国盗り物語

先週は、司馬遼太郎の「国盗り物語1~4」(新潮文庫)を読みました。

無理をせず、一日一冊ずつ読んだのですが、10代の頃とは少し違うなという印象。面白いのは確かですが、その辺りについて、後でごちゃごちゃと付け加えたいと思います。


とりあえず、実験的にこれだけ書いた時点でアップしてみます。


以上、読んで頂いてありがとうございました。
今回はこれにて。


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雑記のはずが・・・固くなる、やはり。

とあるブログを読んでいて、思うところがあったのでコメントしてみたのですが。


>学校や親を好きなやつがSoccerを観て喜ぶって幸せな時代なのかな。

映画の感想に絡んだこの一文に特に惹かれて、以下コメント。


***

この一文、Soccerの代わりに音楽でも映画でも小説でも通用すると思うのですが、自分が最近感じていた事そのままだったので反応してみました。

ロックとかアナーキーとかって、外側のフォーマットの事じゃないはずだけど。内側で現状維持で満足しているのは、その人の選択だから文句を言う気は無いけど。勿体ないな、なんて偉そうな事をたまに思います。


Soccerについては、やっぱりスーパーなところを見せて欲しい。スーパーな何に惹かれるかは個人差があると思うし、自分の場合は、さすがはプロという姿を見せてくれるか否か?という点に採点が偏り過ぎているわけですが。

それでも、学校の部活や会社と同じ視点で、細々と減点しながら採点する風潮が主流なのは哀しいし、プロの選手に失礼って気もします。

昔の、フランスW杯辺りまでの選手は、自分たちでJリーグを盛り上げるんだ、とか、自分たちがW杯に行くんだ、とか。目の前の試合以外のところでも勝負している感じがあったけど。今の選手たちはそれを外に出さないだけなのかな、とか考えたり。


軽く書くつもりが、長々と自分語りで失礼しました。これからも楽しみにしています。
と、最後だけフォーマットを整えたコメントでした(苦笑)。

***


と、ここまでが書き込んだコメントで、我ながらネット社会での間合いの取り方に苦慮している様子が窺えて面白いのですが(笑)。

この記事についても、トラックバックとかした方がいいかな?って気にしつつも。未だにやり方が分からないので、結局は無断で引用してこっそり書いているわけで。この場を借りて失礼を詫びてもいいけど、まぁいいや。話を続けます。


で、あんまり長いと失礼なので書かなかったけど、教育に絡めた文にも惹かれるものがあって。


>先生や上司の話を聞いてたら今日も上手くいったしこれからも安泰ですねなんて話には興味がない。

教育、という要素もこの文章のテーマの一つだったわけですが、オシムの意を汲み取って真面目に一生懸命やる事が、最近の日本代表では目的と化している気がしていて。要するに上からの一方通行というか。真面目に努力するだけが生徒からのベクトルの全てで、それに励んでさえいれば日本は強くなるってな風潮。オシムへの批判を口にしにくい雰囲気が、個人的にはずっと気になっていて。

上にいるのが全知全能の神様であればそれでも良いのかもしれませんが、そうでない以上は、もう少し何とかならないかと思うのであります。というか、再考して貰いたい事がありつつも、自分は基本的にはオシムを応援しているわけですが。批判する人=オシムの全てを否定する人、という図式に組み込まれそうなのが嫌なんですよね。


教育、について言えるのは、真面目に努力する事は大切だけど、それが目的になったら意味をなさないというか。むしろ、真面目に努力しても報われない時がある事も教えてこその教育だと思うのですが。

かつて、ロックという記事を書きましたが、「これからも安泰」なんて思った途端にその人の成長はなくなってしまうと思うし。ロック的な「現状への不満」こそが自分の成長に寄与する一番の様子ではないかと思う自分としては、教育を受ける側にこうした気質があってこその教育だという気がするのですけどね。


