にこたま2

続いて取り上げるのは、渡辺ペコ「にこたま」(モーニングKC)です。先頃2巻が発売されたので、以下は主にそちらについて。しかし、特に講談社から何かを頂いているわけでもないのですが、何だか連続しますね。男女の話という点でも連続ですが、先ほどの「路地恋花」との違いとしては物語のテーマが明らかに重く、しかしながら描写の雰囲気という点では似た部分がある感じがします。


お薦めいただいて1巻を読んだのですが、その印象を率直に言うと、「男が痛い」というものでした。とにかく情けなさ過ぎる主人公(なのか?も少々疑問になって来ましたが…)で、責任を引き受けない事にかけてはかなりのものです。本人に悪意がまるで無いだけに余計に厄介ですが、それを読み手にきちんと伝える描写が良いですね。

責任の分担から逃げるという傾向について、自分なども偉そうな事を言えるかと問われると口ごもる部分もあるのは確かですが、それでもまぁ、大抵の人は多かれ少なかれ、独りで飲み込む部分もあるでしょう。そうした事をしてきた人からすれば、この男の子は大丈夫なのかと思う気持ちになるでしょうし、そのようにして読者は物語に引き込まれて行く事になります。この辺りが作者の上手さですね。


ところで、この作品に限らず、こうした女性が責任のより多くを担うようになる傾向について、自分は最初に1巻を読んだ時には良く分かりませんでした。で、今でも分からない部分は残っているのですが、一応は以下のように考えてみました。

つまり、男の甲斐性という事に関して。それが目に見えて分かり易いものとして提示されるわけではない場合でも、物語に登場する女性が特定の男性に惹かれる理由を期待する心情は読者と、そして作者からも生じるわけです。そしてそこで最初の前提を維持する事は、時代の流れでもあり、そして物語が深化した現状に即した傾向でもあるのでしょう。故に、選択権を女性に委ねてその理由についての責任をも女性側に任せる作品が増えているのではないかな?と。


こうした傾向は一応、フェミニズム的な文脈からは評価される事かもしれません。が、家長制度における陥穽と似た袋小路に繋がりかねない雰囲気を、そこからは感じてしまうわけで。本作品が現状をどの程度まで反映しているのかが気になるところですが、物語の行き着く先が現実の若い世代、特にこの作品でスポットが当てられている20代後半よりもより若い20前後の世代に何かの刺激をもたらすような、それだけの現実感を感じさせる作品に仕上がって欲しいものだとおっさんは思うのでありました。


以上、この作品についてはこれにて。

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