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今大会の日本代表について。

残念ながらサッカー日本代表はグループリーグで敗退してしまいましたが、今回の戦いぶりについて素人目線から簡単に書き残しておきます。


■監督、選手、協会、そしてマスコミの責任について。

コートジボワール戦が始まる前にコロンビアがギリシャを3点差で破った事で、事実上の二位決定戦になると思われた第一戦。そこで敗れた事で全てが難しくなったのは確かですが、その後の報道には違和感を覚えるものが多かったので、まずはその話から。

端的に言うと、現場の問題点を指摘せず精神論を原因とするお馴染みの記事が多く、監督への掌返しが露骨な割に選手への批判は少なめ協会に対してはほぼ皆無というバランスの悪さが目立ち、有益な対案を出す事もなく「とにかく応援しましょう」的な思考停止の結論で終わるものが多数あったのが残念でした。
スポーツ報道が完全にテンプレ化している傾向はサッカーに限らない問題だと思うのですが、開幕前にマスコミが喧伝していた「ベスト8以上」という結果を求めるのであれば、報道にもそれ相応の内容が無いと無理ではないかなと思います。

次に協会についてですが、例えばキャンプ地と試合会場の距離や温帯から亜熱帯への移動といった問題点は開幕前から指摘されていた事で、それが代表選手達のコンディションにどこまで影響したのか、しっかり分析して欲しいところです。
更に第二戦後の「パワープレイ禁止を指示」といった報道が正しいのであれば、普通に考えると監督への口出しが過ぎると思いますし、仮に監督権限の一部を協会側が保持する契約だったとしても、その場合は今回の結果から監督が引き受けるべき責任の一端を協会が担うべきと考えられるので、きちんと総括して欲しいなと思います。


そして選手についてですが、大きな問題点として二点を挙げたいと思います。

一点目は、個人ではなく集団による連携で攻めるのが我が国の代表らしいプレイだと思うのですが、それが本番でなお不十分だった事。具体的には、ゴール前のスペースを大久保と大迫、本田と香川などが同時に使おうとしてかち合う場面だったり。ゴール前でニアとファーに別れるべきが、大迫と岡崎が同じサイドに飛び込んでいたり。香川にしろ大久保にしろサイドハーフが相手守備陣前の中央に入って来がちで、攻撃が手詰まりになった時に逆サイドの高い位置に選手が居ない為にサイドチェンジができず、結果として安易なパスを奪われカウンターを喰らう羽目になったり。ついでに守備の時にも、ゾーンから一人が釣り出された時のカバーが時々あやふやだったり。とにかく個々の選手が勝手な判断で動いているように見える事が多く、チームとしてのまとまりに欠けた印象だったのが残念でした。

二点目は、個人のプレイにおいて酷いミスが直らなかった事。一点目で少し触れた安易なパスを奪われる事もそれに含めて良いと思いますが、たとえ相手を押し込んでいても味方が前掛かりになった状況では、つまりボールを奪われる事をあまり想定していない状況で奪われてしまう事は、失点の大きなリスクになります。ましてや自陣での無理なプレイや相手へのプレゼント・パスなどは致命的で、確かにコロンビア戦は4失点の大敗でしたが、もっと点を奪われていても不思議ではなかったのが辛いところです。これらの悪癖がイタリア人監督の下でも改善できなかったのが残念でした。


最後に監督について。監督の仕事の範囲をきちんと認識した上で批評すべきと思うのですが、例えば今触れた「選手個々の守備の悪癖の改善」は代表監督の仕事と言えるのか?そもそも育成の責任ではないのか、と考える方が個人的にはしっくり来るので、これについては選手の責任と考えた方が良いと思っています。では、監督の責任とは?

ザック監督就任の時点で、彼の選手に妥協しやすい傾向は欧州サッカーに詳しい人たちの間では危惧する声がちらほらありました。選手の意見を取り入れた上で監督の色を出しチームとして仕上げてくれれば理想なのですが、現実には選手が強くなりすぎて把握しきれなくなる危険性も多々あり、残念ながら今回もそうなってしまったかなと思います。

協会について書いている時にパワープレイの話を出しましたが、巷では「それをするなら豊田やハーフナーを選べよ」と監督を非難する声がありました。しかし、過去の日本代表の親善試合を見ていた人なら同意して頂けると思うのですが、ハーフナーを投入しても彼にハイボールを蹴り込む事なく、彼を無視してパスで相手を崩す事に専念する代表の姿しか記憶に残っていません。ここで問題なのは、監督がパワープレイ向きの選手交代をして選手があからさまに無視した場合、その責を負うべきは監督か、それとも選手なのか?

