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決勝

という事で、既に一週間前の話ですが、せっかく観たのでたまにはきちんと戦評でも。
UEFAチャンピオンズ・リーグ決勝、マンチェスター・ユナイテッド(以下マンU or ユナイテッド)対チェルシーの一戦であります。



・試合前

両チームの先発メンバーが整列してCLのアンセムが流れるのですが、決勝のみ少し長めのバージョンになるのだとか。

正直に言うと、この曲は通して聴くと飽きてしまう部分があります。戴冠式アンセムを流用して作りました、といった感じですが、さすがに装飾過多で冗長すぎる気がしたり。とはいえ、ここで1分弱流れるこの曲には、単なる視聴者たる自分をも緊張させ興奮させるものがあって。やはり、この舞台が与える心理的効果には凄まじいものがありますね。そんな中で、選手たちはいかに平常心で戦えるか?

ちなみに、先発22人の中で決勝の舞台を経験しているのは、ファン・デル・サール(1995アヤックス)、エブラ(2004モナコ)、ハーグリーブス(2001バイエルン)、アシュリー・コール(2006アーセナル)、リカルド・カルバーリョ(2004ポルト)、マケレレ(2002レアル・マドリード)、バラック(2002レバークーゼン)辺り。ブラウン(1999マンU)もベンチ入りは経験済みだそうで、結構いるものですね。ざっと確認したつもりですが、もしも間違っていたら、文句はこの試合の実況・解説の方あてにお願いします(笑)。



・序盤

チェルシーは予想通りの4-1-4-1。唯一予想が割れそうな左サイドにはマルダを起用。右サイドバックはエッシェン。ただ、序盤はラインがかなり低いという印象でした。まず前半は失点を避け、攻撃はロングボールでカウンターというゲームプランなのでしょうけれど、あまりに引き篭もりすぎるのは逆に危険な気もするのが難しいところです。

マンUはあえて言えば4-4-2。中盤は中央にキャリックとスコールズ、右にハーグリーブスで左にロナウド。2トップは縦の関係で、守備の時にはテベスが中盤に下りるので4-5-1っぽくなったり。自慢の堅い守備からボールを奪うと、ロングボールを前線に当てて中盤に戻し、その間に全体的にラインを上げる形が印象的。自陣に近い位置でチェルシーの守備網に掛かるリスクを嫌ったのか、まずは中盤を省略した組み立てが多かったような気がしました。

そんな両チームの狙いはともかく、中盤の選手が前を向いてボールを扱える状況が多く生まれた事で、試合はユナイテッドのペースで進みます。そして、前半から試合が動きました。



・1-0(前半26分)

ユナイテッドから見て右サイド、相手の陣地内深めの位置からスローインをブラウンが入れてスコールズへ。
再びブラウン、スコールズとパスを交換してボールをキープ。
そして弧を描くように中央に回り込んだブラウンがフリーでボールを受ける。
落ち着いて遠めサイドにボールを送ると、フリーのロナウドが頭で合わせてユナイテッド先制!


スコールズが上手く相手をいなして絶妙のタイミングでボールを出したプレイが見事でした。

また、上からのアングルでリプレイがあったのですが、ゴール付近でのテベスの動きが面白かったです。
まずはボールのサイドに近付くものの、急に立ち止まって逆方向のエッシェンに向かうフェイクを入れる事で彼の動きを止め、その上で再びボール方向に走って中央のDFを自分に引き付ける。これで一瞬動きが遅れたエッシェンがロナウドに付き切れず、先制を許す事になりました。

エッシェンからすれば、一瞬の判断の遅れが致命傷になったわけですが、この辺りは本職のDFではない事(特に経験という点で)が影響したのかな、とか思ったり。



・前半その後

正確な時間は分かりませんが、低い位置取りだったチェルシー守備網が徐々にラインを上げて行ったような。ベンチからの指示があったのか、そもそも失点した事が原因なのか、その辺りを関係者に訊いてみたいところです。

目的としては、相手のポストプレイを邪魔する事と、中盤でのフィジカル勝負に持ち込む事でしょうか。とはいえ、前半の間は目立つほどの効果はなく、勝負は後半かと思ったロスタイム間近。試合が動きます。



・1-1(前半45分)

チェルシーの自陣内左サイドからのスローインをアシュリー・コールが入れてドログバに。
体を張ってキープしたボールをマルダに渡す。
マルダがドリブルで持ち込むも、少しボールが足元から離れたところでクリアされる。
しかし、こぼれ球をランパードが拾って横パス後に前線へ。
ボールを持ったエッシェンが遠目から思い切りよくシュート。
相手に当たって転々としたボールに素早く詰めたランパードが決めてチェルシー同点!


