UEFA CL決勝雑感

何でもできる筈のチーム、選択肢をたくさん持っていた筈のチームと。やる事が決まっているチーム、選択肢が一つしかないチームと。その差が出たのかな、という感じでしょうか。前者はやれる筈の事を何もできず、後者はやれる事を存分に出した試合でした。


あと、大きかったのは守備の違い。マンチェスター・ユナイテッドは、どうしてメッシ、シャビ、イニエスタを積極的に潰しに行かなかったのか?ファウルを効果的に使って、彼らに前を向かせないような守備を行わなかった事が大きかったと思いました。前線からの守備ではなく、中盤で彼らを自由にさせない守備というか。自分たちの攻めに繋げる為の守備ではなく、相手が嫌がる守備をすべきだったのではないかと。

逆にバルセロナは、普段は狙われる事が多い右サイドバックの裏のスペースをカバーする意識がしっかりしていました。つまりCBのヤヤが迷わずサイドに出て、その間に戻ってきたSBのプジョルが中央をカバーする形が実に安定していました。攻撃の結果生じるポジションの乱れに対しても、ボールを奪われた時点で各人が今の位置ではどう振る舞うべきかをきっちり把握していて、無駄のない動きが徹底していたのがお見事でした。


序盤の10分はマンチェスター・ユナイテッドが支配した時間帯でした。画面を見ながら、メッシが中央に、エトーが右に出ているのを確認してすぐだったのですが(*1)、なかなか前にボールを運べなかったバルセロナはメッシのボール・キープ(*2)を皮切りにイニエスタがドリブルで相手陣内に持ち込み、右に出ていたエトーがゴールを決めました。体の切れが戻ったのか、彼のシュートのタイミングは良い時期の彼を髣髴させる見事なものでした。


その後は完全にバルセロナのペースでした。バルセロナが慎重な姿勢を崩さず無理な攻めを極力避けていたお陰で得点は増えませんでしたが、仮に得点への野心が強かったら、レアル・マドリードと同様の大敗すらありえたかもしれません。


幸いにも1失点で前半を終え、しかし方針変更のチャンスがあったにもかかわらず、マンチェスター・ユナイテッドは守備に手を加えず攻撃的な選手を入れ替えるだけでした。良い形でボールを奪って得意の素早いカウンターに持ち込むためにも、中盤の守備のてこ入れをすべきだったのではないかと思うのですが・・・。結果的には、持ち味の攻撃力を発揮できるだけの安定をチームが得る事ができなかったところに、彼らの敗因があった気がします。


結論としては、観ていて楽しめる試合ではあったものの、一方の主役が実力を見せないままに敗れてしまう展開になったのが残念だったと、そんな感じです。もちろん、実力を遺憾なく発揮して主役を演じたバルセロナは、とても素晴らしかったです。



以上、文句を言いながらも興奮が続いているので(笑)、今の感想を記事にまとめてみた次第でありますが、読んで頂いてありがとうございました。

夜にまた追記するか、それとも別エントリーを設けるか、それとももう何も書かないか。全然分かりませんが(笑)、とりあえずはひとまずこれにて。



ちょっと追記。(5/29 0:30')

しかし、戦前にマンチェスター・ユナイテッド側の戦術を考えていて、メッシとエトーの入れ替えは案外効果的かも?と思ってはいましたが、ここまで決定的な事になるとは・・・。具体的には、4-4-1-1なんだか4-2-3-1なんだか4-1-2-3なんだか断定しにくいシステムでしたが、つまりギグスの役割が中途半端に終わったのが一番の敗因かと。ただ、能力と役割がアンバランスだったという点で、責任は選手ではなく監督にあるのでしょう。

普段の試合を観ていないので、「今シーズンは調子が今ひとつだった」とか言われたらそれまでですが、スコールズとテベスを先発起用できなかったのが辛かったな、と。色々と戦術を考えられて面白い対戦でしたが、最初にも書いたように、せっかく所有しているはずの戦術を、披露してもらえないままに終わってしまったのが物足りなかったな、と。


あと補足。

*1.正確には、前半3分の時点ではノーマルでしたが、5分過ぎにはメッシが中央でした。

*2.ボール・キープというと少し語弊があったかもしれません。ピッチの中央付近でこぼれ球を1~2タッチでシャビ→イニエスタ→メッシと繋ぎ、そのままダイレクトでイニエスタに戻しつつ彼から遠ざかる動きによってイニエスタがドリブルできるスペースを作った、という感じでしょうか。


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tag : マンチェスター・ユナイテッド バルセロナ 守備

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