トッテナム×チェルシー

いよいよ今夜はイングランド・プレミアリーグで4強が激突するわけですが、それに先駆けて木曜未明に行われたトッテナムとチェルシーの一戦を観たので、それについて。

とりあえず、結果を知らない状態で観て良かったというか、4-4という結果は予想外でありました。モウリーニョ時代が終わって、シティ戦での6-0とかダービー戦での6-1といった派手な試合が出来る様になった一方で、ホームで4-4だったヴィラ戦の様な緩い試合も増えているのは良いのか悪いのか?その辺りを少し考察してみましょう。



○采配について

まずはグラント監督の采配について、順を追って考えて行きます。


・71分、カルーに替えてアレックス投入(2-3と追い上げられた状態)

相手が最終ラインを3枚にして3トップにしたのを受けて、5バックに変更。ただ、前線からの守備の役割も担っていたカルーがいなくなった事で、素早いショート・カウンターに繋がる連動した守備が無くなった様な。。自陣に引き篭もった状態からロング・カウンターを狙おうにも、前線との距離が遠すぎてすぐにボールを奪われてしまう苦しい展開になりました。

ブログで指摘しておられる方が多かったのですが、単純に相手の長所(3トップ)に自分が合わせるのではなく、相手の短所(3バック)を攻める事で長所を無力化する様な采配がベターだった気がします。守備の強化を目的とした攻撃的な交替って、それほど奇手ではないどころかもはやポピュラーでさえあると思ってみたり。というか、システムを変更せずそのままの形を維持するだけで良かった様な。。。


・83分、ジョー・コールに替えてバラック投入(3-4と勝ち越した状態)

この日のチェルシーの選手の中では一番得点に繋がるプレイができるジョー・コールを下げる事で「逃げ切る」という目的をハッキリさせ、週末の試合に備えてバラックを調整させると共にジョー・コールを休ませる、という辺りがこの交替の狙いだったのでしょう。

この交替の問題点は、ピッチ上の変化を考慮していなかった事でしょうか。机上の空論ありきで現場を見ていなかったというか。やたら中央に人が集まる割に、守備が強化されたわけでもなく、攻撃の手段は完全に失われ、それはつまり相手にしてみればやりたい放題というわけで。ロビー・キーンのシュートは確かにお見事でしたが、ここまで相手に流れをプレゼントした以上は、彼を褒めて仕方が無いで済ませるのは難しい気もします。


・90分、パウロ・フェレイラに替えてシェフチェンコ投入(4-4と追い付かれた状態)

時間稼ぎにショーン・ライト・フィリップスを投入予定が、同点に追いつかれたので慌ててシェフチェンコを投入。

正直に言って、点を取れる予感が全く感じられない交替でした。泥縄なのは勿論ですが、それまでの二人の交替が足枷になっていて、一手で局面を打開しにくい展開だった事が問題かと。改めて采配の難しさを考えさせられた瞬間でありました。


采配が難しいのは、当たり前ですが結果が出る事を期待しての決断である以上、その瞬間にはその人なりの意図なり理由なりがきちんと存在しているわけで。それに加えて、唯一の正解というものが存在せず、妥当な筈の答えが最悪の結果を招いたり、逆に突拍子も無い采配が結果を出したりと、いわゆる「これがサッカーだ」という言葉で表される不確定性が決断にも影響を及ぼすわけで。故に勘という要素もなかなか馬鹿には出来ず、それが更に決断を難しいものにしているのかもしれませんね。

我々は結果を知った状態で采配を振り返るわけですが、仮にリアルタイムで試合を観ていて「嫌な予感」を感じたとしても、それがどの程度の頻度で正鵠を射ているかは完全に主観に基づいているわけです。また、当事者たる監督よりも有利な点として、少なくとも現場の人間よりは普通の精神状態で試合の状況を判断できる、という事が挙げられます。采配を検討する際には、そうした現場に立っているが故の辛さを念頭に置いた上で行いたいものです。


また、更に難しい事として、ある一試合の評価をどこまで敷衍できるのか?という難題があります。一度の失敗で無能の烙印を押しても良いのか?という問題は、しかしながら、大一番では結果を出さなければならないという厳しい現実が一方にあるだけに余計に難しくなるわけですが、話が広がりすぎるのでこの辺りで。



○アシスタント・コーチと監督

監督の評価が二転三転するのは仕方のない事なのかもしれませんが、ほんの一月ほど前には「モウリーニョの遺産を上手く利用して優勝争いに踏み止まりつつ攻撃的な試合を志向していて、案外いい監督なのでは?」なんて声も出ていたのに、注目が集まる試合での失策には大きな代償を覚悟しなければならないという事なのでしょう。

そのグラント再評価の頃に指摘されていたのが、アシスタント・コーチであるテン・カテの存在でした。彼は2006年のリーガ・CL優勝を最後にバルセロナのアシスタント・コーチを退任したのですが、以後のバルセロナが戦術的な失敗を繰り返したが為に更に名声が高まるという(彼にとっては)幸運もあって、モウリーニョが去った後のチェルシーに引き抜かれて今に至ります。

