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ローマ五賢帝

続いて、南川高志「ローマ五賢帝―「輝ける世紀」の虚像と実像」(講談社現代新書)。これも歴史関連の新書。

何だか最近、真面目な本の比率が高くて、何だか説教臭い事を書いてしまいそうなのが嫌でブログを休止していたのですが、ってのは単なる言い訳かな?サボる為の(笑)。でも、硬い文章しか書けなさそう、と思っていたのは確かです。それはともかく、本書について。


同時代からも、そして後世今に至るまでも、「人類史上最も幸福な時代」として讃えられている古代ローマの五賢帝時代。

しかしながら、世界史で学ぶ様に「有能な皇帝が、有能な者を養子にして皇位を継承させた」事が、皇帝の希望に沿ったものであり繁栄の秘訣であるとは必ずしも言えない事、口で言うほど皇位がスムーズに継承されていたわけではなかった事、などを、本書は主にハドリアヌスを中心に丁寧に考証していきます。


当たり前の事ですが、確かに専門家が書いただけあって、その考察と論理の展開はとても安心できるものでした。根拠についても、難しくならないように配慮しながらきちんと述べられていて好感が持てます。


その一方で、文章の構成については多少の不満を覚えます。それは、読み手への配慮は伝わるものの、どうしても歴史的な正確性を追求してしまうが故の瑕疵なのでしょう。

つまり、専門の人ではなく一般をターゲットにしている以上は、その辺りの正確性を多少ぼかして済ませても良かったのではないか?と思う部分があったのでした。


とはいえ、それは本書の魅力を妨げるものでは勿論無く、この時代に興味を持つ方には自信を持ってお勧めできると思います。最近は評価が辛めですが、それでも10点満点で7点と、「良」の評価を進呈できます。

後継者を一人に絞る事の難しさと、先帝に選ばれたとしても安定した権力基盤を築く事の難しさと、それらはこの「幸福な時代」においても困難だった事。そして、彼ら「賢帝」は、それを治世の間を通して実現させたが故にその名に相応しいのだという事を、この本を通じて多くの方に知って欲しいですね。


以上、今回はこれにて。
読んで頂いて、ありがとうございました。


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テーマ : 読んだ本。 - ジャンル : 本・雑誌

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