況で、空論が目立つ維新に消去法で投票する人がどの程度出るのか興味深いところです。

石原さんについては、年齢を考えても、脈絡なく爆弾発言を繰り出す傾向も、色々と疑問が募りますが。。。ただ、都知事辞任の際に「若い連中は何をやっているんだ」云々という発言は重いなぁと思います。善し悪しがはっきり出るだけに、出来るだけ良い面が出てくれますように、と願う感じで。



・みんな

政策的には妥当なものが多く、特に経済関連はそのまま採用して貰っても良いのになぁと思いながらも、機会に恵まれなかった印象。で、賞味期限は終わってしまったかな、と。いかに魅力的な政策を提示しても、それを実現に近付ける動きがない事には難しいだろう、と。

政策についても、大きなテーマになるほど渡辺さんの理想家的な傾向が露骨に出て来る印象で、現状では政権を担うには至らないかな、と思います。できれば復党して頂いて、今や自民党からもほぼ消え去った感のある党人の傾向を身に付けて貰えたら、父親越えも見えてくるのではないかなと。期待は残しています。



・未来

見事なまでに民主党のばら巻きマニフェストを踏襲しているのがいっそ清々しいし、こうした政党が一定の支持を集めるのも悪い事では無いとは思います。院内の弱小会派として、時折存在を思い出される程度の勢力で居て下さい。



・自民

春や昔の春ならぬ、とか呟きたくなりますが、現状で一番マシと思える自民も、三年前に比べて劣化しているという現状は切ない限り。ただ、いかに採点が低くとも、他を上回っているならそこを選ばざるを得ないのがまた辛いところ。。。

何だかんだで、麻生政権はあの当時に望みうるものとしては最良のものだったのではないかと思うのですが、問題は経済対策でした。で、中川さんが急所だと認識して酩酊させた野党の戦略は正しかったと思いますが、国にとっては不幸な事だったなと。この結果、経済系閣僚を兼任する事になった与謝野さんが、その後の民主党政権下で消費増税を見届ける流れになったのも皮肉な事でした。と、過去を振り返るのはこれくらいにして。

現実味という点では難しいですが、みんなの党のところでも書きましたが、できれば離党した渡辺さんに舛添さんも呼び戻して、それから副総理格で麻生さんに外務大臣辺りを引き受けて貰って、とにかく重々しい面々で政権を発足させて欲しいなと思います。石破さんをどうするかは悩ましいところ。

そういえば、総裁選で安倍さんが勝ったのは、経済政策の面からは良かったなと。理解の深さという点では微妙ですし、前回の失敗に懲りず天下国家の大問題に安易に取り組みそうになる危うい傾向など不安材料は多々ありますが。そして自民党政権に戻ったところで問題が山積みの現状は変わりませんが。できるだけ無難に勤め上げて欲しいと思っております。



・その他の政党

さすがに把握できていません。。。



■まとめ

色々と偉そうな事を書きましたが、全般的に自分の知識が圧倒的に不足しているのは承知の上で、しかし現時点で考え理解している事をできる限りそのまま書くように心掛けました。

自分などが言うのも何ですが、知識と経験を感じ取れる話ができるような議員さんが増えてくれる事を願いつつ。どの業界も人材不足で困った事だなと思いますが、成長の切っ掛けには事欠かないという解釈もできますので、地味に頑張って欲しいものです。

そんな感じで、長々と書いた割には大した掘り下げも出来ていませんが、今日はこんなところで。

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テーマ : 政治・経済・時事問題 - ジャンル : 政治・経済

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