都知事選と参院選。

今月は都知事選と参院選がありましたが、年々書く気がなくなって行く悪い流れが何とかならないかと思いつつ、今後は更に酷くなりそうで困ったものです。政界だけでなく、色んな分野で人材不足&それにもかかわらず求められる能力は上がり続け見返りは少なくなり続けるという、当分続きそうな傾向が早く終わって欲しいものですね。。という事で、以下雑感。


■都知事選

勝負に出た小池さんが見事な勝利を得たと言うべきなのか、対抗馬となるはずだった有力候補二人がどんどん自滅して行ったというべきか、難しいところですね。とりあえず対外的には、初の女性都知事でカイロ大学卒という経歴やアラビア語にも堪能という個人の資質は受けそうですが。国内的には「女性のくせに俺より優秀なんて認めん」的な女性蔑視の発想から来る感情的な反発に苦労しそうです。

増田さんは自民・公明から公認を得たのに身内からの支持が広がらず、岩手県知事時代の手腕が問題になっても日本創成会議での提言内容に疑問の声が上がっても納得のいく反論がなく、個人的にも中公新書の「地方消滅」は問題提起の部分はそれなりでしたが対策の話になるとイマイチという印象でしたので、色々と足りない部分があったという結論になりそうです。尤も、個人で劣っても組織で巻き返す可能性はあったはずですが、自民党支持層ですら小池さんに投票した人の方が多かったという現実がなかなか切ないですね。

鳥越さんは野党統一候補という時点で個人的には意味不明でしたが、直前の参院選で与党が信任を得た状況でなお国会の与野党対立の構図を都に持ち込む意図といい、東京都よりも国の管轄であるはずの憲法などの話を持ち出す事といい、関係者全員が冷戦終結前の世界に生き続けているような印象でした。選挙期間中に女性問題の報道が出たのはお気の毒でしたが、それへの対処は率直に言って酷いもので、他人に厳しく自分に甘くという見苦しい姿に終始していたのが残念でした。この世代の女性観って悪い意味で本当に変わらないですね。


結局の所、色々と問題はあっても舛添さんが続けていた方が、総合的には良い事の方が多かったのではないかと思える辺りが哀しいですね。舛添さんが人格的に問題を抱えていたのは都知事選に出馬した時点で多くの人が知っていた事で、だから自民党も公認に躊躇したわけですが、多くの瑕疵があっても有能な人材を使い捨てる結果になったのは残念でした。

舛添さんで印象に残っているのは厚生労働大臣の頃ですが、その辺りが彼の器の限界だったのかもしれません。それよりも権限の強い大臣に任じてしまうと都知事時代と同様の暴走(スタンドプレイ)をしただろうと思いますし、かといって彼の能力を遊ばせておけるほど政界に人材が溢れているかというと全くそんな事は無いわけで。本当に、人の使い方というのは難しいものです。


遡って言えば、猪瀬さんが続けていれば何の問題も無かったようにも思います。しかし政治の世界に不慣れという経験不足や打たれ弱さ、そして有能ではあっても人望を得られるタイプでは無いという個人の資質を考えると、やはり長期政権は無理だったように思えて来ます。能力と言っても色んな要素を含みますが、仕事ができても一緒に仕事をしたいと思えないタイプと言われてしまう辺り、特定の能力(この場合は人望)を大きく欠くと他の能力をどれほど磨いても挽回が難しいという現実には考えさせられるものがありますね。



■参院選

こちらも、与党にも色々と問題があるのに野党がそれ以上に酷いからどうにもならないという哀しい結果になりました。

野党が出す経済政策がお粗末なのは相変わらずですが、憲法などの問題をテーマにするにしても他にやりようが無かったのかと思います。例えば、控えめに言ってもかなり酷い出来映えの自民党の憲法改正案の中からとりわけ酷い箇所を抜き出して、それらを具体的なテーマとして取り上げて議論してくれたら応援する気になったかもしれませんが、極論を出して改正反対を唱えるだけでは広い支持を得る事は難しいと思います。

しかしそれ以上に、分配中心の経済政策で財源の根拠もなく理論的な背景もなく、更に民進党に限って言えば仮に与党になってもその時点で前言を翻して金を出し惜しみする展開になるおそれが非常に高く、政権交代から四年が過ぎても何の反省もなければ何も成長していない状態なのが辛いですね。それでも自民一強への対抗という期待だけでも一定票を得られるのだから、偉そうな物言いになりますがもう少し見聞を広げて欲しいものです。上にも書いたように、本当に左派の方々って80年代から変わっていないのが哀しいですね。


