クラシコ雑感

何だかんだで楽しみにしていたバルセロナ対レアル・マドリードの通称クラシコですが、早寝早起きでせっかく観たので雑感を書き残しておきます。ちなみに今シーズン初のテレビ観戦。この試合に限らず、おそらく一年を通して試合前に流れると思われる映像を見ていたら、出て来るのがこの2チームの選手ばっかで少し残念でした。


■レアルの守備

結論から言うと、どこでボールを奪うのか意思統一が感じられなかったなと。早い時間帯に試合が動いた不運があったとはいえ、試合が進むごとに前線の3人と後ろの7人が分断される毎年恒例の場面が散見されて残念でした。

システムは4-2-3-1で、3の左にディ・マリア、右にロナウドを持って来た序盤。相手の右サイドバックのアウベスがボールを持つとディ・マリアが付いて中央からベンゼマが流れて来て、前後から挟み込む意図は感じました。ただ、パスコースを切って相手の右サイドにボールを誘導するような動きなどは無く、どうも前線の守備に連動性が見られないレアル。

結局、相手の中盤にボールが渡って7人で守る場面が多かったのですが、アウベスが高い位置に上がるために押し込まれたディ・マリアがディフェンスラインに吸収されて、5バックに見える事もちらほら。ただでさえ中盤が反則気味のバルセロナに対して、中央の薄い5-2で守るのは厳しいですね。


点が入ってからはロナウドの位置を左に戻して、後半頭からはエジルを下げてラスを入れて3センターにしていましたが(少し前のミランで喩えると、ピルロ:シャビ・アロンソ、ガットゥーゾ:ケディラ、アンブロジーニ:ラス)、前線の選手をどう守備に組み込むかは試合を通して解決しませんでした。が、この辺りは手の内を明かす事を避けた印象もあり、何とも言えないところですね。なお、試合前にはスタメン予想もあったラスですが、思った以上に調子が悪かったのはここだけの秘密。

ちなみに前半の問題だった5バックですが、センターバックのぺぺがフォアリベロ的に積極的にメッシに向かう事で改善しつつあったのが面白かったです。この場合の4バックは右からディ・マリア、セルヒオ・ラモス、リカルド・カルバーリョ、マルセロとなり、バランス的にはいい感じ。これをもう少し長い時間見たかったなと(*補足あり→クラシコ補足)。


イグアインがいれば少し違っていたと思いますが、今の充実のバルセロナを打ち負かす為には守備時に4-1-4-1か4-4-1-1に適した選手が欲しいところ。前者なら去年のクラシコのようにイグアインにサイドの守備を厳命してもいけるかもですが、さすがに90分は持たないでしょうし。。素人考えとしては、前者にしろ後者にしろ、守備をサボらないサイドハーフを補強したい気がします。もしくは所謂セントラル・ミッドフィールダー。具体的には、ドイツ代表の7番とかバイエルンの31番とかバスティアンさんとかシュバインシュタイガー選手なんてお薦めだと思うのですが、実現の可能性は知りません。もしも獲得できたら、一気に幅が広がりそうなのですが・・・冬のマーケットに注目しておきます。


■バルセロナの選手の配置

既に書いたようにこの試合の序盤にはロナウドが右にいたのですが、それは完全に予測済みだったのが興味深いところです。ペップ監督も凄いなぁと。説明すると、決まり事はこんな感じ。

・ロナウド側のサイドバックは上がらない。
・攻撃時にはロナウドと逆側のサイドバックを中盤の位置に上げて、3バックで組み立てる。
・センターバックは、守備時にはプジョルをロナウド側に配置する。
・これは攻撃時の3バックで真ん中にプジョルが来るのと同義。

これによって、守備時にサイドバックが抜かれそうになってもプジョルがすぐにヘルプに行けますし、攻撃時には組み立て能力に劣るプジョルの負担を減らす事になります。長所を活かして短所をカバーする実に論理的な配置でありました。


更に、相手の前線が高い位置から守備を仕掛けてきた場合はピッチを縦に長く広げて、場合によってはキーパーを組み込んで、かつ長いボールを極力減らし、中盤のブスケスの位置までシャビが下がったり、両サイドがライン際ギリギリまで広がったり、前線の選手が相手のディフェンスラインの裏を狙っていたり、何でもござれのオンパレードで、対戦相手は頭が痛いでしょうね。

で、中盤にボールが渡ると、ブスケスとシャビとイニエスタのトライアングルを中心にメッシをはじめ他の選手が適宜絡んで、絡んだ選手が空けたスペースには他の選手が走り込んで、個人能力に秀でたレアルの選手たちでさえボールがなかなか奪えない状況を作り出していました。これは中央の話ですが、左サイドならアビダルとビジャにイニエスタと時々メッシが絡み、右サイドならアウベスとペドロにシャビと時々メッシが絡み、その頃中央では他の選手が裏に飛び出す隙を窺っていて、ディフェンスラインから前線まで、ボールの近くでは常に数的有利な状況を作り出す事に成功していました。


とにかく、今のバルセロナが総合力では世界でトップなのは間違いないと証明した試合でしたが、セットプレイでの工夫とか、相手の長所を潰す戦術とか、守りを固める戦術とか、そうした諸々をあまり見せずに勝ってしまっただけに、底が知れないのがまた怖いところです。シャビの後継者という問題はありますが、今シーズンもよほど主力に怪我が重ならない限りは優勝候補の筆頭なのでしょうね。こうした軸が一つあるのは良い事だと思うので(「これこそがサッカーだ!」とか言われると同意しかねますが…)、このまま好調を維持して欲しいものです。


■結論

自分は強いチーム同士が、しかもできれば持ち味の異なるチーム同士が、お互いに高いレベルで凌ぎあう試合が好きで、それほど特定のチームに対しての思い入れはありません。で、今シーズンは他国のビッグクラブがどうも波に乗れない感じで、それが中堅クラブの躍進が理由であれば歓迎するところですが、ビッグクラブの地盤沈下が原因っぽい事を残念に思っておりました。

なので、今シーズン好調なこの両チームがぶつかり合う試合が楽しみだったわけですが。。一方的な試合は好きではないので、後半15分ぐらいから退屈だったのが哀しいところ。

とはいえ、特にレアルの方は手の内をまるで曝していない状態ですので、この敗戦を糧にして自分たちがやれる事を全てぶつけるつもりで、シーズン終盤に再び相見えて欲しいものです。なりふり構わぬモウリーニョv.s.完成の域に達したバルセロナの試合が観られたらいいなと期待を込めて。


そんな感じで、今日はこれにて。


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ぴったんこの当たりではないけど、近いところを指しているのが辺りです。
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