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本の感想

本の感想をダダダダダっと。まずは歴史関連の新書を二つ。


どちらにも共通するのは、細かいところで粗が目立つのが少し残念だという事。新書が粗製濫造の状態に陥って久しいですが、もう少しちゃんとチェックをして欲しいというか。で、せっかく読んだので、思い出せる範囲で指摘しておきます。

以下のような事は少し神経質な指摘かもしれませんが、速読気味に読む時ほど引っ掛かるんですよね。丁寧に読む時にはすぐに処理できる事ですが、何というか、スピードを上げるほど道端の石ころが脅威になるのと同じようなものでしょうか?てにをは、なども普段は気にならないですが、ざっと大意を掴みたい時ほど引っ掛かる気がします。

という事で各論。


・武光誠「日本史を動かした外国人」(青春出版社)

評価としては5段階で☆2つ半ぐらい。発想としては面白いものの、やはり一冊で網羅するには難しいという感じで。掘り下げの甘さが残念でした。

ちなみに、序章で聖徳太子から鎌倉時代まで、1,2章で鉄砲伝来から信長、3,4章で秀吉、5,6章で家康、7,8,9章で鎖国期を取り上げ、最後に開国後に少し触れてまとめて終わり、という構成です。

これでは、少し歴史に興味のある方ならば大体知っている話で終わってしまうわけで。発展性があるだけに何とも残念な印象でした。せめて「戦国期に」とか「鎖国期に」というテーマだったら・・・と思ったのが正直なところです。


で、冒頭に書いた細かい粗について。

太子は慧慈(?-623)を大いに慕い、慧慈の死の知らせを聞いたときに、慧慈の命日と同じ2月22日にこの世を去りたいと望んだと伝えられている。そして太子はその願いどおりに、推古30年(622)2月2日に逝去している。(p.19,漢数字をアラビア数字に変更,慧慈の生没年は初登場のp18に記されていたものを転載,以下同様)


wikiで調べた範囲では、聖徳太子の死を聞いた慧慈が太子の命日に死ぬことを願い実現したとの事。太子の死は621年説もありますが、一応は622年の2月22日となっています。

ペドロ・ラモン(1550-1611)は27歳(1577年)のときに、マカオから長崎に渡った。翌年にバテレン追放令が出されたが、ラモンは日本に滞まった。(p.96)


来日は確かに1577年だそうで。で、バテレン追放令は秀吉の時で1588年なので、11年後です。

宣教師フェレイラ(1580-1650)は宣教師追放(1604年)を逃れて長期間にわたって潜伏し、(p.138)


有名な沢野忠庵についての記述ですが、宣教師追放は1614年です。


以上、今後この本を読む方の参考になれば幸いです。



・関裕二「なぜ『日本書紀』は古代史を偽装したのか」(実業之日本社)

こちらは評価としては5段階で☆2つぐらいかな。仮説の一つ一つは面白いのですが、それを強引に積み重ねている辺りが何とも厳しい気がします。結局、瑕疵が多くて突っ込み所が満載で、力技過ぎて印象も悪くなってしまうという悪循環に陥っている気がしました。

あと、説明の中で、知識不足の読者のために通説を紹介する箇所が幾つかあるのですが、どうも理解の浅さを感じてしまうというか。自説を補強するための印象誘導なのかもしれません。

ただ、古事記はそれなりに接点があったものの、日本書紀はあまり馴染みがないので、著者が引用する他の研究者や作家さんの説などは面白かったです。著者の仮説にしても、仮説に仮説を重ねるから問題になるだけで、一次資料からのものは面白い推理がありました。

要するに、提示される材料を元に自分で考察できる方ならば、まずまず楽しめるとは思いますが、これを鵜呑みにする人などには危険な作品かなぁと、そんな感じです。


で、勝手に訂正一覧(笑)。

・p.70の皇位継承順:正しくは元明、元正の順なのに逆になっている。
・p.125:関心→感心
・p.189の系図:元明が持統と大友皇子の娘になっている。

最後の系図は、一瞬これも作者の新説か?と思いましたが、少なくとも本書ではそうした記載はなかったはず。正しくは三者はともに天智の異母兄弟(姉妹)で、持統と大友皇子の関係も無いはずです。


あと、ちょっと受けたのがこちら。

・・・39個の銅鐸が発見された。これが加茂岩倉遺跡で、それまで一つの遺跡から発見された銅鐸の最多記録が24個で、銅鐸文化圏の中心と威張っていた奈良県全体からの出土数が20個だったから、やはり普通の遺跡ではなかった。(p.153)


24個(おそらく大岩山出土の銅鐸)の時点で威張れないような・・・(苦笑)。



そんな感じで今日はこれにて。
読んで頂いてありがとうございました。



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