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レアル・マドリード対バルセロナ

特にどちらかを贔屓にしているわけでもなく、自滅による一方的な展開も好きではないので感想を書く気が起きなかったのですが、試合を見直す機会があったので簡単に書き残しておきます。


■スタメン

敵地に乗り込んだバルセロナは4-3-3。キーパーがブラボ。ディフェンスは右からアウベス、ピケ、マスチェラーノ、アルバ。中盤は底にブスケツ、右ラキティッチ、左イニエスタ。前線は右にセルジ・ロベルト、左ネイマール、中央にスアレスという布陣でした。怪我明けのメッシはベンチから。

本拠地で迎え討つレアル・マドリードは4-2-3-1。キーパーがナバス。ディフェンスは右からダニーロ、ヴァラン、ラモス、マルセロ。中盤は右にモドリッチと左にクロースが並んで、その前に右からハメス、ベイル、ロナウド。1トップにベンゼマでした。


■マドリーの守備組織

一応は4-2-3-1と書いたものの、守備の局面において前線の4人はあまり戻って来ず、極端に言えば4-2-4のような形になっていました。4人の中ではまだハメスが守備に戻って来ていた方ですが、それでも移籍初年度のベイルがクラシコで守備に奔走していた姿と比較すると雲泥の差で、強豪相手ですら守備を選手に徹底できていない監督の手腕が問われる展開だったと思います。

また、攻守分断であっても前線の選手達が連動して守備に動くと相手にとっては嫌なものですが、この日のマドリーの選手達は個々人が勝手に動いているだけで、バルセロナの守備陣に簡単にボールを運ばれていました。ベニテス監督はリバプール時代、前線からのプレスを武器に粘り強く戦って、バルサとレアルを相手に敵地のCLで勝利した過去があります。しかし、それが完全に過去の栄光であると思わせるほどチームとして形になっていない姿がそこにはありました。


■バルセロナ対策の変遷

2008年にペップが監督に就任して以降のバルセロナに対し、各チームは色々と対策を考えて来ました。それに対し、バルセロナも更なる対策を立てるという繰り返しで、そうした戦術的な応酬は、ここ数年のサッカー観戦を盛り上げる一つの重要な要素となっていたように思います。

右サイドでメッシを孤立させる策に対し、敢えて攻撃時に右サイドを空にしてメッシを中央でプレイさせる0トップ(偽9番)。それに対しゴール前にセンターバックを4人並べて実質6-4-0で防いだチェルシーや、4-5-1で中盤を厚くした上に1トップもブスケツに張り付かせてバルサの中盤を妨害したモウリーニョ他のライバル達。更には中盤にバルサのプレスに負けない巧さを備えた選手を配した上で、サイドを捨てる中央圧縮の4-4-1-1でバルサ対策の雛形を示したペジェグリーニのマラガ。この形ではセカンドトップがブスケツ番になりますが、守備組織を整えて相手を追い込んだ上でメッシかブスケツからボールを奪うという方針が、バルサ対策の基本となりました。これは勿論、彼ら二人の存在感の大きさの証明でもあります。

戦術として確立したバルサ対策に対し、セスクに中盤と偽9番とメッシのフォローというワーカホリックな役割を与える3-4-3や、両ウイングをサイドに張らせる4-3-3などで戦術の幅を広げようとするバルセロナでしたが、それは彼らの戦術の基本である4-1-2-3にメッシの0トップと前線からのプレスを組み合わせた布陣の完成度を落とす事になりました。その結果、チームはメッシの得点力に深く依存するようになり、メッシもまた走らない等と批判を浴びる事になります。

そうした悪い流れの中で、バルセロナは昨シーズンが始まる前にスアレスの獲得に踏み切りました。移籍金の高さや彼の問題行動、更に前線三人の連携など不安な意見は多々ありましたが、バルサの選手達はそうした声を結果でねじ伏せました。相手チームの多くは、彼ら三人を相手にするよりも彼らにボールが届かないようにする戦術で試合に臨みました。実際、昨年のクラシコでも、中盤の選手の顔ぶれではバルサよりもレアルの方が上回っていた印象があります。しかし、ロングボールを厭わず、カウンターも備え、リードした展開では無難に後方でボールを回す事も忌避せず、そしてボール繋ぎと前線からのプレスも徐々に往年の水準を取り戻していったバルセロナの前に、ライバル達は敗北を重ねました。

今シーズン、どのクラブがバルサを止めるのか?に加えて、どのように止めるのか?という観点で盛り上がっているサッカーファンは少なくないと思います。そして、相手の戦術を受けて対策を立てるという点で、ベニテス監督は期待されていたように思います。が、残念ながらこの試合では、そうした楽しみを体験するどころか、可能性すら感じられなかったように思います。


■今後の期待

今回の敗戦で、どれだけ自軍の攻撃陣が優秀でも、無秩序にバルセロナに挑むだけでは勝つ見込みが少ないという事実が明らかになりました。監督がこの結果を上手く利用してチームを立て直せるのであれば、モウリーニョ初年度の敵地クラシコ5-0や、スコラーリのユーロ2004初戦ポルトガル対ギリシャ1-2などと同じように、この試合にも意味があった事になります。

残念ながら我が国では、サッカー解説において戦術が脚光を浴びる事は今なお少ないように思います。戦術よりも選手の局所的な動きなどが過大に評価される傾向があるように感じます。サッカー中継を見ていて、「勝利の秘訣は選手個々の人間力」(Jリーグ、チャンピオンシップ)とか、「MSN(メッシ、スアレス、ネイマール)やバルサ相手に戦術とか対策とか無意味」(CLバルセロナ対ローマ)などと言われると、何だか哀しくなって来ます。

選手個々の動きやスキルが重要な事に異論はありませんが、一方でチームとしての戦術もまた重要な要素であり、それが結果に与える影響を目の当たりにできる試合を観戦した時などは、その楽しさは他に比較できないものがあります。安易な批判をしたいわけではなく、できれば解説の方々にはそうした楽しみを視聴者に紹介して欲しいという事と、そして試合に望む選手や監督以下チームスタッフの方々には、そうした楽しさを体験できる試合運びを見せて欲しいものだと思うのです。

今シーズン、バルセロナを試合内容で上回るのがどのクラブになるのか分かりませんが、やはりレアル・マドリードにはその役割を期待したいというのが正直なところです。次の対戦までにチームを建て直して、実力伯仲の勝負を見せて欲しいものだと希望を述べて、今日の所はこの辺で。


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テーマ : 欧州サッカー全般 - ジャンル : スポーツ

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