とりあえず、一応文章にしておきたかったので書いてみました。半分予想していた通り、固いものになりましたがご容赦の程を(笑)。


以上、今日はこれにて。
読んで頂いてありがとうございました。


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HUNTER×HUNTER

続いて、たまにはマンガの感想でも。冨樫義博「HUNTER×HUNTER NO.24」(集英社ジャンプコミックス)について。というか、この巻だけではなく、全般的なレビューです。


週刊誌に連載している作品なのに何故か1年に1冊もコミックスが出ない年があるのは、この作者が休載の多い作家だからですが。

ジャンプの他の作品は詳しく読んでいないので比較はできませんが、本作の最大の魅力は、緻密なネームとか絵の上手さとかよりも、いわゆるジャンプの王道的なパターンを踏襲しているからではないかと思ったのでした。

それは、友情と努力と何だっけ?・・・ではなく、一つには引きの巧さ、そしてメイン以外の登場人物の活かし方にあるのではないかと。


引きの巧さについては、来週への引きだけではなく、次のページへの引きという部分も含むわけですが、そうした見せ方が王道的でやはり巧い。読者を「続きが気になる」状態にするのが巧いというか。

そしてサブ・キャラクターの活かし方ですが。読者による人気投票の結果をストーリーに反映させるのは昔からある手法ですが、この作者の場合は読者のいわゆる萌え心を心得ているというか、再登場のさせ方や活躍の場の与え方が巧い。


休載が多い事はこの作者の最大の欠点ですが、それ以外にもカラーが苦手だったり、絵としても、静止画は上手いのですが、動きのある絵に物足りなさがあるなどの特徴があります。ストーリー上の誤謬もあります。が、それでも面白いものは面白い、と。


そもそもの主人公の目的である「父親探し」がおざなりにされていたり、作者の趣味に沿ってかったるい展開が続く時などは首を傾げたくなるのですが、話が急展開を見せた時の面白さがあるからこそ、それらの欠点を棚上げしても良いと思ってしまうのでしょう。

父親のお弟子さんがいきなり首になったり、元々の同僚たちを見開きページで一斉に開放したりと、作者が乗っている時の緊張感もそうですが、ゲーム編の幕引きの様子なども素晴らしいので、続きが楽しみであります。


問題は、いい年をして、数年ぶりにジャンプを買いたい誘惑に駆られる事ですが。何とか立ち読みで済ませている今日この頃です(笑)。



以上、読んで頂いてありがとうございました。
今回はこれにて。



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有頂天家族

森見登美彦の「有頂天家族」(幻冬舎)を楽しく読んだので、その感想を。


これまでの著作の中では、誰に対しても一番お勧めしやすい作品。とにかく読んでいて楽しいです。

一方、作者のこれまでの作品が好きな方にとっては、或いは物足りなさが残るかもしれないのは、何というか境界線的なもの、何かしら薄気味悪いものが本作では弱い点をどう評価するか、という事になるのかな、と。単純に考えると、登場人物の違いという事になるのでしょうか。

ストーリー構成は上手くなって来ていますし、文章の冴えは相変わらず素晴らしいもので、この小説を書いたのが自分でないのが残念であります(笑)。


何だろう、本作品を批判する要素はそれなりにあるのですが、落ちの読める展開、弁天や海星によるデウス・エクス・マキーナ的傾向、双方の戦略的不徹底、などなど、そんな事は正直言ってどうでも良いというか。

批判しながら読むなんて無作法は論外で、勢いに身を任せて読み切るべき作品たらしめているのは、つまり他の批判されるべき作品群との違いを生み出しているのは何か?

ベタな答ですが、それはやはり、何よりも「面白きこと」を優先させる作者の姿勢にあるのではないかと思ったのであります。この作者の新たな到達点に、乾杯!


