先日の日韓戦

先日のアジアカップ日韓戦について、今更ですが備忘録のようなものを書き殴っておきます。


■韓国代表の印象

気のせいかW杯の共催以降、日韓戦やW杯のたびに「韓国代表は過去最強!」という声を聞くのですが、自分が見る範囲ではそれほどまでとは思えないのが残念なところ。まあ、目の前で最強振りを証明されちゃうと哀しいので良いと言えば良いのですが。。少年マンガ的な発想ですが、最強の韓国代表を相手に、それを打ち破る日本代表ってのを見てみたい気がしますね。

一般論として、ポテンシャルは感じるものの、それをチームとして効率的に活かせていない印象。もちろんサッカーは相手がある競技ですので、自分たちの実力をロスなく試合で発揮するのは難しい事ですし、毎回毎回ヒディンク並のロスカットを求められても難しいでしょうけれども。。

この試合で自分が期待した事は、世界の最高峰の舞台に通じるような戦いを感じられる事でした。韓国代表の選手たちは相変わらず球際での強さやフィジカルに優れ、監督の采配も、特に後半の4-1-4-1への変更はやられた感がありますが、チーム全体として限界を感じる部分がありました。本番はW杯と言われればその通りですし、特に継続的に見ているわけでもないので、この試合の印象だけで語るのは危険ですが。。

まだアジアカップの総括をするには早いかもしれませんが、中東勢も実力が増して来ているとはいえ日韓豪にイラン辺りがアジアでは抜けている現状で、それらの国々の代表チームには、アジア最高と世界最高の差について、より自覚的であって欲しいなと思ったのでした。

ちなみに、アジアカップで結果を残してW杯に繋げるという成長モデルは我が国が90年代に実践した事ですが、2004年の中国にせよ、2022年のW杯開催が決まった今回のホスト国カタールにせよ、彼らのアジアカップでの雄飛という野望を直接的に打ち砕いたのが日本代表だった事は、何だか不思議な感じがしますね。


■日本代表の守備

今回のアジアカップはなかなか一試合を通して見るのが難しく、後半の厳しい時間帯をよく見ている気がします。で、ずっと気になっていたのが、リードして守りを固める展開で、相手がロングボールを放り込んで来る事への対処についてです。つまり、ボールを蹴る相手選手にプレスが掛かっていない事と、最終ラインと中盤が下がり過ぎる傾向について考えていました。

また、この試合はスタートが4-2-3-1、後半の終わりに香川→細貝で4-3-3、そして前田→伊野波で5-3-2になりました。この伊野波を入れた時の采配と、ロングボールへの対応について、以下で少し考えてみたいと思います。


この交替を受けて、守備の形としては大きく3つの選択肢があったと思います。一つは、伊野波を右サイドバックに入れ、内田を一列上げて岡崎を左サイドハーフに配した4-1-4-1で守る選択。一つは伊野波をセンターバックに入れて岡崎に同じく左サイドハーフを(右は長谷部に)任せた5-4-1という選択。そして最後に、この試合で採用された伊野波をセンターバックに入れて前線に本田と岡崎を残した5-3-2という選択です。

5-3-2を選択した事から読み取れる監督の思考をいくつか列挙すると、守備面では、
・相手がロングボールを蹴りこんで来る展開を前提に、最終ライン中央の枚数を増やした。→5バック
・最終ラインがペナルティー・ラインの中まで押し込まれる事を見越して、こぼれ球へのアプローチを重視した。→5バック、3センター
・サイドを深くえぐられる危険性よりも、中央のカバーや反撃の可能性を重視。→サイドハーフは置かない。
・ボールの出し手へのプレス<ロングボールをはじき返す<こぼれ球の回収という優先順位。→5バック、3センターで引いて守る。
といった感じでしょうか。

そして、更に興味深いのが攻撃面です。基本ルールとしては、
・本田と岡崎は、サイドで数的不利にならない場面では前線で反撃に備える。
・彼ら2人に加えて、上がれそうなら両サイドバック(特に長友)が攻撃に加わる。
・細貝は優先的に、長谷部と遠藤も上がれると思ったら攻撃参加OK。
・ただし、可能な限り攻撃は3人で完結させる。
・ボールを持ってじっくり組み立てられる状況でも、センターバックの攻撃参加は厳禁。
という感じに見えました。


更に乱暴にまとめると、ポイントは2点。一つは、反撃の可能性を相手に示す事は守備面への影響もあるので大事な事ですが、それが今の代表では最低3人いないと駄目だと監督は考えているという事。但しこれは、日本代表の実力の無さという意味ではありません。例えばクラシコのレアル・マドリードですら、ロナウド、エジル、ディ・マリアの3人が必要と監督は認識していました。

もう一つは、サイドハーフとして守備を任せられる交替選手の不在です。これは選手選択の時点でどうなのだ?という話にもなるわけですが、松井と香川が離脱した現段階でかなり苦しい状況に追い込まれているだけに、新しい選手が出て来て欲しいところです。この辺りは代表監督にどこまでを求めるのか?つまり、選手を育てる事までを求めるのか?という別の大きな話に繋がるので深入りしませんが、結果的には相手サイドの浅い位置から中央へボールを蹴り込んで来る選手にプレスが掛からないというリスクを負う事になりました。


■監督への不安

あの時点での選択として、監督の采配は意図がとてもよく伝わって来るものでしたし、そしてそれは結果的には報われないものでした。この大会を通して漠然と感じる監督への不安について、最後に書いておきます。

一つは、先に書いた選手選考という点について。これは今後の改善もあるでしょうし、今回だけで判断するには難しい点ですが、今後の注目点という感じでしょうか。

もう一つは、ザック監督の采配は概ねセオリー通りの実に妥当な選択という感じで、流石だなと思う事が多々あります。しかし、それが今回も示されたように結果に結びつくとは限らないという事。自分はどうしても5年前のW杯初戦、小野を投入した采配を連想してしまうのですが、14年前のW杯予選の韓国戦で秋田投入の采配も確かに同様のケースでしょうね。だから監督を替えろとかそうした考えはありませんが、監督の意図は凄く良く分かるけれども結果が伴わない…という哀しい場面を見ずに済む事を、願っている次第であります。


■おしまい

ついに決勝まで辿り着いた日本代表ですが、とりあえず自分の不安を払拭するという意味ではそのまんまの相手ですので(苦笑)、頑張って欲しいものです。

香川の離脱で先発メンバーが気になるところですが、個人的には前線の3人:前田、本田、岡崎がポジションを無視して流動的な動きを見せてくれる事を期待しております。密かに、本田1トップ+前田がシャドー的に1.5列目だと、どの程度機能するのか見てみたいような。前田をロングボールの標的にするよりは妥当な気もするのですが、机上の空論はさておき、いい結果になる事を期待しております。


以上、今日はこれにて。


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