アベノミクスについては毀誉褒貶が極端ですが、極論を除いて一応の共通認識をまとめるならこんな感じでしょうか。

・消費増税は失敗。
・成長戦略(構造改革、規制緩和)は目立った成果を出せていない。
・財政は効果はあっても限定的(だから無駄なのか、だから額を増やすべきなのかは意見が分かれる)。
・金融は一定の結果を出している(だから更に金融緩和を進めるべきか、だけど銀行貸し出しに繋がらず問題点も多々あるから縮小すべきかは意見が分かれる。インチキ云々の反論は論外)。

個人的には、海外の経済政策を評価する時と同様に失業率の数字を重視するなら、概ね評価されるべきではないかなと思います。そして年配の方々が何を言おうとも、新卒一括雇用の慣習が根強い我が国では失業率が悪化した時期に卒業を迎えるか改善した時期に卒業できるかでその後の人生が大きく変わる可能性が非常に高く、故に失業率を低下させたという一点だけでも現政権の経済政策はプラスの評価にして良いように思います。安倍政権の経済政策の全てを肯定するという意味ではなく、総合的に見ると(実質的には金融政策のお陰で)良い結果の方が上回っているのではないかと。


昨今は報道姿勢の偏りが更に顕著になったり報道内容が浅いものが更に増えている印象で何だか哀しいですが、究極的には誰がどの政党が勝利を収めようとも社会全体として良い方向に向かってくれる事を願いたいものです。例えば株価が暴落したとか年金運用がマイナスになったと言って嬉々として与党を責めるような記事ではなく、国民としてその損害を被る関係者の一員として、それをどう受け止めたら良いのかという論説を私は読みたいと思いますし、そうした視点を持つ方々が増えて欲しいものだなと思います。


最後は少し偉そうな事を書きましたが、世の中が少しでも良い方向に向かってくれるように、政治家の方々を始め一般庶民の我々も含めて、各々ができる事をできる範囲で実行したいものですね。


以上、今日はこれにて。

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震災から5年

東北の震災から五年が過ぎて今日は報道もそれ一色でしたが、少し考えた事について以下で書き残しておきます。一言でまとめると、我々の課題は専門家を糾弾する事ではなく、むしろ我々自身が専門家を活かす術をどのようにして体得すれば良いか考えるべきではないか?というお話。


まず最初に前提として、特定の専門分野(例えば、理学部/基礎物理/素粒子/原子核とか)の修士や博士であっても、更には講師や助教や時には教授ですらも、間違える時は間違えるという事を許容する事が大事なのではないかと。専門家が間違える事を許さない風潮がありますが、それだと当たり障りのない発言が蔓延ったり責任逃れからの強弁が多くなるだけで、問題の解決を遅らせるケースが多い事を認識すべきではないかと思うのです。

同時に、残念ながら専門家と言ってもピンからキリまで居るわけで、彼らの優劣を門外漢がどう判定すべきなのか考える必要があると思います。この場合、発表した論文によって広く世界的に評価されている事が(特に理系分野では)一番信頼に足る根拠になると思いますし、少なくとも、多数の市民が妥当と考える結論に阿る人や、間違いを犯した同業者を理論には則らず感情的に激しく攻撃する方々は評価を一段下げるべきかと思います。

とはいえ、経済分野などで顕著ですが、具体名を挙げずに「海外の有名な専門家も皆反対している」といった報道が(実は事実無根なのに)なされる事も多く、一方で論文を書いた事もない人が一流の学者であるかのように扱われたりと、やはり素人では専門的な意見および専門家を査定するのは難しいように思います。報道の裏を取ったり、その人が発表している論文を調べたりする事は、能力的にも時間の余裕という点からも、一般の人にとってハードルが高いからです。


こうした難しい状況を打破する手助けになるのは、普通の人よりも該当分野に少しだけ詳しい(過去に学部や院で勉強した)市井の方々だと思います。しかし、卒後も地道に勉強を続けている人はごく少数で、大抵は知識の抜け落ちが激しい上に、どの分野であれ10年も経てば色んな進歩があり変化があるので、昔の知識は役立たない事が多くなります。