そんな感じで、今回はこれにて。
読んで頂いてありがとうございました。


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8:30

久しぶりに、Weather Reportの「8:30」を引っ張り出して聴いてみました。


この春にiPodを購入して以来、アルバムを聴くよりも曲を聴くという傾向が強くなっていて。最初は勿論アルバムを通して聴くのだけど、すぐにその中から取捨選択して。というか容赦なく切り捨てまくる為にまず聴くといった風で。その傍若無人で手前勝手なセレクションに残った曲をシャッフルしまくる感じ。

それはそれで楽しかったし、セレクションの為に時系列で特定のミュージシャンのアルバムを辿っていくのはなかなか新鮮だったのですが、音楽を消費する側に回っている事に忸怩たる想いを抱かなかったと言えば嘘になるわけで。ってのは半分冗談ですが。


そんな感じで、落ち着いてアルバムを丸々聴きたいものだと思っていた矢先に知ったJoe Zawinulの訃報。先月の11日に皮膚癌で故郷ウィーンにて永眠との事で、それ以来、どのアルバムを聴こうかと頭の片隅で考えながら日を過ごしていたわけですが、結局本作を選んで、昨日ゆっくりと聴いてみたのでした。


ウェザーについては、個人的にはフュージョンではなくジャズと表現するのが適切だと思っているのですが、ジャズにはあまり縁が無い人でも入って行きやすいグループなのは確かですね。

個々のメンバーの技量は折り紙付きですが、それは聴き手に緊張感を与える類の演奏ではなく。聴いていて思わず笑ってしまう様な、「こいつら、仕方ねぇな~」なんて言いたくなる様な演奏で、とにかく聴いていて楽しいのです。

演奏している彼らが心から楽しんでいる様子が伝わって来るからなのですが、誰かが気ままな方向転換をしても、「おお、じゃあ面白そうだしそっちに行こうか」ってな適当ぶりと、しかし一瞬で息の合った演奏が飛び出してくる技術と信頼感と。

音楽はここまで到達できるという凄みを、その緊張感を感じさせずに楽しさを感じさせながら示している本作は、これからも折に触れて聴き直したいアルバムだな、なんて事を思ったのでありました。


だらだらと書きましたが、今日はそんなところで。
読んで頂いてありがとうございました。


テーマ : 音楽のある生活 - ジャンル : 音楽

ほどほどに

最近の日記が固いのは、自分でも自覚しているのでありますが。それはオカタイ本ばかり読んでいるからだと思いつつ、定期的な自己反省でいつも出て来る要素が原因という気もするので、今日はその話題。


折に触れて反省するのは、ほどほどに出来ないという自分の性格で。別にこれは悪い事ばかりではないと普段は開き直っているのですが、どうにも困ったものだと自省する時が年に1~2度ぐらいあります。

それは文章に限らず、興味を持った事にのめり込んで深く熱中してマニアックに走りかけて、少し走ってやっと止まる、ってなパターンが多すぎるのは困ったもので。


更に困るのが、「all or nothing」的な傾向でありまして。

100%を求めて事にのめり込むのは既に触れた通りですが、興味が沸かない事に対して、中途半端に取り組むよりはと一顧だにしない傾向は、我ながら考えた方がいいかな、と、たまに思うのであります。

15点だとしても正しいってのはどうかと思いますが、15点分の価値は認めても良いのでは?ってな感じで。


そうした、いわゆる芸術家的性向とでも言うか(自分に芸術の才能があるか否かはさておいて)、そうした傾向の良さは良さである程度維持しつつも、悪い部分はいい加減に改善しないとなぁ・・・などという事を、秋の夜長にふと考えるのでありました。


もしかすると、通り一遍の反省だけで流してしまい、結局いつも真剣に反省をしていない事が最大の問題点なのかもしれませんが、それは言わない約束で(笑)。ま、適度な適当さは大事だという事で。。


