明日はお祭り

いよいよ明日は衆議院議員総選挙という事で、遠足を翌日に控えた子供のように少しワクワクしていたりするのですが。とりあえず明日の夜は、ネタ的に「8:30」辺りを流しながら選挙速報を楽しもうかなと考えております。

で、お盆に読んだ本について選挙の日までにまとめるつもりだったのですが、何となく体調も上向かないままに時は過ぎ。体調の方は先週久しぶりにハードな運動をしてみたのが逆に良かったのか、心配していた筋肉痛も結局生じぬままに徐々に回復している感じで、ほっとしております。


そんなわけで、全てを書く事は諦めましたが、せっかくなので一冊だけ簡単に紹介しておきましょう。残念ながらamazonでもbk1ですらも取り扱いできない状態なのですが、今年に入って何故か6年も前の本書の事を話題にされる方が何人か居られました。

で、偶然に自分も読み返してはいたものの、読みっ放しで放置していたのでビビりながら応えていたのですが(苦笑)、やっとの事でお盆に内容を整理したのでありました。なかなか興味深い作品なので、少し本文を引用しながら(これ即ち手抜きと云ふ)軽く感想などを書きます。

という事で、野口悠紀雄さんの「新版1940年体制 さらば戦時経済」(東洋経済新報社)について、まずは引用から。

なぜ急いで増税を決める必要があったのかが、結局のところ不明瞭なままであった。確かに、減税財源の確保や高齢化社会における社会保障費をまかなうためという理由はあげられた。しかし、(略)、税収が長期的傾向値から大きく落ち込んだ現時点で、数年後の消費税率引上げを急いで決める必然性はない。税収の推移を見てから、具体的な税率の引上げ幅を決める方が合理的なのである。(略)

しばしば、「財源問題を真剣に考えないのは無責任」といわれる。これは当然のことである。しかし、問題は、官僚のお膳立てした財源対策から踏み出せないことである。だから、「責任ある政党は消費税増税」ということになってしまう。これは大変危険なことといわざるをえない。(p.191~192より)



「はじめに消費税の増税ありき」という財政当局への批判。ちなみに15年前の当時の細川内閣に対する評価なのですが、現政権与党に対してもそのまま適用できるのが何とも頭の痛いところであります。。。で、このままだと片手落ちではないかと、貴様は野党の回し者かとツッコミが入りそうですが、ご安心下さい(笑)。数ページ後から再び引用します。

五五年体制の崩壊によって従来の野党が政権党を経験したことの最大の意義は、「政策には財源が必要」という自明の真理を学んだことのはずだった。しかし、この学習はいまだに十分でない。「行革や不公平税制是正による財源捻出」などという抽象的・非現実的な主張が、いまだになされている。(略)現在の政府活動の基本を認める限り、高齢化に伴う財政負担を行政改革によって生みだすことは不可能である。(p.197より)



当時の社会党への苦言ですが、今の民主党にもそのまま適用できるのが(以下略)。付け加えるなら、近年になって財源捻出には「埋蔵金」という新しい手段が発見されました。で、単純に解らないのは、毎年の支出を必要とする政策の財源に埋蔵金を挙げているのですが、それは毎年利用できるものなのか?・・・という事を街頭演説中の候補者さんにマイクを借りて尋ねてみたかったのですが、さすがに野暮な事は止めておきました(苦笑)。


話を本に戻して。著者の主張を凝縮すると、
・1940年頃を境にして、それ以前とは全く異質の体制が人工的に強引に導入されて今に至る。
・日本固有の特質に関係しているのであれば改めるのは相当の難事だが、そのような経緯で導入されたものなのであれば、克服の可能性が見えて来るのではないだろうか。
に尽きると思います。

で、昨年の金融危機を経た今になって読み返してみて、この意見にそのまま首肯する事には多少の躊躇を覚えます。


著者には昨年の初め(金融危機の前)に上梓した「戦後日本経済史」(新潮選書)という作品があるのですが、その中で野口氏はトルストイの歴史的必然について言及しています。つまりはそれと同じで、日本において1940年体制が今に至るまで強固に温存されて来たのは、やはりそれなりの歴史的必然になり得るような要素がこの国にあったからではないかと。

ただ、それ故に体制を変えるのは不可能だと主張したいわけではなくて、その辺りを認めないと体制の克服には至らないのではないかなぁと、感覚的な意見で申し訳ないのですが、そんな事を思ったのでありました。

なかなか面白い作品なので、興味を惹かれた方は、古本屋などで立ち読みしてみて下さいませ。


以上、思ったより長くなってしまいましたが、今日はこれにて。
読んで頂いてありがとうございました。



p.s.ちょっとしたつぶやき。
このまま行けば、福田(子)、麻生(孫)、鳩山(孫)と、三代続けて総理経験者の血縁内閣になる、という事実はちょっと凄いなぁ・・・と。


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