ザック監督の責任を一点に凝縮するなら、まさにこの問題を明確にしなかった点にあるように思えます。つまり、それを自身の責任として引き受け選手に方針を徹底させるか、あるいは選手が求めるなら選手の責任、協会が求めるなら協会の責任だと彼らを尊重し明言した上で、自身の責任の範囲にある仕事に専念していれば、たとえ結果は変わらなかったとしても、チームとしての印象は違っていたのではないかなと思うのでした。


■試合における戦術の話

長くなったので具体的な采配については省略します。その上で一つだけ指摘しておきたいのは、結局最後まで、戦術的な幅が足りなかった事です。

開幕前に不安だったのは、攻撃的なチームを目指すという方針だけが金科玉条となって、リードを奪った状態で残り数分というケースで試合を終わらせる術に乏しいのではないか?という疑問でした。例えば細貝を入れて4-1-4で守る形などが考えられるわけですが、選手選考の時点でそれを自ら放棄して背水の陣を布いたように思えたのでした。

結果的には三試合とも残り数分の時点で、我らが代表は点を取らねばならない事態に追い込まれていました。そして攻撃を重視したはずのチームは、三試合で二点しか取れませんでした。

点を取る為の戦術は、大きく二つに分けられます。つまり自らボールを保持して主導権を握った上で相手の守備を崩す形と、相手のボールを奪ってカウンターで仕留める形です。今大会の日本代表は、前者を試み成功しませんでした。そして後者は、残念ながら試される事すらありませんでした。

最近の欧州クラブのサッカーを見ていると、これら多くの事を一定レベルで実行できないクラブは苦しいシーズンを送る事になります。最低限のポゼッションができる事、自陣で強固な守備網を構築できる事、時には前線から激しくプレスを掛けて相手を混乱させられるだけの連動性と運動量を備えている事、そして相手陣内からのショート・カウンターと自陣からのロング・カウンターをこなせる選手が居る事。

ワールドカップは既に試合の内容という点では、トップクラブ同士の試合より劣っています。しかしヨーロッパにおける最新の戦術的傾向などには敏感で、ほぼ連動していると考えて良いと思います。今回は堅守速攻型のチームが活きる展開になっていますが、先に挙げた複数の事ができないチームは、今後は厳しい事態に追い込まれると考えられます。日本代表の次の監督が誰になるのかは判りませんが、そうした流れをしっかりチームに反映してくれる監督にお願いしたいですね。


■そして精神論へ

精神論が個人的に好きでないのは、改善すべき点をすっ飛ばして精神論で話をまとめようとするからで、問題点を明らかにした上で最終的に精神論に至るのであれば異論はありません。

8年前のドイツの時にも思った事ですが、かつての日本代表の選手達、特にJリーグが始まって数年までの選手達は、自身の実力の至らなさを誰よりもまず自分自身が知っていました。おそらくそれ故に、彼らはワールドカップ初出場という夢を実現する為に、自分のできる事をやった上で足りない部分を頑張りで補おうと試みました。その姿勢が見ている人の心を打ち、サッカーを習慣的に見る事が少なかった層にも強い印象を与えたのではないかと思います。

一方で現在の代表は(8年前の代表も)、自身の能力を把握し切れていないように思えます。それが優勝といった過大な目標を掲げる事に繋がり、実際に優勝を狙える国との彼我の差を正確に認識する事を妨げ、そして第一戦で負けた後でさえ「突破の可能性がある限り前を向いて」云々と自己暗示のような事を言い続ける羽目になったのではないかと思ってしまうのです。

足りない部分を補う為に精神論で頑張るか、精神論が過分な目標に繋がって自分たちの実力との差を自ら広げてしまい墓穴を掘るか。精神の持ちよう如何で同じ実力でも結果が違ってくるわけですが、そして自分自身も後者のような事をしでかしがちなので偉そうな事は全く言えないのですが、願わくば前者のように地に足の着いた姿勢で大会に挑む代表の姿を見たいものですね。


■おしまい

という事で、今日はこれにて。

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テーマ : FIFAワールドカップ - ジャンル : スポーツ

