最近読んだ漫画の話その3

引き続いて、どこまで続けるのか書いている人にも見通しがなかったりする漫画のお話。とはいえ、以下はまだ完結していない作品ばかりになるはずです。


で、次に取り上げるのは麻生みこと「路地恋花」(講談社アフタヌーンKC)です。まだ1巻が出たばかりなのですが、古都・京都の小さな路地に住む職人さんたちの仕事を通して、彼らと関わる事になる異性との仲らいが語られます。

この作品でまず思い知らされるのは、事前の取材に対する作者の確かな姿勢で、各話で取り上げられる事になる職人仕事への愛情がうかがえて好感が持てます。

そして、作品を貫いて存在する純文の雰囲気(特に4話はそれが前面に出ています)と、作品の舞台である京都(の路地)が持つ悠久(あるいは揺らぎ)のイメージゆえに、読みながらにして時代があやふやにされてしまう。つまり、現代と言っても昭和三十年代と言っても大正中頃と言っても納得できてしまう時のねじれが感じられます。この雰囲気が表現できているのが良いなぁと。


少し話を大きくすると、こうした純文的なバックグラウンドを感じる漫画家さんは絶えないですね。今の20~30代の描き手にもそうした雰囲気を感じる作者は何人もいますし、漫画家に限らず小説家でも面白い人材は次々と出て来ています。そして彼ら彼女らはお互いに影響を与え合い、あるいはクロス・オーバーしているわけで。

故に自分は日本語の文学や漫画(のみならず、他の創造的な表現作品の多くについても)の行く末についてあまり悲観的ではないのですが、少し気になるのは、以前と比べて才能という点では凌駕している傾向がありつつも、才能のみによって作品を作り上げる時期からの脱却という面ではどうなのか?という事。そして結論としては、それに対する糸口は、業界を取り巻く環境という要素から考えると、漫画界からもたらされる可能性があるのではないかな、と。

先に書いた「ハチミツとクローバー」の感想の中で、他の漫画を連想する事について書きました。「ベル☆スタア強盗団」では映画へのオマージュを書きました。本作では特に純文学というバックグラウンドを強調して書いていますが、こうした様々な異分野が重なり合ってその先にどんな名作が生まれるのか?そうした事を考え出すと、(妙な結論ですが、)できる限り長生きして、できる限りそれらを体験したいなぁという気持ちになりますね。


話を作品に戻して。タイトルにもあるように本作品では毎回、路地の職人さんの恋愛模様が描かれます。で、少し下世話な話として、連載を長く続ける事を考えるのであれば、その恋愛は客同士のものとして描く選択肢もあったのではないかと。

つまり、職人さんと路地を訪のうた異性との恋愛というスタイルで、この物語の広がりとその行く末をどこまで意図して描いておられるのか?という事が気になったのでありました。ま、簡単に言うと、続きが楽しみだという事で(笑)。



以上、今日はこれにて。


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テーマ : 漫画の感想 - ジャンル : アニメ・コミック

コメント

BKOがイメージ

BKOがイメージするの?

No title

そうなのです。
恥ずかしながら、想像力が豊かなもので・・・(苦笑)。
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