原発事故の際、当時の菅首相は「僕はものすごく原子力に詳しい」と発言したそうですが、元総理が東工大を卒業してから40年も地道に勉強を続けていたとはとても思えず、少なくとも現役の専門家の方々を差し置いて指示を出せるほどの域には無かったという話です。しかし、もしも身近に物理学科卒の人が居たとして、その人が卒後は全く勉強をしていないと知っていたとしても、多くの人は「自分よりはマシだろう」と考えてしまうのではないかと思うのです。

同じように、大学で専攻した事はなくても個人的に関心を持って当該分野の本を何冊か読んでいる人が居るならば、やはりその人の意見は世間で尊重される事になると思います。しかしこの場合、スタートが素人である為に専門書の選択が偏る可能性が高く、酷い場合には基礎も修められていない素人が出した本を素人が読んで、その結果間違った知識を広めてしまう事にもなりかねません。一方で、大学では別専攻でも、その分野の基礎を身に付け説得力のある助言をしてくれる人が居るのも確かです。では彼らをどう峻別すれば良いのか?


大学や院で多くの専門文書や論文を読まされた経験のある人なら、他分野であっても物事に対する姿勢によって、信頼に足るか否かを判断する事ができると思います。例えば、その人が基礎や過程を大切にしているのか、それとも結論の羅列を暗記しているに過ぎないのか。わからない事をわからないと言えたり、既に表明した自分の意見にも検証の意識を持ち続けたり。力強く断定する口調の裏に、求められれば根拠を筋道立てて説明できるという自信が感じられたり。そうした姿勢が窺える人は、概ね信頼に足ると言えるのではないかと思います。

ここで大切なのは、自らの意志で専門書を読み、たとえそれが専門家からは一笑されるような作品であったとしても。得た知識が偏ったものであったり、著述を丸暗記しているだけで意味を理解できているとは思えないとしても。わからない事にも積極的に口を挟み、自らの間違いを決して認めず、根拠もないのに断定を繰り返し。反論に対しては話を本筋からずらしたり感情的な反応をしたり、酷い場合には反論して来た人の人格を攻撃したり。そんな人でも、「自分も詳しく知りたい」と思い関連書籍に向き合った事は評価すべきだという事です。そして可能であれば、そうした方々が一般の人から信頼される域に達するのを手助けするような意識を持てれば、と思うのです。


結局のところ、間違った専門家を糾弾する事も、基礎も知識も足りない専門家気取りの人を馬鹿にする事も、行動の本質としては大差がないと思います。それよりも、彼らを頼りがいのある専門家や助言者に育てるにはどうすれば良いか。有事においてそうした役割を果たして貰うにはどうすれば良いか。そうした視線で彼らに対する事が、長い目で見ると被害を小さく抑える事に我々が貢献できる一番の選択ではないかと、そんな事を考えていたのでした。

なお、彼らの成長を手助けする具体的な行動ですが、反論する時にはきちんと反論を述べる事が大事だと思いますが、これも素人には難しい事だと思います。とりあえずは、彼らの主張を根気強く聴く事や決して見捨てはしない事、そして彼らの思った事を記録するように勧める事が地味ながら重要かなと考えています。自分が定期的に文章を書く理由の一つでもあるのですが、書き残しておいたものを再読する事は反省にもなり、そして成長を自覚させてくれる事にもなるからです。


以上、何だか大雑把な話になりましたが、そんな感じで今日はこれにて。

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鶴見俊輔の死。

お昼に鶴見さんの訃報を知って、充分にお歳を召されていた事もあり特に驚きは無かったものの、仕事の片手間に色んな事を考えているとやはり感慨深いものがあったので、思い付くままに文章にしてみようと思います。


さて、訃報を伝える記事を拾い読みしてみると、やはり亡くなった人の事は悪く言わないもので「行動する知識人」「戦後の思想界をリード」といった見出しが出ていました。それらは間違いではないと思いますし、奇を衒った事を書きたいわけでもないのですが、自分が勝手に理解していた鶴見さんにはそぐわない説明のように思いました。

自分が鶴見さんから学んだ彼の思想とは何だろう?と改めて考えてみると、それはほぼ無いと言っても過言ではないと思います。そんな自分に彼の何が解るのか?とも思うわけですが、鶴見さんから多くを学んだ方々の追悼文は数多く出て来るでしょうし、となると視点の違う意見として書く価値はあるのかもしれないわけで、以下はそうした個人的な観点から、比較対象として吉本隆明さんに言及しながら思う事を書いていきたいと思います。