コートジボワール戦について。

負けた試合を振り返るのは嫌なものですが、四年に一度しか観戦できないお祭りを楽しむ為にも、次の試合に向けて注目すべき点を幾つか簡単に書き残しておきます。


■一番の問題点

攻撃的なサッカーという目標を掲げて臨んだ本番で、攻撃が機能しなかった事。それによって目を瞑り続けていた守備の問題をカバーし切れず、逆転負けに繋がった事でしょうか。


■攻撃について

内田は良い内容で長友も決して悪くはなかった一方で、特に逆転された後に本田・香川・遠藤で攻撃を組み立てられなかったのが辛かったと思いました。

厳しい事を言うと、本田と香川はパスのセンスが秀でているわけではなく、それぞれフィジカルを活かしたボールキープから味方をシンプルに使う形、スペースをいち早く見付けてそこにタイミングよく走り込む形が第一の長所だと思うのですが、両者とも妙にリスクの高い行動に出て失敗する形が多かったのが残念でした。

また、先制点が早すぎて前のめりになってしまった結果とはいえ、後半の勝負所でボールの持ち手も受け手も足が止まっていたのを見るのは、つまり組織ではなく個人で攻撃する形に陥ってしまった代表選手たちを見るのは辛い事でした。

遠藤についてはベテラン故に、周囲の動きが変わればプレイも改善されると期待できますが、本田と香川は難しい事に挑むのではなく、各々の長所を活かした攻撃の形を組み立てて欲しいなと思います。そして現代表で飛び抜けて得点力が高く、クラブでも最高の結果を残した岡崎に点を取らせる形を第一に優先して欲しいなと。


■守備について

攻撃と違って守備は方法論が確立していて短期間での改善も可能なので、次の試合ではまず守備の安定を見せて欲しいと思います。大きな課題は二つで、サイドの守備の問題と、セカンドボールへの対応です。

まず、左サイドの守備が試合を通して崩壊していたのを何とかしない事には始まりません。この試合の中で試した本田トップで香川トップ下が機能しなかった以上、4-4で堅固な守備を構築するには、香川に守備でも走り回ってもらうか、大久保を先発で起用して香川をスーパーサブとして使う手が考えられます。本田を外す手も無くはないですが、セットプレイを考えると遠藤と本田の両者を外す選択は難しく、遠藤が先発ではやはり守備の強度が落ちるだけに難しいかなと。長友を一列上げて酒井を使う手も方法論としては魅力的ですが、実際に機能するかは未知数なのが辛いところ。

また、この試合ではセカンドボールを相手に拾われる率が高く、それが体力の消耗に繋がったと思います。これへの対策は言うは易くなので現実にどれだけできるか分かりませんが、とにかく負けても良いからボールを競りに行く事と、ボールのこぼれる先を予測して走る事でしょうね。

これを一言でまとめると、オシム元監督の口癖であった「考えて走れ!」になるわけですが、サイドの守備でもシステムに人を当て嵌めてそれを単純に入れ替えるだけでは機能しないわけで。選手を配して守備の形を整えて、そして彼らが相手にフリーでボールを上げさせないよう動いて初めて守備の構築が完成するという当たり前の事を、選手たちには行動で示して欲しいと思います。


■まとめ

グループリーグ突破の可能性は、無くはないものの極めて低いのが現実です。少なくとも次のギリシア戦では勝たなくてはなりません。そして勝つためには点を取らなければなりません。しかし。

サッカーにおいて攻守はかなり流動的なもので、一方のみに偏重しても必ず破綻します。人数をかけて引き蘢る戦術を選択するならば、同時にカウンターの牙を磨く事を忘れてはならず。ボールを保持して攻撃の主導権を握る戦術であれば、同時に相手のカウンターの芽をいかにして摘むかを考えておかなければなりません。

今回の大会は逆転負けの展開がとても多く、点を取るだけでは勝ち切れない現実が如実に示されています。同時に、ボールを保持して試合の主導権を握る、いわゆるバルセロナ式のサッカーがクラブレベルで既に研究し尽くされていて、この大会でもボールを相手に持たせる方が有利になりやすい傾向が見て取れます。しかし。

我らが代表が堅守速攻ではなくボールを保持して試合の主導権を握る方針を表明してそれに沿った選手選考をした以上は、攻撃的なサッカーを最後まで追求して欲しいと思います。ただしそれは守備の努力を放棄する事とは同義ではなく、守備面においての対策を整えた上で、満を持して攻勢に出る選手たちの姿を見せて欲しいなと思うのでした。


以上、今日はこれにて。
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