そんな感じで、たまには反省を文字にしてみようかと思って書いてみました。1年ぐらい経って読み返した時が楽しみであります。


以上、読んで頂いてありがとうございました。
今回はこれにて。


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日本海海戦の真実

更に続いて、野村実「日本海海戦の真実」(講談社現代新書)について。


正直に言うと、タイトルで「真実」と気負うほどの真実なのか?という気もするのですが、それは要するに「坂の上の雲」を小説ではなく史実として読んでしまう方にとっては「目から鱗」という事になるのかもしれません。

自分の様に、司馬遼太郎作品の面白さは認めつつも、彼の解釈の胡散臭さに一抹の不安を捨て切れない者としては「さもありなん」って感じで、だからこそ「真実」なんて大仰なタイトルではなく、地道で誠実な研究の成果たる本書の内容に沿ったタイトルを付けて欲しかったな、などと我が侭な感想を持ったのでありました。

どうしても日露戦争というと「坂の上の雲」が出て来るわけで、評判を集める事を目的に、無理矢理それに言及したり非難したりする本が沢山ありますが、本書はそれらと一緒くたにして欲しくないな、という好意的な感情からの第一印象という事で。

蛇足ながら、「坂の上の雲」を念頭に置きながら話を展開する事自体は悪くないと思いますし、この小説に対する著者の姿勢も、特に小説に拘泥するわけでもなく、読者に解りやすいだろうから取り上げている、という程度で、好感が持てます。


さて、第一印象から話が長くなってしまいましたが、著者の丁寧な仕事ぶりには頭が下がります。考証についても常に反復して、既に出た結論を覆す事も厭わない仕事ぶりが伝わって来ます。

旧海軍の内部資料を元に、丁寧に日本海海戦を振り返って、あの結果に至るまでの要因を、多岐に渡って追求し考察しているので、とても興味深く読めました。


確かにロシア側には負けるべき要素がありましたし、日本側には勝利に至る諸条件が揃ってはいましたが、その日本側の諸条件は、東郷・秋山のみならず多くの関係者による大小の要素に支えられていた事。

そして、それ以外にも様々な偶発的な要素が結果に大きく関係していて、日本にとってもあの海戦は綱渡り的な要素があった事。

日露戦争は明治以降の日本にとって一つの頂点として扱われる事が多いのですが、旅順攻略戦やその後の会戦などを考えると陸軍においても、そして本書で判る様に海軍においても、その後の失敗に直結している要素が既に存在していて。ただそれは、この時点では致命傷に結びつかなかっただけ、という事は覚えておくべきだと思いました。

もちろん、そうした要素は完全に取り除く事は不可能ですし、個人でも国家でも、歴史の中では敢えてギャンブルに挑まなければならない瞬間が確かにあるわけで。そこで不安材料を過度に意識するのも問題ですが、それが致命傷になり得るという認識はしっかり持っておくべきだと。


何だか全然まとまりませんが、ここまで書いて思った事として。

タイトルにある「真実」については、東郷司令長官がバルチック艦隊の針路を読み切っていたか否か、丁字戦法を最初に考えついたのは秋山首席参謀なのか否か、が個人的にはさほど重要だとは思えなかったという事なのでしょう。

それよりも、日露の開戦後、何度となく丁字戦法を繰り返しながらも失敗し続け、それでもその度に改良を加えて、遂に本番で大成功を収めたという「真実」の方が遥かに重要ではないかと思ったのでした。


とにかく、ミリタリー・マニアでなくても本書は読んでみるべきだと思います。これからの時代に備えるという意味で、日露戦争は最良の教科書になり得るという思いを更に強くしました。5点満点で4点と「優」の評価です。☆☆☆☆


以上、読んで頂いてありがとうございました。
今回はこれにて。


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ローマ五賢帝

続いて、南川高志「ローマ五賢帝―「輝ける世紀」の虚像と実像」(講談社現代新書)。これも歴史関連の新書。

何だか最近、真面目な本の比率が高くて、何だか説教臭い事を書いてしまいそうなのが嫌でブログを休止していたのですが、ってのは単なる言い訳かな?サボる為の(笑)。でも、硬い文章しか書けなさそう、と思っていたのは確かです。それはともかく、本書について。