既に書いたように、鶴見さんの哲学や思想について自分が強く影響を受けた事は殆どありません。吉本さんにしても、彼の著作の中で「反核異論」だけは世の流れの影響もあって予想外に長い付き合いになりましたが、それ以外には個人的な事情からごくマイナーなとある論点に影響された程度で、一般に彼の代表的な思索として紹介される事にはさほど心惹かれませんでした。彼らは二人とも、熱烈な賛同者を抱える一方で「彼らに思想などない」と厳しく切り捨てる反対者も多く抱えていて、個人的には寧ろそうした外野の意見を通して彼ら二人の主張を考える事が多かったように思います。


果たして彼らに思想はあったのか?とは難しい質問です。まず一般論として、彼らの言説に反論を行うのはそれほど難しい事ではない、というのは確かに事実だと思います。一方で、世の多くの反論は毒にも薬にもならぬもので、彼らの著作を数冊読めば簡単に解消できたり、酷い場合には批判しているテーマを扱った著作にそのまま反論の反論が記されていて、彼ら二人とは真剣さの地平が違う場所から遠吠えしているだけとしか思えぬ事が多々あります。

では、彼らは戦後を代表する哲学者だったのか?そう言い切るには、彼らの言説が抱える隙の多さが気になります。鶴見さんの場合は柔軟で時に中身がないようにも思える発言からの突然の急進的な変化、吉本さんの場合は堅牢で硬直し過ぎた感も受ける発言からの突然の躊躇あるいは戸惑い。それらはいずれも彼らの人間性を思わせるものですが、思想家として持ち上げるには少し気になる部分であるのも確かです。


では、鶴見さんを説明する見出しとして既に挙げた「行動する知識人」はどうか?訃報を伝えるニュースの中には彼の少年時代の性的な衝動などを紹介しているものもありましたが、知識人としての彼の行動は、その衝動とほぼ変わらないものに思えます。つまり個人的には、それはさほど大した事ではないと思っています。

彼の凄さは寧ろ行動の後にやって来るもので、例えばベ平連といった集団に加わりながらもどこか個人の部分を残していたり、それらの組織の問題点に気付きながらも開高さんのように理由を明確に述べて離れるわけでもなく、金の流れなど色んな事情が明らかになってなお平然と小田実さんを絶賛し続ける。九条の会でデモに参加しながらも学生運動の幼稚さを指摘し、同時に他所では相手にされない若手に手を差し伸べて成長の場を提供する。無定見にも思える彼の行動は、少年期から絶えず彼の内部に燻っていた衝動に突き動かされた後に、その初期行動に対する自省を切っ掛けにして選択されたもので、それは彼をして他の誰よりも知識人たらしめる要因だったのではないかと思うのです。


もし仮に鶴見さんが今の若者の年齢だったら?ネットで氾濫するエロスにどっぷり浸かったりSNSで過激な言動を繰り返したりした後に、ある時点でそれを止めて、周囲に軋轢を生みつつもある程度普通に毎日を過ごし、少なくとも今ほどは世に名を成さなかったと思います。つまり彼の経験と、何より時代が彼を育んだと言って良いと思うのですが、それ故にこそ彼は、戦後における最後の知識人だったのではないかと思えるのです。そして、彼の死と共に全ては終わってしまったのだと。


数年前、どこで読んだのだったか鶴見さんの近況が紹介されていて、赤川次郎さんの全作品を二回ずつ読破したという話がありました。偉い評論家の方々が鶴見さんをして、文学などの批評には向いていないと酷評する事が時々あり、このエピソードは一見それを裏付けているようにも見えます。しかし、赤川作品を愛読する鶴見さんの姿を想像すると、本当に全作品を楽しんで読み臆面無くそれを語れる鶴見さんを思うと、そうした評価は正しいけれどもピントがずれているのだと、鶴見さんの恐ろしさはそこにこそあるのだと、自分にはそんな風に思えてしまうのでした。


最後に、終身雇用という言葉で我が国の企業経営の特徴を説明した事で有名なアベグレンとの共通認識として、かつて鶴見さんは軍事面以上に我が国の大学がアメリカに隷属している状況を憂えていました。先の大戦中に体験した事として、国家と大学の関係がアメリカと比べ遙かに遅れている事も指摘していました。現在の世界における我が国の大学の存在感や生徒達の留学状況、そして最近の安全保障関連の対立が議論ではなくお互い自説の主張と相手の誹謗にしかなっていない現状を思うと頭の痛い事ですが、教育こそが未来を支えるという観点からも、鶴見さんが抱いた懸念を忘れず問題意識を持ち続けていきたいと思っています。


