或る日常

 雨が降りそうだと思いながら、書店に入った。予定外にゆっくりしてしまい、出て来たら路面が濡れている。にわか雨だったのだろうか。庇から垂れる水滴を避けるため、地下に入る。

 再び出た地上は、雨だった。本の入った紙袋を鞄に仕舞い、入れ替わりに折りたたみを出す。頭上で時折、鈍い音がする。みぞれ交じりの雨。時期外れの歌を、ふと思い出した。

All alone I watched the quiet rain.
Wonder if it's gonna snow again, Oh~...



 英語なのは「クリスマス・イブ」をとうに過ぎたせいか。ご本人が歌っていたもので、しかし続きは思い出せない。日本語のほうが余情がある。


 ビーチ・ボーイズをJ-Popに組み込んだ功労者の一人は、山下達郎だろう。彼自身の曲はもちろん、竹内まりや、桑田佳祐への直接の影響も大きい。らしい。夫婦なのは知っているが、交流の詳細までは知らない。

 「忘れられたBig Wave」を習作に、主にクリスマス曲で桑田流の解釈が聴ける。「あなただけを~Summer Heartbreak」という夏の歌もある。ドラマの主題歌で、主演は福山雅治だったか。ラストの回のサブタイトルがこれで、日本語から「幸せな結末」を、英語からは逆を想像して、放送前に悶えていたドラマ好きがいた。どうでもいい記憶だけは自信がある。

 大瀧詠一のシングルは、宣伝文句が「初のCD作品」だったか。これもドラマの主題歌。主演は忘れたが、曲だけは覚えている。転調に全てがある、と思っていたらラストの繰り返しを見逃してしまう。幽霊の怖さは、海外でどう理解されているのだろうか。


 目に付いたトンカツ屋に入る。飯、汁、キャベツがおかわり自由とは何とも太っ腹だが、あいにく我が腹回りがそれを許さぬ。カツを二切れごとに茶碗を持ち上げていたのは遠い昔。かろうじて変わらぬのは、キャベツの消費量のみである。

 頻繁に頼むのはお互いかなわぬので、追加の際にはカツを避難させ皿を広く開ける。まったく、何を食べに来たのか分からぬ。定食のヒレカツと単品の牡蠣フライ。勘定を払って自覚を新たにする。


 ホテルの部屋で、タオルでコートの雨粒を拭きながら、ビールを頼まなかった事を後悔した。


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