都知事選と参院選。

今月は都知事選と参院選がありましたが、年々書く気がなくなって行く悪い流れが何とかならないかと思いつつ、今後は更に酷くなりそうで困ったものです。政界だけでなく、色んな分野で人材不足&それにもかかわらず求められる能力は上がり続け見返りは少なくなり続けるという、当分続きそうな傾向が早く終わって欲しいものですね。。という事で、以下雑感。


■都知事選

勝負に出た小池さんが見事な勝利を得たと言うべきなのか、対抗馬となるはずだった有力候補二人がどんどん自滅して行ったというべきか、難しいところですね。とりあえず対外的には、初の女性都知事でカイロ大学卒という経歴やアラビア語にも堪能という個人の資質は受けそうですが。国内的には「女性のくせに俺より優秀なんて認めん」的な女性蔑視の発想から来る感情的な反発に苦労しそうです。

増田さんは自民・公明から公認を得たのに身内からの支持が広がらず、岩手県知事時代の手腕が問題になっても日本創成会議での提言内容に疑問の声が上がっても納得のいく反論がなく、個人的にも中公新書の「地方消滅」は問題提起の部分はそれなりでしたが対策の話になるとイマイチという印象でしたので、色々と足りない部分があったという結論になりそうです。尤も、個人で劣っても組織で巻き返す可能性はあったはずですが、自民党支持層ですら小池さんに投票した人の方が多かったという現実がなかなか切ないですね。

鳥越さんは野党統一候補という時点で個人的には意味不明でしたが、直前の参院選で与党が信任を得た状況でなお国会の与野党対立の構図を都に持ち込む意図といい、東京都よりも国の管轄であるはずの憲法などの話を持ち出す事といい、関係者全員が冷戦終結前の世界に生き続けているような印象でした。選挙期間中に女性問題の報道が出たのはお気の毒でしたが、それへの対処は率直に言って酷いもので、他人に厳しく自分に甘くという見苦しい姿に終始していたのが残念でした。この世代の女性観って悪い意味で本当に変わらないですね。


結局の所、色々と問題はあっても舛添さんが続けていた方が、総合的には良い事の方が多かったのではないかと思える辺りが哀しいですね。舛添さんが人格的に問題を抱えていたのは都知事選に出馬した時点で多くの人が知っていた事で、だから自民党も公認に躊躇したわけですが、多くの瑕疵があっても有能な人材を使い捨てる結果になったのは残念でした。

舛添さんで印象に残っているのは厚生労働大臣の頃ですが、その辺りが彼の器の限界だったのかもしれません。それよりも権限の強い大臣に任じてしまうと都知事時代と同様の暴走(スタンドプレイ)をしただろうと思いますし、かといって彼の能力を遊ばせておけるほど政界に人材が溢れているかというと全くそんな事は無いわけで。本当に、人の使い方というのは難しいものです。


遡って言えば、猪瀬さんが続けていれば何の問題も無かったようにも思います。しかし政治の世界に不慣れという経験不足や打たれ弱さ、そして有能ではあっても人望を得られるタイプでは無いという個人の資質を考えると、やはり長期政権は無理だったように思えて来ます。能力と言っても色んな要素を含みますが、仕事ができても一緒に仕事をしたいと思えないタイプと言われてしまう辺り、特定の能力(この場合は人望)を大きく欠くと他の能力をどれほど磨いても挽回が難しいという現実には考えさせられるものがありますね。



■参院選

こちらも、与党にも色々と問題があるのに野党がそれ以上に酷いからどうにもならないという哀しい結果になりました。

野党が出す経済政策がお粗末なのは相変わらずですが、憲法などの問題をテーマにするにしても他にやりようが無かったのかと思います。例えば、控えめに言ってもかなり酷い出来映えの自民党の憲法改正案の中からとりわけ酷い箇所を抜き出して、それらを具体的なテーマとして取り上げて議論してくれたら応援する気になったかもしれませんが、極論を出して改正反対を唱えるだけでは広い支持を得る事は難しいと思います。

しかしそれ以上に、分配中心の経済政策で財源の根拠もなく理論的な背景もなく、更に民進党に限って言えば仮に与党になってもその時点で前言を翻して金を出し惜しみする展開になるおそれが非常に高く、政権交代から四年が過ぎても何の反省もなければ何も成長していない状態なのが辛いですね。それでも自民一強への対抗という期待だけでも一定票を得られるのだから、偉そうな物言いになりますがもう少し見聞を広げて欲しいものです。上にも書いたように、本当に左派の方々って80年代から変わっていないのが哀しいですね。


アベノミクスについては毀誉褒貶が極端ですが、極論を除いて一応の共通認識をまとめるならこんな感じでしょうか。

・消費増税は失敗。
・成長戦略(構造改革、規制緩和)は目立った成果を出せていない。
・財政は効果はあっても限定的(だから無駄なのか、だから額を増やすべきなのかは意見が分かれる)。
・金融は一定の結果を出している(だから更に金融緩和を進めるべきか、だけど銀行貸し出しに繋がらず問題点も多々あるから縮小すべきかは意見が分かれる。インチキ云々の反論は論外)。

個人的には、海外の経済政策を評価する時と同様に失業率の数字を重視するなら、概ね評価されるべきではないかなと思います。そして年配の方々が何を言おうとも、新卒一括雇用の慣習が根強い我が国では失業率が悪化した時期に卒業を迎えるか改善した時期に卒業できるかでその後の人生が大きく変わる可能性が非常に高く、故に失業率を低下させたという一点だけでも現政権の経済政策はプラスの評価にして良いように思います。安倍政権の経済政策の全てを肯定するという意味ではなく、総合的に見ると(実質的には金融政策のお陰で)良い結果の方が上回っているのではないかと。


昨今は報道姿勢の偏りが更に顕著になったり報道内容が浅いものが更に増えている印象で何だか哀しいですが、究極的には誰がどの政党が勝利を収めようとも社会全体として良い方向に向かってくれる事を願いたいものです。例えば株価が暴落したとか年金運用がマイナスになったと言って嬉々として与党を責めるような記事ではなく、国民としてその損害を被る関係者の一員として、それをどう受け止めたら良いのかという論説を私は読みたいと思いますし、そうした視点を持つ方々が増えて欲しいものだなと思います。


最後は少し偉そうな事を書きましたが、世の中が少しでも良い方向に向かってくれるように、政治家の方々を始め一般庶民の我々も含めて、各々ができる事をできる範囲で実行したいものですね。


以上、今日はこれにて。

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