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鹿男あをによし

今日は万城目学氏の「鹿男あをによし」(幻冬舎)について。


結論から言うと、評価としては5段階で☆2つぐらい。学生時代だったら文庫待ちで気が向けば買うかも、という程度で。ただ、個人的には色々と考えるきっかけにもなったし、決して嫌いではない作品です。でも、やっぱり、ぬるい。


1970年代後半の生まれで京都大学卒という森見登美彦氏と同じ様な経歴で、作品が京都や奈良を舞台にしている事。それに、何かの雑誌を立ち読みした時に、自分が読んで好印象だった作品と一緒に本書を推薦しておられる方がいた事。その他いくつかの要素があったので、書店で特に内容を確かめるでもなく一気に3冊購入。本書以外の「鴨川ホルモー」「ホルモー六景」については、また読んでから何か書くかもしれませんが。ちょっと早まったかな、とも思いつつ。


冒頭から大学内でのやり取り辺りでは、本書が実は青春ファンタジーだとは思わず。勝手に森見氏と比較しながら、体裁としてはこちらの方が一般受けしやすいのかも、などと思っていました(良くも悪くも、森見氏の方がオタク的ではあるので)。が、結局この辺りが作品で活かされる事はなく。逆に、肩入れをしたくない主人公、という印象を植え付けただけの様な。。。

主人公がダメ人間という設定はよく見掛けますが(昨日の舞姫も人間性としてはダメダメですし)、さすがに展開が都合良すぎる感じで。脇役の方がキャラが立つのも珍しくはないですが、もう少し主人公を何とかして欲しいとか。


ストーリー展開はほぼ予想通りでしたが、作者のロマンチストぶりが窺えるラスト・シーンも含め、嫌いではないです。ただ、それだったら巷に溢れているジュブナイル作品でも良いわけで。で、中学生向けのスニーカー文庫だとか、その辺りと比較して、ちょいと考えさせられました。

ジュブナイルを貶す意図は全くないのですが、やはり一般向けとなるとより一層の洗練を求めるわけです。ところが、作品の大枠はそれらとあまり変わらず。文体などについてもそこまで違いはなく。で、この作品では我が国の歴史やら言い伝えやらを設定として上手く取り込んでいるのですが、そうしたどちらかと言えば装飾的な部分が洗練されてもなぁ・・・なんて。

事前の期待が大きかっただけに評価が辛くなりがちですし、本書だけの問題ではないですが。作品の内容やら作品世界そのものではなく、より外面的な部分が重視されるのは、読者としてはちょっと残念です。しかも、それらの点でも本書が飛び抜けているわけではないのだし。。。


やはり、申し訳ないけれど、森見氏と比べると文章の上手さでもバックグラウンドの豊富さでも確実に劣ると言い切れてしまうのが哀しいところ。多分、実際にお会いすると普通にいい方なのでしょうし、だから余計に切ないのですが。


ともあれ、再三書いているように、決して嫌いではないです。それどころか、作者に共感を覚える部分すらあります。この作品の瑕疵について遠慮をするつもりは毛頭ないですが、今後この作者がどのように成長して行くのか、期待を込めて楽しみにしているという事で。


何だかまとまりませんが、今日はこんな感じで。
検索で辿り着かれた方には残念な感想でしょうが、読んで頂いてありがとうございました。


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テーマ : 読んだ本。 - ジャンル : 本・雑誌

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