以上、今日はこれにて。

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衆院選2014

選挙戦が盛り上がりに欠けるのと同様、どうにも書く気が起きないまま投票日当日に至ってしまいましたが、後々の参考の為に今回の衆院選について雑感を書き残しておきます。長くなると思いますので、興味のある部分だけでも読んで頂ければ幸いです。


■今回の解散について

報道では解散の是非や理由について色んな事が語られていますが、まず是非について。総理の掲げる金看板としては「増税の延期」を国民に問うという事で、これは解散に値する重要な問題だと思います。選挙の費用が無駄とか総理の真意は云々といった論説は、的外れな批判と退けて差し支えないでしょう。

では理由についてはどうか。海外の報道でも「政権が進める経済政策、いわゆるアベノミクスに注力できるようになる」という説明のされ方が多かった気がします。国内の報道では「野党の準備が整わないうちに」という「卑怯者め!」とか言いたげな論調が多めで(苦笑)、この辺りの目的よりも手段を解説しがちな傾向は相変わらずでしたが、勝敗予想と選挙後の展開は一部を除けば概ね妥当なものだったと思います。しかし。。

そこで疑問に思うのは、任期があと2年あり、連立与党で衆議院の2/3を越える議席を確保しており、更に野党が自滅ばかりを繰り返している現状で、なぜ焦って解散に踏み切る必要があるのか?という事です。

その答えは、端的に言えば「それをしないと政権がレイムダックに陥るから」でしょう。国内外を問わず、明言こそしないもののそれを前提として解説を組み立てている記事は幾つかあり、それらの報道は信頼度が高いと判断して良いと思いました。一方で、国内だけでなく海外メディアでも、我が国に関する報道の質は年々少しずつ低下しているなと、改めて意識させられました。


■国内の報道について

話の流れで国内のメディアについて。今回の選挙では経済が第一の課題になっていますが、経済に限らず軍事や外交でも更には科学などでも、それら専門分野の基礎知識を前提に現実を解説する記事よりも、組織あるいは個人の信条に即した結論に誘導できるよう事実や専門知識を散りばめる記事が目立っていたように思います。

これらの傾向はもちろん今に始まった事ではなく、故に「今もこの傾向が健在な事」を問題にしたいのですが、同時に、「記事の根拠となっているデータの裏を取るまでもなく文中に明らかな矛盾がある」ような稚拙な記事が増えているように思えた事も気になりました。特に後者は「記事を書く」という記者の専門に関わる事なので、事実であれば深刻な問題だと思います。そして前者は、報道の姿勢に疑問の声が多く上がった今年だからこそ、その根深さに愕然としますね。。

報道各社に関してあと一点、消費税について。新聞・書籍への軽減税率を認めさせる代わりに増税そのものは容認(に止まらず、増税を実施しないと財政が破綻すると危機を煽る)という立場で一致しているように見えますが、これは失敗ではないかなと個人的に思います。

まず一般市民には「自分の権益を確保した上で他に負担を強制している」ように映りますし、政府や官僚からも「他の利益団体と同じ」と見下される可能性が高いと思います。そして報道されているように自民単独でも過半数(*訂正:300と書くつもりが何故か過半数と書いていました。。既に選挙戦終盤の時点で、自公で2/3自民単独でも300に迫る勢いと報じられていたので、過半数では意味が通らないですね。。)に近い議席を確保できた場合には、それは即ち軽減税率に積極的な公明党の存在意義が薄くなる事であり、そうでなくても自民党には軽減税率に消極的な勢力が多く、更に仮に軽減税率が適用されても売上が増加傾向に転じるとも思えず。。。先行きが大変そうですね。。


■経済について

まずアベノミクスを三つの矢に分けて考えると、金融では結果を出し、財政は微妙、成長戦略はダメ、といった評価になるのではないかと思います。そして今回の解散の引き金にもなった、7-9月期の実質GDPが前期に続いてマイナスになった事実は、その原因は消費増税に求めて良いと思います。では、安倍政権の経済政策は全体としてどう評価すべきなのか?