同時代からも、そして後世今に至るまでも、「人類史上最も幸福な時代」として讃えられている古代ローマの五賢帝時代。

しかしながら、世界史で学ぶ様に「有能な皇帝が、有能な者を養子にして皇位を継承させた」事が、皇帝の希望に沿ったものであり繁栄の秘訣であるとは必ずしも言えない事、口で言うほど皇位がスムーズに継承されていたわけではなかった事、などを、本書は主にハドリアヌスを中心に丁寧に考証していきます。


当たり前の事ですが、確かに専門家が書いただけあって、その考察と論理の展開はとても安心できるものでした。根拠についても、難しくならないように配慮しながらきちんと述べられていて好感が持てます。


その一方で、文章の構成については多少の不満を覚えます。それは、読み手への配慮は伝わるものの、どうしても歴史的な正確性を追求してしまうが故の瑕疵なのでしょう。

つまり、専門の人ではなく一般をターゲットにしている以上は、その辺りの正確性を多少ぼかして済ませても良かったのではないか?と思う部分があったのでした。


とはいえ、それは本書の魅力を妨げるものでは勿論無く、この時代に興味を持つ方には自信を持ってお勧めできると思います。最近は評価が辛めですが、それでも10点満点で7点と、「良」の評価を進呈できます。

後継者を一人に絞る事の難しさと、先帝に選ばれたとしても安定した権力基盤を築く事の難しさと、それらはこの「幸福な時代」においても困難だった事。そして、彼ら「賢帝」は、それを治世の間を通して実現させたが故にその名に相応しいのだという事を、この本を通じて多くの方に知って欲しいですね。


以上、今回はこれにて。
読んで頂いて、ありがとうございました。


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徳川家康

読了したものの、レビューをしないままに積まれている本が増えて来たので、適当にレビューして行きます。

まずは、北島正元「徳川家康 組織者の肖像」(中公新書)。1963年初版なので半世紀近く前の作品になりますが、ちょいと家康について復習したくなったので読んでみました。


半世紀も経てば、歴史学の進歩に追いついていない古臭い記述が多くなりそうなもので、そうした傾向は確かにあるのですが、ざっと家康の生涯を理解するにはこれで充分ではないかと思います。

最近の新書は何の知識も無くても気軽に読める反面、どうしても内容は浅くなってしまいがちですが、この時代の新書は、「基本的な知識は持っているものの、専門書に手を伸ばすほどではない」層をターゲットにしているだけに、通して読むと教養として充分な程度の理解が得られるのが良いですね。


「領国支配」と言ってもその支配の程度・やり方は様々ですが、この本では家康が危機を克服するたびに、「近隣の武士団の頭」から「中世封建的な大名」を経て、より効率的に領国を支配した「近世絶対君主的な大名」となり、遂にはその実力でもって「全国の大名を統制する将軍」にまで登り詰める様子が描かれています。


そして特に好印象なのは、その立身の詳細について、派手な戦闘や外交だけでなく、地味であるが故に記述を省略されやすい内政についても、ある程度ページを割いて説明している事でしょうか。

この時代で勝ち抜くには大名本人が諸般に秀でていないと無理なのでしょうが、専門書ではないにもかかわらず内政家としての家康の能力をうかがい知れる点は、或いは本書の一番の長所ではないかと思ったのでした。


その他、個人的には、戦国時代の武士の倫理(物質的関係が基礎にあった上での主従関係)と、江戸時代の儒教的な武士の価値観(絶対服従的な主従関係)との相違、更に戦国時代における武士の意地と江戸時代における武士道の相違について、ちょいと考えさせられました。


