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井上作品

いつの間にか新刊が出ていて、ついでに対談本も出ていたので購入してみました。以下、感想。


・バガボンド28巻(講談社)

漫画のメインの筋書きやらは実際に読んで下さいという事で。気になった又八絡みの事について。


彼が、母親から用意されたものをそのまま受け入れて安寧に暮らす道を選ばず、「このままだと自分は腐ってしまう」と世間に自らを問う意欲を見せた事を、自分は評価していました。とはいえ結局その心意気は長続きせず、自ら自戒する通り「大切なものを全部、自分で壊して」ここに至るわけですが。

冷たい事を言うと、彼には世間の荒海の中で生き残り名を馳せるほどの才能は無かったという事なのでしょうけれど。そんな、ほんの一握りの超一流の才能の持ち主以外は存在意義がないかのような切り捨て方は、大多数には辛い話なわけで。剣の腕にせよ芯の部分は優しい性格にせよ、超一流ではなくとも人に優れた要素はあっただけに、何とかならなかったものかと考えてしまうのであります。


単純に損得を考えると、村を出ずに親の言いなりの人生を送る事がベストだったのでしょう。とはいえ、特に男にありがちな「自分もいつかは・・・」と遠くを見るその志は、やはり否定したくないもので。母や叔父と再会した時か、更に広がった武蔵との差を実感した時か、どのタイミングかで「諦める」事が必要だったのでしょうけれど、それがいつだったのか?などと考えていたのでありました。


あと、以前に書いたこと。

多少の偏見があるかもしれませんが、他人に「向上心がない」と言い放てるタイプの人は、例えば「働かざるもの喰うべからず」といった言葉も平気で口にできそうな気がします。こちらも負けず劣らず下品な表現だと思うのですが、共通するのは上から目線。自分は絶対的に上の立場だという傲慢さ。言葉が他人に与える印象を自覚できていないからこそ使える表現は他にもあって、自分も気を付けたいとは思っていますが。傲慢さに憧れる人が増え、謙虚さが美徳にならなくなったのはいつ頃からだろう、なんて考えたり。
from自己分析からつらつらと



作中で沢庵和尚が「働かざるもの~」と口にしていますが、やはりこれはお坊さんなりが言う言葉なのでしょうね。誰が言い出したのか、とにかく有名な対比ですが、やはり自分は「働かざるもの~」よりは「一日なさざれば一日喰らわず」の方が遥かに好きだな、などと考えていました。

前者は自分を棚上げしているけれど、後者は自分にも掛かって来るわけで。そもそも、他者へ使うまでもなく自分自身に対して使える謙虚な辺りも好感が持てる言葉だと思います。この言葉が持つ精神を自分も意識して毎日を過ごしたいものです。



・漫画がはじまる(スイッチ・パブリッシング)

気まぐれで購入した、というのが正直なところだったりするわけですが、充分に楽しめました。ただやっぱり、作品以外で作者の意図に接するのは怖いな、とも思ったり。


もともと、作品を発表した上に「この作品の意図は実は・・・」なんて語られるのは好きではないほうで。いささか理想論かもしれませんが、やはり「作品が全て」という意識で向き合って欲しいと思ってしまうのでありますが。この本では、そうした押し付けがましい感じがあまりなく、好感が持てました。

そして、自分が受け取っていた事が作者の考えに近いという実感が得られたのが少し嬉しかったり。「作品をどう楽しもうとも受け手の自由」というのはある意味正論でしょうけれど、結局は自己満足に終わってしまいがちで。故に、「作者の意図を読み取った上で、自分なりに租借する」のがやはり一番作品を堪能できると思うのでありますが。井上氏の場合は作者でありつつも一読者として作品を楽しんでいる風があって。そのスタイルや捉え方が自分に近いかも、と思ったのでありました。



以上、ひとまずこれにて。
読んで頂いてありがとうございました。


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テーマ : マンガ - ジャンル : アニメ・コミック

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