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蒔きしなでしこ、花に咲きなむ。

文章を書けるほど多くは観戦していないのでブログに書くのは止めておこうかとも思いましたが、せっかくリアルタイムで観たことですし、気楽に祭の騒ぎに参加してみようかなと。という事で、日本時間の今朝未明に行なわれたFIFA女子ワールドカップ決勝について、書き記しておきます。以下、一部を除いて敬称略で。


■戦術面の話

最初に無粋な話から。勝ったから良いぢゃねぇかと言われそうですが、戦術面では正直に言って完敗だったなという印象の決勝戦でした。。

アメリカは4-4ラインをコンパクトに保ちながらDFラインを高く上げて、ボールを持つ相手に2トップが圧力をかけて、多人数で囲い込んでボールを奪う動きが、とてもよく組織されていました。彼女たちが勝っているのはフィジカルとスピードですが、少し後者について。一瞬のダッシュでは我が代表に軍配が上がるものの、それなりの距離をよーいドンで競う事になると米国の方が優れているわけで、そこを上手く戦術に組み込んで来たなという印象でした。


日本代表はなかなか前線にボールを届ける事ができず、嫌な位置で奪われてはカウンターを喰らうという繰り返しで、厳しい試合展開でした。4-4ラインを潜り抜けてゴール前まで到達したケースでは、相手の選手もバタバタした動きが多かっただけに、中盤での攻防がキーになりそうなこの試合。しかし、攻撃面でも中央や縦への意識が強く、更に前線でのポジションの変化が少なく、それゆえに選択肢が限定されて結局繋がらないという場面が多かった気がします。

そんな場合にはサイドを有効活用したいところですが、それを上手くやっていたのが敵国の選手たちなのだから困ったところで。。前線からプレスをかけて、ボールを奪ったらサイドに展開したり縦に素早く速攻したり、今までで一番の強敵である事をまざまざと見せつけてくれました。でもま、結果が出たから言える事ですが、そんな相手に勝つのが一番嬉しいのですけどね(笑)。


我が方の守備については、ボールを持った相手への寄せという部分で少し物足りない面があり、特に右サイドからのクロスは脅威でした。とはいえ、間合いを詰めた状況での一対一や、クロスへの対応という点では不満を感じるケースはほとんど無く、この辺りは優先度の違いなのでしょう。何だか男子のアジアカップを連想しますが、今回もその選択が正しかった事が結果により証明された形になりました。


戦術絡みで最後にもう一度、攻撃面について。前半のボールが繋がらない状況で、前線にロングボールを蹴るという選択肢があまり有効ではなく、その辺り永里が先発だったらどうだったのかな?と。また、ボールを持った場合に、相手に奪われずボールを運べるという点で一番安定して見えた鮫島を、チームとしてより高い位置に押し上げるような動きがもっと出ても良かったかなと。後者は既に書いた攻撃面でのポジションチェンジに繋がる話ですが、くさしたいわけではなく、優勝したこのチームはまだ改善の余地があるよ!という事で、五輪での更なる成熟が楽しみですね。


■日本の勝因

最後まで諦めない精神力が称揚されていて、それは確かに素晴しかったのですが、自分が最も感銘を受けた要素は、彼女らの技術がスタミナによって裏打ちされていた事でした。日本代表の二得点はいずれも技術に優れたもので、そうしたプレイが試合終盤の苦しい時間帯に出るのを見るのは嬉しい事だなと。特に、二点目の同点ゴールは時間といいシチュエーションといい言葉で説明するまでもなく感動的な瞬間でありました。

で、その得点を挙げた澤様ですが、個人的に強く印象に残っているのは、実は後半すぐ辺りの、自陣ゴール直前でのクリアの場面だったりします。クリアして、後ろ足でキーパーに躓いて、一回転していた場面。あそこで真っ先に走り込んでいたのが象徴的でしたが、試合の展開の中で攻守に亘ってサッカーをよく深く理解しているなぁと唸らせるようなプレイが多く見られました。

また、そうした澤様の戦術眼に基づく動きを他の選手たちがうまくサポートして、彼女がトップ下にまで進出しても、最終ラインにまで顔を出しても、チームとして破綻が無いようにカバーする意識がとても強かったのも印象的でした。仮にメッシがこの試合を観たら、心底から羨ましがるのではないかと…ってのは少し調子に乗り過ぎた発言かもしれませんが(笑)。

まとめると、個人としての技量を120分間出し続けられた事と、特別な中心選手を活かすという目的の下にチームがまとまっていた事が、この素晴しい結果をもたらした要因なのではないかと思ったのでありました。


■まとめ

うだうだと書きましたが、こんなものは実際の試合の映像の前では何らの価値も無いもので。我が国の代表のユニフォームに、優勝1回という意味の星印が一つ、現れる事になるとは、感慨深いものがありますね。とにかく、優勝おめでとう!という気持ちであります。

ちなみにタイトルは、大伴家持の歌から一部を引用したものです。対抗は常夏の巻で光源氏が玉鬘に歌いかけたもの。それらを最後に提示して、締めという事にしましょう。

吾がやどに 蒔きしなでしこ いつしかも 花に咲きなむ なそへつつ見む
なでしこの とこなつかしき 色を見ば もとの垣根を 人や尋ねむ



以上、今日はこれにて。

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