まず事実の振り返りとして、民主党政権下で三党合意による消費増税法案成立→解散総選挙で安倍内閣成立という流れを踏まえると、増税による経済停滞の責任は民主党にも求められます。一方で自民党にも責任無しとは言えず、8%への増税を実施して日本経済の回復が遅れる結果になったのは政府の責任として良いでしょう。

及第点とされる金融政策でも10月末の緩和拡大が5対4の僅差で決定されたように反対勢力は侮り難く、財政は昔と変わらず公共事業が主体で、成長戦略も単なるパイの奪い合いにしかなっていない。これらを総合的に判断すると、アベノミクスを徹底するには選挙に訴えるしかなかった構図も透けて見えて来ます。そして、野党からも反対勢力からも有効な対案が出ていない現状では、アベノミクスそのものを批判するのではなく、構成要素の各々を改善させ経済を上向かせるにはどうすれば良いか?を考えるべきではないかと思います。


■「財務省」について

簡単な理解としては、政権をレイムダックに追い込む黒幕は「財務省」と考えて良いでしょう。現実には財務省という現実の組織よりも政財界や官僚の間に蔓延する財政健全化への強迫観念とそれが生み出す日本的な空気感が問題で、そこを見誤ると官僚組織こそ敵だと考えて政権に就いた民主党の失敗を繰り返す羽目になるのですが。。さしあたりは「財務省」という一枚岩のボス敵が存在すると考えても差し支えないと思います。

さて、その「財務省」が増税を強く支持して日本経済を停滞に導こうとしている(ように見える)のは何故なのか?一つには国の成長よりも省庁の利権拡大を優先する姿勢があり、一つにはアベノミクスの失敗を見越しているからであり、そして最後に自分たちこそが国を動かすという自負があるからではないかと思います。

この組織の評価も難しいですが、選挙の結果を背景に彼らをある程度押さえつつ、彼らの協力も受けて経済政策を遂行する方向で、政治家には頑張って欲しいですね。現状では経済条項を削除させて10%への増税を待てば良いだけの「財務省」が圧倒的に有利な立場ですが、増税延期で得た猶予期間の間になんとか経済を回復基調に乗せて欲しいものです。


■各党について

以下、具体的に各党について簡単にまとめてみます。

・自民党
現実的にアベノミクスを支持する勢力が党内で少数派なのが問題を難しくしています。今回の選挙を経た以上、総理の政策に正面から異議を唱える議員は少なくなると思いますが、経済が悪化した時に彼らがどう動くかは予測できず、とにかく経済次第という展開になるのでしょう。

・公明党
議席数次第では存在意義が問われる展開も有り得ますが、その辺りは彼らの事なので上手く立ち回るのでしょう。固定票が強いので選挙が盛り上がらず投票率が伸び悩むと有利ですが、さて?

・民主党
経済に限らず多くの分野で政策が無いのが明らかになってしまった残念な党ですが、最大の問題は政権運営時の失敗を今なお認められず、反省も無ければ勉強もしないというダメな上司の典型のような姿を晒している事ではないかと思います。
党内には経済はじめ専門分野に詳しい議員も居るはずが、集団になると彼らを全く活かせず頓珍漢な事しか言えなくなるのも、我が国にありがちなダメな組織の見本という感じで何だか切ないですね。

・みんなの党
解党という結末は残念でしたが、政策が良くても政局への対応が稚拙では大きな結果は残せないという事なのでしょう。そして渡辺さんの政策では敵が多くなる事も、結果に少なからぬ影響を及ぼしたのかもしれません。維新への合流組は何がしたいのかよく解らず、少なくとも現時点で、江田さんは誰かに使われてナンボの人という評価に止まりそうです。。

・維新
その維新は、以前は少なくとも個々の政策には納得できる部分もあり、しかし全体として何がやりたいのか意味不明という印象だったのですが。。今や政策も支離滅裂な気配が漂っていて、合流相手や世論からの反応に対応するたびに綻びを増やしている感じがします。賞味期限が切れかけているのは確実として、問題はその後が居ない事なのでしょうね。。袂を分かった次世代は老いが目立ちますし、与党以外の選択肢がない現状が有権者としては辛いところです。

・その他
小沢さんの政治力は前回選挙で失われましたし、共産党は組織がしっかりしているので惨敗は避けると思いますが国政への影響は相変わらず限定的でしょう。社民党は無くなって困る人がどれほど居るのか疑問です。
社民党に限らず野党に共通する事ですが、自分たちの弱い部分を自覚して対策する事を考えないのが残念ですね。かつて敗戦直後の頃、社会党は経済に弱い事を自覚して鈴木茂三郎・西尾末広が自ら大蔵主計局長を口説きに行ったものですが(その誘いを断り無所属で出馬・当選後、国会で隣席になった岸信介に仕え総理にまで登り詰めた福田赳夫のエピソードです)、そうした先人の行動に学んで欲しいものです。


