ソフトバンク孫さんの講演の話

先週の始めにソフトバンクの孫さんが新卒者向けに講演を行なわれたらしいのですが、それを今日教えてもらって、文字に書き起こされたものを読んでみました。で、ちょっと思うところがあったので簡単に書き残しておきます。ちなみに、明日までは動画も見られるみたいです。
文字
動画


全編を通した正直な印象としては、色んなところで突っ込みどころは多々あるのですが、とはいえ実績を考えると説得力はあるかなぁという感じでした。10代の頃などに見ると良いと思いますが、年を経るほどに「そこが知りたい」という部分に限って語られないという不満を覚える事もあるかと思います。というか、一般論として、成功の話よりも失敗の話の方が役に立つと思うのですが、それが語られる事は少ないのが残念ですね。比較対象が大物すぎるかもしれませんが、数年前のSteve Jobsの講演の方がお薦めかなぁとは思います。

さて、いまいち歯切れが良くない書き方ですが、ではどうして感想を書くのかというと、ちょっと考えることがあったからです。以下、二点だけ。


一つ目は、「愚痴を言ったら、自分の器を小さくする。」(書き起こし2の真ん中辺り)という話。Yahoo!BBの頃に総務省に乗り込んで直談判して、それについて「世の中が悪いとか、政治家が悪いとか、景気が悪いとか、そんな言い訳を言うとったんじゃ、そんな愚痴を言うとったんじゃ、しゃあないぜよ。」と言っておられます。で、それを読んで連想したのが、福澤諭吉「学問のすゝめ」でした。以下、慶應のサイトから初編を引用しますが、何とも耳の痛い話であります(苦笑)。でも、これはまさに今、考えるべき事だなぁと。

西洋の諺に,愚民の上に苛き政府ありとはこの事なり。こは政府の苛きにあらず,愚民の自から招く災なり。愚民の上に苛き政府あれば,良民の上には良き政府あるの理なり。故に今,我日本国においてもこの人民ありてこの政治あるなり。仮に人民の徳義今日よりも衰え,尚無学文盲に沈むことあらば,政府の法も今一段厳重になるべく,若し又人民皆学問に志して,物事の理を知り文明の風に赴くことあらば,政府の法も尚又寛仁大度の場合に及ぶべし。法の苛きと寛やかなるとは,唯人民の徳不徳に由て自から加減あるのみ。人誰か苛政を好て良政を悪む者あらん,誰か本国の富強を祈らざる者あらん,誰か外国の侮を甘んずる者あらん,是即ち人たる者の常の情なり。
学問のすゝめ 初編」より



二つ目は、「60代で、次の経営陣にバトンタッチをする。」(書き起こし1の真ん中過ぎ)という話。ここで孫さんは「皆さんの世代の人たちから次の経営陣が出てくる、ということになるんだと思います。」と言っておられるわけですが、新卒者向けのリップサービスはあるにせよ、これはかなり本気なのではないかな、と。

古代において、世界各地で末子相続という形が少なからず見られたという話があります。この利点は、自らの思考や秘伝などを子孫に伝えるという点で、世代の経過による劣化を最少にできるという事があります。仮に50年という年月を考えた時に、自分→長子→孫という伝言ゲームよりも自分→末子の利点を重視するわけですが。その辺りも少しは踏まえながら、結論として、今の中堅以上の社員は後継としては見ておられないのかなぁ、と。ここに限らず、冷静に考えるとなかなか凄い事を話しておられるなぁという部分がいくつかありました。

ただ、最後の方で「ソフトバンクグループの社長になる人には、とりあえずストックオプションで100億円ぐらいは出したい。」(書き起こし3の真ん中過ぎ)というのは、正直に言って吝いというか、それでは後継たり得ない気がするのですが。。まぁ、足りない分は自分で増やせという意味であれば問題はありませんが、金銭感覚が麻痺しそうなのが嫌な感じですね(笑)。


そんな感じで、褒めたいのだか貶したいのだか自分でもイマイチよく分かりませんが、どちらにしてもなかなか楽しめました。これで興味を惹かれた方は、文字起こしをちょこっと覗いてみて下さいませ。

以上、今日はこれにて。

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コメント

者って…なんだろ

者って…なんだろう…?

No title

者は物に非ず、つまりは考える葦であるか否かという事なのかもしれませんね。
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