ブラジルの優勝

試合が行われてから数日経ちましたが、コパ・アメリカの準決勝と決勝について書いていなかったので、今回はブラジルについて書いてみたいと思います。


グループ・リーグの初戦で良い所なくメキシコに敗れるというスタートだったブラジルは、守備を重視する監督と、それが面白くない選手との間で意識の乖離が窺える内容でした。06-07シーズン序盤のレアル・マドリードが重なって見えたものです。

しかし、試行錯誤を繰り返しながら第三戦のエクアドル戦で一応の形を整えると、続く準々決勝のチリ戦では一転して06-07シーズン終盤のレアル・マドリードさながらの積極的なサッカーを展開していました。


そして準決勝のウルグアイ戦。3ボランチ+バチスタという中盤の構成に落ち着いたブラジルは、南米というよりは欧州のチームみたい。

ただしそれは相手のウルグアイも同じようなものというかそれ以上で、相手に前を向かせない執拗な守備は欧州レベルでした。更に、高い個人技を加えてブラジルを苦しめていました。

ウルグアイの敗因は、結局レコバの交代になるのかもしれません。後半頭からのブラジルの守備はらしくなく見事でしたし、同点に追いついたシーンは見事ではあるものの運が良かったと言ってもいいぐらいで、レコバのいないウルグアイは後半チャンスを作れていませんでした。

ブラジルの印象としては、守備がしっかりして来たので、先制すると後は守ってカウンターという形に持ち込めて有利なはずが、何故か追いつかれる、しかし何故か最終的には勝ってしまう、というすっきりしない印象。色んな意味で少し前のドイツ辺りが近いかもしれません。


さて、そんなこんなで決勝戦。ブラジルの不安はサイドの守備で、特にマイコンのいる右サイドがポイントかな、と思っていました。しかし、結論から言うとアルゼンチンは中→中という攻撃ばかりで、ブラジルの3ボランチの左右のスペースを全く使えていませんでした。

サネッティのオーバーラップはロビーニョが献身的な守備で防ぎ、ヴェロンに対してはジョズエが、そしてリケルメに対してはバチスタ+エラーノ+ミネイロという念の入れようで、彼が中盤に下がっても決して注意を怠らず、カンビアッソが攻撃にあまり秀でていない事もあって、メッシがマイコンのサイドに流れて来ない限りはチャンスは出来なさそうでした。

更に、ブラジルは前線のラヴから積極的にプレスに行ったので、アルゼンチンの攻撃の選手は落ち着いてボールを貰えず、メッシやテベスには辛い展開でした。

この決勝でのブラジルはとてもイタリアっぽい雰囲気で、特に先制すると専守カウンターという形が一層ハッキリするだけに、アルゼンチンにはバチスタの一撃が重く圧し掛かりました。そしてオウンゴールによる前半で2点のビハインド・・・。後はブラジルの体力次第と思っていたら、後半25分という理想的な時間に追加点で勝利を決定付けました。

本当に見事なカウンター・サッカーによる勝利で、ブラジルにあれをやられたら、どんなチームでも勝つのは厳しいですね。少々面白くない部分はありますが、さすがは1994年のW杯を制したドゥンガのチームといったところでしょうか。見栄えよりも勝つ為の手段を追求するその姿勢は、素晴らしいと思います。


これほど戦術が広く浸透した現在では、状況に応じてチームの形を変化できる柔軟性が重要だとよく言われますが、本大会でのブラジルは予選でのロビーニョ依存のチームから堅守速攻のチームへと変貌を遂げ、その辺りがリケルメを中心にチームの形がハッキリしていたアルゼンチンとの差だったのかな、と思いました。


あとは、このチームにどうやってロナウジーニョを融合させるのか?カカはまだ入る余地があると思うのですが、監督の本心としてはロナウジーニョは必要としていないのかな?なんて邪推をしつつ、コパ・アメリカはブラジルの優勝で幕を閉じたのでした。


読んで頂いてありがとうございました。
今回はこれにて。
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