アジアカップ決勝・日豪戦の雑感

試合終了後にそのままダラダラとテレビを眺めていたのですが、あまり眠れそうにないので、珍しく試合直後の殴り書きをしてみようと。そんなわけで、先ほど終わったアジアカップ決勝の日豪戦について、記録しておきます。一応、敬称略にて。


■先発メンバー

興味深いのは、岩政ではなく吉田が先発だった事と、細貝が先発の4-3-3ではなく藤本先発で4-2-3-1の形は変えなかった事。前者の意図として一番大きな点は、相手の高さを警戒し過ぎるよりは、自分たちの攻撃の組み立て時にボールを繋ぐ事を優先したのでしょう。そして後者の第一の目的は、サイドの守備を重視したものだったのでしょうね。この二つの意図の組み合わせが面白いなと思いました。

とはいえ、相手のロングボールに対して中央で優位に立てない事が周囲にも影響して、サイドの守備も連携という点で満足できるところまでは至らず、前半は特に守備に関しては苦しい展開が多かったと思います。

とはいえ、一方の攻撃面では素晴らしいシーンがいくつもありました。そのポイントは、基本的に本田へのマークが厳しい状況で、彼が中盤に下りたりサイドに流れる事で、他の選手がポジションを上手く流動的に変化させていた事。動きに意図が感じられる本田の凄さはもちろんですが、周りの選手もそれに応えて、戦術的に難しい変化をスムーズにこなしていた事が、見ていて面白くもあり頼もしくもあったと思いました。


■岩政投入

後半早々に監督が動き、一旦は交替を指示したものの、ピッチ上の選手たちがそれを押し留めるシーンがありました。この辺りの選手の対応は監督への叛乱というよりは大人的な対応という感じで、平均年齢は低めとはいえ代表としての成熟が感じられて嬉しい場面でした。そして藤本→岩政の交替になります。

恥ずかしながら、この交替で一番可能性が高いのは3-4-3への変更、次点で今野を半列上げた4-1-4-1への変更かと考えていて、今野をサイドに出す変更は予想していませんでした。しかしながら、形としては4-2-3-1のままではあっても、長友を一列前に出す交替は、実際に提示されてみると絶妙で、これにはしびれました。

つまり、例えば4-1-4-1への変更では本田(或いは、可能性は低いものの前田)をサイドに配置する事になり、どうしても守備面での不安はあります。より正確に言うと、守備を徹底する事を本田に求めれば不安は解消しますが、それでは彼の能力を活かし切れる事にはならないわけで。

更に、岡崎の裏へ飛び出す動きが、彼がサイドでの役割に追われる事と、いつもとは逆のサイドから動き出す事で、活かし切れない現状もありました。それが、この変更によって岡崎を右サイドに配置できるようになり、本田も前半の良さを継続できますし、巧い交代だなぁと。


とはいえ、リスクが無いわけではありませんでした。こちらが攻撃を組み立てる場面で、相手選手がこちらの最終ラインと中盤を繋ぐボールを狙って積極的にプレスをかけて、特に岩政にボールを持たせるような守り方をしてくると嫌だなと思っていたのですが、キューウェル辺りはそれをやりたそうな雰囲気があって少し怖かったです。しかし、幸いにしてそうした動きは延長になるまではあまり見られず、日本の交替策のメリットがデメリットを大きく上回る事になりました。一列上がった長友は攻守に貢献して、最終的には決勝点を呼び込む働きぶりでしたし、論理的にも結果としても素晴らしい交替策になったのが嬉しかったです。


昨日も書きましたが、この辺りのザック監督の交替には大会を通してリスクを伴うものが多く、W杯の本番で同じような采配だと厳しいのではないか?という懸念がないわけではありません。しかしながら、守備的な交替であっても攻撃面での影響をきちんと考慮に入れて、守備と攻撃のバランスを計った上での采配は、何だか自然に応援したくなる気持ちになりますね。もっとガチガチに固い采配の方が確率としては結果に繋がる可能性も高く、このやり方ではいつかしっぺ返しを喰らうのかもしれませんが、それでも、できればこの路線のまま成熟して行って欲しいものです。


■まとめ

現時点での日本代表の良さを一つだけ挙げるとすれば、それは、先発メンバーの項で書いたように、戦術的な変化をスムーズにこなせている点ではないかと思います。その長所は、相手が実力的に落ちる場合には精度が低くなりますし、結果として相手のグダグダにお付き合いしてしまう傾向があります。また、日韓戦ではどうしても相手チームが気持ち的に逸る傾向があるだけに、こちらも冷静さを少し欠いた試合展開にお付き合いしてしまう事が多い気がします。

しかし、この決勝で示してくれたように、相手チームの実力次第では、ここまでの精度で連動した動きができるわけで。試合を観ながら、何となくプレミア中位のチームと東欧上位のチームによるEL決勝ラウンドのような雰囲気を感じたのですが、準決勝では残念ながら感じられなかった世界へと繋がるイメージがこの試合からは感じられて、夜遅くまでテレビ観戦した甲斐があったなぁと思いました。

次の勝負はゲスト参加のコパ・アメリカ(南米選手権)ですが、このアジアカップの優勝で、W杯の一年前に開催国で行われるコンフェデレーションズ・カップへの出場も決まりましたし、それらの真剣勝負の機会を上手く活かして、本番であるW杯に繋げて欲しいですね。ともあれ、今日のところは祝・優勝!という事で。


以上、そんな感じで今日はこれにて。


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