で、上記グラント監督の評価のうち「モウリーニョの遺産を上手く利用」辺りはテン・カテのお陰で、彼に仕事を丸投げして余計な口出しをしない点がグラントの長所だ、なんて話がありましたが、そんな戦術家が付いていながら何故・・・?ってな事をふと思ったり。


この辺りは、結局は最終責任者たる監督の個性によって、採る戦術に違いが出てくる、という事なのでしょうね。相性という事もあるでしょうし、その意味でもやはり監督がチームの成績に与える影響は小さくないと思うのでありますが、特に外部から見るぶんには、良かれ悪しかれ結果が出た時に、その原因を監督自身に求めるのか、それともスタッフ、或いは選手に求めるのか、は難しいところですね。

何が言いたいかというと、調子が上向きの時はアシスタント・コーチの手柄にされ、調子が悪くなると何もかもを自分のせいにされてしまうグラント監督は、少し可哀想な気もするな、という感じで。これまた話が広がりすぎるので概論だけで止めますが、最高責任者に無限の責任を負わせる事には常々疑問を抱いていたもので。特に最近の我が国では全ての部下の責任を積分してトップに負わせる傾向がありますが、これは部下の責任を曖昧にする点でも、トップが無難な行動しかできなくなるという点でも、困った事だなと。そんな事を考えてみたり。



○CLについて

話のついでにCLについて。組み合わせの結果に関して、チェルシーとバルセロナは籤運に恵まれているという話が出ていますが、これは善し悪しでしょうね。例えばアーセナルが準々決勝で籤運に恵まれたら優勝の目もあるかと思っていましたが、この2クラブのように1/16に続いて1/8でもビッグクラブとの対戦がないとなると、勢いをつけるという意味でマイナスに働く気がします。次に勝ち残る可能性が少々高まったとしても、優勝の可能性は少なくなりそう、ってな感じで。

また、特にチェルシーについては、対戦相手こそ籤運に恵まれたと言うべきかもしれません。このトッテナム戦を観て更にその思いを強くしたのですが、セビリアを破って自信をつけたフェネルバフチェにとって、純粋に戦う相手という点でも、それから勝ち上がった時に得られる自信という点でも、適当な相手ではないかと思います。もちろんトルコで結果を出す事が大前提ですが、フェネルバフチェ勝ち抜けの可能性は五分に近いと思っています。チェルシーは、この試合がたまたま酷かっただけかもしれませんが、采配だけでなく選手の気の緩みという点でも物足りないので、すっきり負けて一度解体した方が良い様な気さえしています。

んで、準決勝はアーセナルとフェネルバフチェになって欲しいのですが、リバプールは怖いなぁ。。。あまり他人様の不幸を願いたくはないですが、リーグで優勝争いに絡まずCLだけ結果を出すクラブにはそろそろ痛い目に遭って頂きたい気がするので、何とかアーセナルに勝ち抜いて欲しいですね。プレミアでは4位以内を確保できそうな状況になって来ましたが、エバートンの頑張りに期待しております。ちなみに、同様の理由でフィオレンティーナにも期待しております。

トーナメントの向こう側については、ユナイテッド対バルセロナを観たいものの、もう少しバルセロナが調子を上げてくれないと辛い気もします。というか、ローマを返り討ちに出来れば優勝はユナイテッドじゃないかと思っているのですが。優勝経験のないクラブが5チーム残っていますが、やはり初優勝という産みの苦しみは尋常ではないと思うので。初優勝ならフェネルバフチェかアーセナル、優勝経験のあるクラブならユナイテッドにビッグイヤーを掲げて欲しいものです。まさかのスクデット+CL制覇でトッティがバロンドールってな展開も楽しそうですが、インテルはCL敗退のショックをいつになったら払拭できるのでしょうね。ファンの方には申し訳ないですが、野次馬的に楽しんでおります。



最後の方は完全に雑談になってしまいましたが、今日はこんな感じで。
読んで頂いてありがとうございました。



p.s.ペットのひみつ日記

おぼえたい2008.03.20
さいきんおぼえた
東西、ネタ、本末転倒

どうせなら東南西北白発中とか覚えて欲しいものです。国士無双、四暗刻、大三元、字一色、清老頭、四喜和、四槓子、九蓮宝燈、緑一色、大車輪・・・さて、何を最初に覚えるかな?(笑)


かんそう2008.03.21
赤丸急上昇を読んだ
削除するのかー

いやホント、記事は半永久的にネット上に保存しておいて貰えると助かるのですが・・・。


かんそう2008.03.21
赤丸急上昇を読んだ
期待するんだよ

機体から気体が漏れて、奇態を晒す乗客には期待できないので、希代の事故になりやしないかと鬼胎を抱きつつ、危殆に瀕してはまず救命着を着たいと思っております。だから?と言われると困りますが。


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