マンチェスター・ユナイテッドの布陣について

CL決勝のまさに直前という事で、怒涛のサッカー記事4連発になりました(笑)。仮眠とサッカー以外は何もしていない夜です(苦笑)。今回は、マンチェスター・ユナイテッド4-3-3について。先日書いた決勝の展望についての記事で、自分はマンチェスター・ユナイテッドの先発を4-4-2だと推測しました。それは、彼らの4-3-3がミランのクリスマス・ツリー型4-3-2-1を元にしたものではないかと思っている事が影響しています。



・ACミランのクリスマス・ツリー

ミランの発想は、攻撃時に中盤底のピルロを活かそうというもの。その結果、守備の時にはサイドが手薄になり易いのですが、それをセードルフの動きでカバーしています。簡単に書くとこんな感じ。


<ACミラン>
□□□□□□□□□□□□□□□
↓←←●□□□□□□□□□
□□□□□□○→□□
□□□○→□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□
<4-3-2-1><4-4-1-1>


上図の黒丸がセードルフですが、彼が守備時に中盤のラインに入ることによって、4-4-1-1気味に守れるのが強みです。また、時によってはカカーも中盤に加わり4-5で守る場面もあります。そしてボールを奪うとセードルフとカカーが横並びの2シャドーに近い形で中央突破を志す事になります。サイド攻撃はSBと中盤「3」の端二人が担います。



マンチェスター・ユナイテッド4-3-3

まず、攻撃時の動きから見ていくと分かり易いと思うのですが、両ウイングに起用される選手たち、つまりロナウド、ルーニー、パク、ギグスらの動きを振り返ってみると、中央に進出する動きが特に顕著です。スペースを空ける事でSBを呼び込むという意図もあるとは思いますが、それにしてもSBにお任せ状態の事が多く、自らサイドで起点になったりSBと絡む動きを見せたりという場面は、ルーニー以外の選手は少な目という印象が残っています。これは、選手の傾向という部分もあるかもしれませんが、それよりも監督の意向という可能性が強いのではないかと考えていて、つまり攻撃時にはまさにミランのクリスマス・ツリー型4-3-2-1に近い配置を念頭においているのではないかと思うのです。

それが守備に変わった時、サイドの担当は両ウイングです。ここがミランと違う点で、結果的には4-1-4-1気味に守る形になります。その為、強豪相手の試合になると、4-3-3を採用する場合にはロナウドをサイドで起用しにくいというジレンマが出て来ます。中央からサイドに戻る献身的な動きが、守備の時には求められるからです。


マンチェスター・ユナイテッド
□□□□□□□□□□□□□□□
●→<攻撃時>←●
□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□
□□<4-3-3>□□<4-1-4-1>


また、ピルロに当たる役割を担うキャリックについて。彼は確かに守備面でも計算できる選手ではありますが、攻撃面での能力に比べるとどうしても少し落ちるわけで。通常の相手であれば問題にはならないと思いますが、バルセロナの選手を相手に1対1になってしまうと少し苦しいような気がします。彼をCBと2CHの間で余らせるような守備ができれば万全ですが、相手もそこのスペースを狙って来るのは間違いない上に、カバーをしてくれそうなフレッチャーもこの日は出場できません。

特にメッシがエトーと入れ替わって中央に入ってきた場合を考えると、4-3-3では安易に左ウイングをメッシに付いて行かせる事ができません。それは左サイドが数的不利に陥るからで、プジョルをフリーにしてメッシを追うという選択肢は妥当にも思えるのですが、相手の右サイドでシャビがエトー&プジョルと絡む動きに結び付くと、エブラ&スコールズの二人だけで防ぐのは相当な危険を伴います。また、1トップのロナウドには守備を期待できないので、最悪の場合は相手の両CBとピボーテに加え右SBまでフリーという、引き篭もるしか選択肢が無いような状況に陥りかねません。


もともとミランにおいても、守備において少し劣るピルロを守るような形でガットゥーゾやアンブロジーニが配置されていました。ハーグリーブスは怪我、中央で起用され易いアンデルソンやギグスはどちらかというと攻撃向き、という事などを考え併せると、やはり4-4-2が妥当ではないかと思ったのでした。



マンチェスター・ユナイテッド4-4-2

長くなってきたので、以下は簡略に済ませます。

4-4-2で守る場合、メッシの移動があっても左SHはいくつかの選択が可能です。より正確に言うと、危険な方面に向けて動く事ができます。左SHが選択しなかった方面は危険度が少し低いので、仮にメッシにそのまま付いて行くのであれば中盤の残りの三人がそれぞれ左寄りに位置を修正する事で、仮に左サイドをケアするのであれば中盤の残りの三人がメッシを見る事で、何とか対処できます。これはつまり、右SHを計算に入れられるお陰でマークの受け渡しがし易いのではないかと。これが4-3-3の右ウイングの場合だと、攻撃時にいた中央からサイドに戻って、また中央をケアして、という動きが必要で、理論上はもちろん問題ないのですが、実際には走行距離という点で破綻を来たしかねないのではないかと思うのです。

また、ロナウドに一応CBをケアさせ、テベスにはピボーテを注意させつつ状況によっては相手SBも牽制させる事で、守備の細かな修正を可能にするだけの時間が稼げます。場合によっては中盤の低い位置まで助けに来てもらう事もできます。なので結論としては、バランスという点でも4-4-2の方が無難じゃないかな、と判断した次第でありました。



という事で、いよいよ決戦が目前に迫って来ました。予想に反してマンチェスター・ユナイテッドが4-3-3で来たら自分の不見識を恥じるしかないですが(苦笑)、以上が今の段階で自分が考え得るベストな戦略だという事で。試合の前に書き留めておく次第でありました。


以上、今日はこれにて。
読んで頂いてありがとうございました。



参考
4-4-2から4-2-3-1へ。2センターから3センターへ
[attacking phase]より。とても参考になります。


関連記事

テーマ : 欧州サッカー全般 - ジャンル : スポーツ

tag : マンチェスター・ユナイテッド 4-3-3 4-4-2

コメント
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する