そんな感じで、古いことも含めてくせがあって読み手を選ぶ点を考慮して、5点満点で3点ぐらい、としておきますが、興味のある人にはお勧めです。


以上、読んで頂いてありがとうございました。
今回はこれにて。


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涙もない、言葉も出ない

という事で、あっさりとシーズンが終わってしまった阪神タイガースでありました。シーズンの最後を飾るには、あまりに情けなさ過ぎる2試合。


ただ振り返ってみると、井川投手が抜けた穴を埋めるのが至上命題だったとはいえ、昨オフ早々に黒田投手一人に絞った補強策が頓挫した時点で、相変わらず進歩のないフロントが足を引っ張りそうな気配があって。

よく関西人はお金にうるさいと言われますが、典型的な関西人って、実はお金の使い方が下手なんですよね。妙なところで気前が良くて、妙なところで出し惜しんで、ってのはまさに阪神のフロントのこれまでだったりするわけで。

で、それは選手への姿勢にも繋がるわけで、補強の候補を一人に絞る事は、「誠意」ってのとは違うと思うのですけどね・・・。


また、昨シーズンに最後まで優勝を争ったお陰で、若手の選手に一軍の試合で経験を積ませる機会が殆ど無くて、それも不安材料の一つだったのですが。

今年の序盤に派手な連敗をした事が若手の積極登用に繋がったのは不幸中の幸いでしたが、狩野は次第に出番が減り、林と桜井にしても、このクライマックス・シリーズ(CS)では二人で足して一人前的な使われ方でしかなく。あと上園は責められないですね。この経験を今後に繋げて欲しいものです。


しかし、結局今シーズンの終盤も優勝争いやCSの調整などで若手をなかなか起用できず、今後ますます「選手を育てる」事よりも「選手を取って来る」事が重要になりそうなのが辛いところです。


そもそも過去を振り返ると、阪神は選手育成についてはあまり芳しくないわけですが、上記のような事情があるとはいえ、監督のやり方にも多少の疑問があったりします。

つまり選手、特に投手は、我慢して使い続けるしか育成の方法は無いわけで。育成よりも目先の勝負を優先せざるを得ない状況が続いたのは確かですが、もう少し若手と中堅・ベテランとを分けた、良い意味での「特別待遇」というか。前者には経験を、後者には責任を重視した起用ができなかったかと思ってしまうのであります。

例えば、藤川投手の活躍は確かに岡田監督によるコンバートが大きかったと思いますが、その前の星野監督時代に、何度負けが続いても先発の機会を与え続けた経験も大きかったと。


監督の手腕については、CSのスタメンを見ただけで諦め気分になってしまったファンもいるのではないかと思うのですが。今の調子よりも実績重視で、「本来の実力を発揮してくれるのを我慢強く待つ」という姿勢は、ペナントレースでは良いと思うのですが、短期決戦では無残な結果しか残らない可能性が高い事は2年前にも味わった筈で。

ただ、岡田監督にしても、或いは落合監督や王監督などもそうですが、一年間を通した指揮と、短期決戦の指揮と、その両方の資質が問われる以上は、後者の事ももっと重視して欲しいですね。


選手個々については、規定投球回数に12球団で唯一達しなかった先発陣の体たらくは勿論、12球団で最低の打率を誇る野手陣も厳しいものがあって。


その中で、特に来シーズンに奮起を促したいのは、やはり矢野選手でしょうか。

シーズン終盤、盗塁を刺せず沈んだ様子の矢野選手の表情が印象的でしたが、それに呼応するかのように、リードについても攻めの姿勢が見られず、打撃も湿りがちで、これまでの実績を考えると「衰え」という言葉が浮かんで来るわけで。。

今の状況では、来シーズンは野口選手との併用がベターだと思うのですが、その状況に選手として奮起してもらいつつ、ベンチではバッテリー・コーチ的に、若手捕手を相手にのべつまくなしに喋り続けて教育を施すような、そんな役割を期待したいところです。


以上、まとまらないですが、今シーズンの総括という事で。


読んで頂いてありがとうございました。
今日はこれにて。


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