■おしまい

という事で期日ギリギリになって急いでまとめた代物ですが、政治を考える一助になれば幸いです。
以上、今日はこれにて。


増税を前にして。

といっても経済への影響が云々といった重い話をしても今更どうしようもないので、個人レベルでのお話を軽く。


前回の5%への増税の時には欲しかったエレアコを購入した記憶がありますが、さて今回も何か買おうかと思いつつ、どうにも購買意欲が湧かず、結局は普段通りのしみったれた消費活動で一日を終えました。

雑誌の特集やネットの記事などでは「賢い節税」などと、缶詰など保存食やティッシュなどの消耗品を買い溜めする事が推奨されていたそうですが、後者は元々まとめ買いをする習慣で物置にまだストックがあるので却下。前者は我が家ではあまり食べないので、大量購入しても賞味期限直前に大量に食べる結末しか想像できないので却下。そもそも、例えば300円を節約する為にはこれらを一万円分購入する必要があるわけで、それはとても大変に思えます。。

それでは値が張る家電などはどうかと検討するも、3%分の値上がりよりも新商品発表直前の値引率が桁違いである事を思うと、大至急必要なものがない現状ではやはり却下。家具や健康機器なども散財してまで欲しいとは思えず、そもそも消費税以外にも多々負担が増えることを思うと、財布の紐を緩めるべきではないという結論が妥当に思えて来ます。。

となると残るは趣味領域での出費ですが、音楽CDにしろ書籍にしろ、最近は昔のものを引っ張り出してくる方が楽しかったりするわけで。評価の定まった旧作とリアルタイムで体験できる新作と、どちらを優先すべきか?という難題には色んな意見があろうと思いますが、年齢を重ねるに比例して増える「かつてリアルタイムで体験して今や評価がほぼ定まった旧作」の魅力には抗いがたいものがあり、それらは新たな出費をせずとも堪能できます。。


というわけで、特に変わりなく過ごした消費税5%最後の一日でありました。
たまには簡単にこんな文章で、今日はこれにて。

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参院選2013

最初から最後まで盛り上がりに欠けた感のある今回の参院選ですが、簡単に記録しておきます。


参議院選が目の前にあった事を考慮しても、先月の通常国会最終盤は与野党ともに酷い有様でした。特に、憲法違反との度重なる指摘を受け、最低限の対処として三党合意したはずの0増5減が何故か進まず、参議院議長の不信任案決議が出て来たり、最終的には野党が安倍首相の問責決議を出した事で異論が少なかったはずの法案が幾つも廃案になったり、個人的には与党も悪いけれど野党は酷いという感想でしたが、そんな状況では有権者としても盛り上がるに盛り上がれないのが正直なところでした。

いわゆるアベノミクスが批判はあれども一応目に見える成果を出していた一方で、民主党政権下の3年間は完全に失敗として認識され、しかし当の民主党幹部らは稚拙な言い訳を繰り返して有権者の失笑を買っていたわけで、世間の関心は二大政党の対立ではなく、ねじれ解消のための与党過半数もあまり問題にならず、自民の単独過半数や改憲勢力が2/3に迫るか否かが話題になるような選挙戦でした。

民主党に代わり受け皿になるはずだった諸政党も内部で混乱があり、つまり今回の結果は野党の迷走が招いたと言って良いと思いますが、公明党が絶妙なポジションを確保した上で自民の単独過半数も改憲勢力の2/3も成らず、穏健な有権者にとってはまずまず妥当な結果だったと言えそうです。

以下、現状と今後の事について、政策別と政党別で簡単に。とはいえ昨年末の衆議院選と違憲自体は殆ど変わらないので、既に書いた部分は省略します。



・野党について

民主党は特に述べる事はないです。地に足が着いたまともな方々が中心になって勢力を立て直して貰えれば良いなという程度で。

維新は伸び悩みましたが、関西と比例区でそれなりの票を取り何とか踏み止まったとも言えそうです。候補者を眺めていると、橋下さんの劣化版のような方から意外に政策がまともな方まで幅広い印象で、個々の議論はともかく全体となると分からなくなる党首の傾向も含め扱いが難しい気がします。

