鴨川ホルモー六景

時間はないけど、二冊まとめて感想を。買ったまましばらく放置していた万城目学氏の「鴨川ホルモー」(産業編集センター)と「ホルモー六景」(角川書店)について。結論から言うと、両者とも星3つぐらい。

個人的には「鹿男あをによし」よりは評価が高いです。変にアカデミックを装った題材よりも、ホルモーというシミュレーション・ゲームの三国志みたいな少しアングラ寄りの題材の方がこの作者には合っているような。そんな中で繰り広げられるストーリーは、ライト・ノベル系。というと語弊がありそうですが。ラノベにありふれているような展開という感じがしました。

「ホルモー六景」の方は、少し文章も構成も上手くなっています。ただやっぱり、「普通」という感じで。森見氏には才能を感じますが、万城目氏には感じないのが正直なところ。ただ、そんな「普通」な作者が、この先どこまで行けるのか?という点には非常に興味がありますし、その点で森見氏以上に応援していたりします。願わくば、「普通」の人が積み重ねの末に「非凡」に至る姿を将来見せて欲しいものだと。思うのでありました。


で、以下は雑談。

関西で、特に京都で学生時代を送った方ならば、それだけでこの小説は楽しめる要素があるのは確かです。自分も昔の事を思い出しながら楽しませて頂きました。

京都大学の中心に近い百万遍辺りにはあまり出向かなかったので詳しくないのですが、それでもオランジュ(喫茶店)などは1~2度ほど待ち合わせに使った事もあり。そうした実際に記憶にあるお店などが作品に登場するたびに、とうに忘れていた筈の記憶が蘇ったりして、面白かったです。

それから、作品の登場人物が、各大学の雰囲気を反映したキャラクターだったのも良かったです。不思議なもので、たった数度の試験だけで選ばれた筈の各大学の学生さんですが、各々の大学に特有の傾向を反映する事が多いのが面白いですね。欲を言えば、自分がよく知っている大学の中で同志社の存在が作品ではあまり目立たなかったのが残念でしたが。

こうした傾向はおそらくどの地方にもあって。とはいえ自分が早稲田とか慶応とか言われてもその傾向の違いを理解できない様に、こうした京都の大学ごとの雰囲気の違いがピンと来ない方にとっては、少し楽しさが減ってしまうかもしれません。その意味では、よりターゲットを選ぶ作品だったのだな、と思ったのでありました。


以上、これにて。
読んで頂いてありがとうございました。



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