エッシェンの攻撃参加、ランパードの前への推進力などで、マンUの守備陣が背走させられる羽目になったのが致命的だったか。やはりシュートを打つのは大事だな、とか思ったり。打てば何かが起こるかもしれない、とはよく言われますが、その好例かと。そして勝負は後半へ。



・後半

もともとロナウドがあまり守備に戻らないので中盤で数的不利になりやすいユナイテッドですが、後半はエッシェンが頻繁に中盤中央に出て来たので、慢性的な人手不足に陥りました。ロナウドを放り出して攻撃に加わるその意欲に拍手。そしてエッシェンの動きを警戒すると右サイドが手薄になるわけで、ジョー・コール活躍の場面が到来。ルーニーがかなり低い位置まで下がって守備に加勢するものの、完全にチェルシーのペースになりました。

マンUとしては選手交替などで流れを変えたいところですが、延長の可能性もある以上は手札を残しておきたいわけで。とはいえ押し込まれる状況を打開すべく、後半30分頃にポジションを少し変更します。ハーグリーブスを中盤とディフェンスの間に置いて、右サイドにはルーニーを配した4-1-4-1。この変更の前からルーニーとテベスの縦関係は前半とは逆になる事が多かったのですが、完全にテベスの1トップという形にしました。

攻撃面では手詰まりなままでしたが、この変更で少し守備面での落ち着きを取り戻したユナイテッド。とはいえ、攻撃時にルーニーが中央へ→空いた右サイドにハーグリーブスが上がる→この時点でボールを奪われたら変更前と同じ形だったりするわけで。ついに抜本的な変更を決断しました。

後半42分、マンUは両チーム合わせて初めての交替を行います。鼻を打って血を流し呼吸が苦しい中で攻守に貢献していたスコールズを下げてギグスを投入。マンU史上最多出場記録を更新するベテランの投入で、改善を図ります。ギグスはトップ下の位置に入ってハーグリーブスは完全にセントラル・ハーフで固定。後半はかなり中央寄りだったロナウドに、左サイドで決定的な仕事をして欲しいというメッセージのような気もしつつ。勝負は延長戦に持ち越されました。



・延長~PK戦

怖れていた事がここで発生。要するに睡魔到来であります。試合が終わりかけた頃に出たレッドカードで、やっと目が覚めた感じでした。なので特に語れることはないのですが、両チームの足が止まる中でノーガードでの打ち合いっぽい展開だった模様です。しかし、開始60分で足を攣る選手が続出するとは、会場に問題があると言われても仕方がないような。。。

選手交替は、ユナイテッドが疲弊したルーニーに替えてナニ、チェルシーは運動量が求められる両サイドハーフを替えてカルーとアネルカを投入。最後に、PK戦に備えた交替を両チーム1名ずつ行いました。

PK戦については、運不運というかドラマというか。しかし、ベスト8の段階では優勝経験のないチームが5つもあったのに、ベスト4では1つに減り、そして結局チェルシーの初優勝はお預けとなりました。レバークーゼン、モナコ、アーセナル、そしてチェルシーと、1年おきに優勝経験のないチームが決勝に駒を進めていますが、結果はいずれも敗退。初優勝のためには相当な運というか勢いが必要なのだな、などと考えつつ。



・ポリバレント1

最後に選手について、少し気になった事を書いておきます。

最近は、複数のポジションをこなせるユーティリティな選手をポリバレントという表現で重宝する傾向があります。この2チームでも、本来は中盤の選手なのに場面に応じて右サイドバックに入るエッシェンやハーグリーブスはその典型でしょう。

とはいえ、ここで言いたいのは汎用性か専門性かという事ではなく。同じポジションでも場面やシステムに応じて複数の役割を求められる、という事を取り上げてみたいのであります。適当な用語を知らないので、狭い意味でのポリバレントという感じで捉えているのですが。「ポリバレント=ポジション移動」というシステム前提っぽい考え方へのアンチテーゼ、なんて大それた気持ちはないようなあるような。まぁ、結果が出てヒーローになれるのならばどちらでも良いのですけれど。


さて、キーパーのファン・デル・サールを見ていて、「やはり足元が上手いな」と思いました。現代サッカーではもはやキーパーといえどもゴールを防ぐだけで終わりではなく、リベロ的な動きを求められたり、或いは足元の技術を求められるわけで。特に、守備において相手選手に厳しい圧力を掛ける事が常態化している現状では、DFだけでなくキーパーが組み立てに参与できる事で得られるアドバンテージは大きいですね。

長い距離でも正確なパスを出したり、相手のFWがチェックに来る中でDF間でのボール回しに加わったり。この日のファン・デル・サールの足技は、書き留めておく価値のあるものでした。



・ポリバレント2

プチ・ポリバレントの2人目はルーニー。

実質1トップ状態のルーニーですが、そもそも1トップには求められる役割が多いわけで。楔のボールを受けたり、ボールをキープして味方の上がりを待ったり、時にはカウンターで得点を求められたり、スペースへの飛び出しを期待されたり。本当に挙げだせばキリがない状況で、これだけ巷で1トップ系のシステムが流行しているにも拘らず、それら全てを兼ね備えた選手は決して多くはありません。

しかし、ルーニーはそれらを高いレベルでこなせる上に、状況によってはサイドの守備に加勢したり、チャンスメイクまでやってのけるわけで。決して本格的なセンターフォワードとは言えない彼ですが(高いボールを競り合うのはやはり難しい)、その多くの事をこなせるセンスはやはり素晴らしいなと思ったのでした。



・勝手にMVP

120分では引き分けだったので、両チームから一人ずつ選ぶとして。

やはりそれは両チームのセンターバック、ヴィディッチとテリーを選びたいところです。テリーはPKを外したのは残念でしたが、そもそも彼がいなければ決められていた可能性が高い場面がいくつかあったわけで。それはヴィディッチも同じ事で、締まった試合の功労者として、勝手に表彰するものであります。



以上、長々と書いたので、今日はこれにて。
読んで頂いてありがとうございました。


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テーマ : 欧州サッカー全般 - ジャンル : スポーツ

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