ふたば書房河原町店、閉店

iTunesでアプリを購入しようとしたら45円だけ足りなかった今日この頃、皆さまいかがお過ごしでしょうか?不足額が小さいほどに精神的ダメージが大きくなるのも不思議なもので、iTunesカードの面倒なところですが、それはさておき。


先日ふと、寺町二条に店を構える三月書房さんのブログを久しぶりに見に行ってみたところ、ふたば書房の河原町店が閉店した事を知りました。今日はそれに関連してつらつらと。


■ふたば書房河原町店

お店の名前を言うよりも、場所を説明した方が通りが早いかもしれません。河原町通りを御池から少し下った西側にある、バス停のすぐ近くの、入り口が少し奥まった、小さな本屋さんという説明で、ピンと来る方が多いのではないかと思います。→ストリートビュー (*当初はストリートビューの映像を貼り付けていたのですが、何だか重そうなので削除してリンクのみに改めました。)


実際にお店の跡地を訪ねてみたところ、昭和44年から営業していたこのお店が閉店したのは先月の17日だったそうで。60年代の終わりから70年代、80年代、90年代、そして00年代と、変化の激しい時代を生き抜いて来たこの書店も、経営の効率化という流れには逆らえなかったのか。全くの憶測ですが、この先も売り上げの改善が見込めない状況で、テナントの優遇条件を重視した店舗の整理は、仕方のない事なのかもしれません。とはいえ、この場所でこの規模であっても書店という形では存続が難しいという事実は、重いものがありますね。。


この支店の魅力は、何といっても場所の良さにありました。「とりあえず寄ってみる」という感覚ですが、それでお店に入ってみたら見知った顔に出くわしたり、書店から出て来たらバス待ちの知人に遭遇したり、今回は通り過ぎようかと思いながら歩いていたら友人が出て来たり、そんなこんなの偶然から木屋町行き徒歩ご一行様ができあがり、呑んでみんなでできあがる事になるのでした。

あるいは逆に、かつて木屋町界隈に毎日のように出没していた楽しい時期があったのですが、呑んでそれなりの時間に解散して、ここは確か夜の11時頃まで営業していたので文庫を適当に一冊だけ仕入れて帰宅して酔った頭で斜め読みして、そしてまた翌日の夕方から呑んで解散して文庫本を入手して帰って読んで寝て、その繰り返しの中で巡り会った本がありました。今でもふたば書房のカバーが付いたままの作品から、即座にゴミ箱に投げ捨てたものまで、振り返ってみると前者はもちろん後者でさえも懐かしく思い出せるのが不思議なものですね。


以前に書いたものの中で2005年10月の丸善京都河原町店の閉店に触れましたが、あれが京都市内中心部において一つの時代が終わった象徴だったとするならば、今回の件は終わった時代の残滓のようなもので。そして時代が変わった象徴が2000年1月末、駸々堂書店の倒産(特に、京宝店のシャッターが下りた時)だったのでしょう。携帯もネットも無かった、あるいはまだ珍しかった時代の行動パターンからは遠く隔たってしまった昨今。この話の流れで「昔は良かった」と言う事には全く同意しませんが、過ぎ去った時代を懐かしむ気持ちは大いに共有できるものです。


今も、河原町通りの御池~四条間には幾つか書店が存在します。しかし、それらはビルに入ってエスカレータに乗らなければ辿り着けない敷居の高さがあり、そして小奇麗にまとまった店内では、かつての書店にあった空気とは別物の空間が広がっています。そもそも河原町~木屋町界隈の雰囲気自体が微妙に影を帯びたものに変わり、それが治安などの面で時おり表面化している様子を耳にすると寂しい気持ちになりますが。。

何であれ、またそこに出掛けたいと思わせるお店が見付かるような、そうした意味での魅力を維持した界隈であり続けて欲しいものだなと、そんなささやかな願い事を呟く夜でありました。


■FUTABA+京都マルイ店

何だか長くなってしまったのでこちらは簡単に。先月の27日にオープンした京都マルイ(かつての阪急百貨店河原町店)の6階にオープンしたこのお店。上記ふたば書房河原町店の店長もこちらに移られたとの事ですが、ほとんど期待をせずに行ってみたら案外に面白くて好印象でした。

特に、奥の壁側にて展開している純文主体の作者別50音順コーナーには、書店員さんのマニアックな拘りが感じられます。そういえば上記の河原町店も、文庫は出版社別ではなく作家別に並んでいて地味に便利だったなぁと思い出しつつ。

こうした趣向がどの程度売り上げに繋がるのか、個人的にはかなり懐疑的だったりもしますが。いくらでも代替できるお店が存在する、所謂ひとつの「百貨店内の書店」などよりは遥かに応援しがいがあるお店ですので、何とか頑張って欲しいものです。

とりあえず、本好きの方で興味を惹かれた方は、一度この店の奥の棚を覗いてみて下さいなという感じで。


■その他

京都の丸山書店と言えば、昭和の終わりから24時間営業になった高野店がその筋で有名ですが、北白川店が昨年末で閉店していたらしく。。個人的にはそれほど関係が深かったわけではありませんが、深夜の2時まで営業というデータは頭の中に入っていて、酔っぱらった何人かで友人宅に転がり込んだ時に寝そびれてしまって本を買いに行った記憶があります。その時に読みたかったのは安部公房だったのですが、酔ってない状態で読みたかったので別のものを買って、でもやっぱり後悔して、朝方にみんなで退散した時に上記の高野店まで仕入れに行ったような…。妙な事を思い出すものですね。

ついでに書店ではないですが、今年の1月に閉店した四条木屋町の不二家(昭和9年に開店とか)は、風情も何もなく順調に工事が進行中でした。別のテナントが入るという噂ですが、いつか復活してビックリさせて欲しいものだなと。


そんな感じで、久しぶりの地域ネタでありましたが今日はこれにて。


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