みんなの党は、その維新が自滅して連携重視の方々が戸惑う中で渡辺さんが求心力を取り戻し、しかし政策などはより理想に寄った感じになりました。個人的には経済政策は彼らの主張そのままで構わないと思っていますが、現状でアベノミクスが密かに先鋭性の牙を抜かれつつある中で、過激に走らざるを得ない部分はあったのでしょう。彼らの経済政策は結論ありきではなく理論がはっきりしているのが好感の持てる点で、ゆえに国内外で議論ができる事を評価したいのですが、国内ではまともな反論が殆ど聞かれないのが残念です。一方、それ以外の分野では深みが足りず、政権運営に参加するにはまだまだ力不足の感じを受けます。賞味期限切れのおそれも依然として存在するだけに、この先の方向性が難しいですね。

その他の野党はざっくり略で良いと思いますが一点、やはり舛添さんの引退が残念でした。厚生労働大臣としての仕事ぶりも見事でしたが、知識がありそれを実際に運用して仕事をこなす力量もあり、しかし政争が苦手だったのが惜しまれるところです。

いずれにせよ、野党がそれなりにしっかりしてくれないと政権が行き詰まった時に困ってしまうので、まともな野党の復活を望みたいです。これは諸外国でも問題になっていて、例えばフランスはこんな事になっていますが、狭隘なナショナリストや過激なアナーキストなどが議会で勢力を伸ばす事のないよう、既存の各政党には頑張って欲しいものです。



・与党について

積極的に公明党を支持する事はないにせよ、加憲という彼らの憲法に対する姿勢は応援しています。現状の勢力図で憲法に手を付ける事はないと思いますが、妙な動きが出て来た時には彼らの良識ある動きに期待しています。

自民党については、既存勢力がアベノミクスの足を引っ張る事が懸念されます。先に少し触れましたが、密かなインフレ路線の修正と従来のばらまき路線の色が濃くなり始めていて、そこに消費増税が加われば逆コースが決定的になるだけに、安倍さんとしては次は党内への対応が重要になってくるのでしょう。詳しくは政策別で。



・経済一般について

一番重要なのは消費税の扱いですが、仮に増税となった場合、実施から半年〜1年で難しい状況に陥る事が予想されます。しかし各方面のしがらみから政権が増税を選択せざるを得ない可能性も少なくなく、現時点での最大の不確定要素と言って良いでしょう。

とにかく思うのは国内でまともな議論が増えて欲しいという事に尽きるのですが、恣意的なデータの選択(前後の流れから明らかに異質と思われるバブル期のデータを何故か前提にする等)や、海外の識者の話を換骨奪胎(「Aというリスクは確かにあるが現状では可能性は低く挑戦の価値はある」という話が「海外の識者も、アベノミクスにはAというリスクがあり危険と判断」になる等)などが繰り返されると、さすがにうんざりして来ます。

それに加えて我が国の悪しき傾向とも言うべき、結論ありきで基礎すら怪しげな発言が多発したり、形式や何らかの象徴的な出来事を重視して話が袋小路に嵌まったり、論を戦わせているだけなのに人間性を攻撃されたと勘違いして人格攻撃の応酬になったり、それらが重なると頭が痛くなりますが、一般の人がそうした傾向に陥るのはある程度仕方がないとしても、メディアを通して識者の酷い発言を聞かされる事が減って欲しいなと偉そうな事を思う今日この頃です。。



・TPPについて

今回の選挙ではほぼ争点にならなかったTPPですが一点だけ、参加が遅れた事で交渉の余地が格段に減った事は、広く意識されるべき事かと思います。極端な話、早々に参加を表明して、市場の小さな国々(当然、市場ルールも先進国と比べるとローカル色が強い)から取りっぱぐれが少なくなるよう米国と組んでルール作りに邁進する事もできたはずで、我が国の交渉能力に不安を覚える気持ちは理解できますが、ほんの一世代前にはスーパー301条などを巡ってアメリカとやり合っていたわけで(経済一流で政治が三流と言われた頃)、本当に残念だったなと。

現時点からは取るべき手は限られていますが、それでもアメリカの一人勝ちを防ぎながら国内市場を変化させていく事はできるわけで。例えば現在の癌保険は某外資系がシェアの3/4を占め、会社の全利益の同じく3/4は日本市場から得ているという話がありましたが、その魅力的な利益を餌に規制緩和を通して他国に働きかけ、競争が激しくなる中で国内企業の拡充を図るような動きに繋がってくれたらな、と思っています。絵に描いた餅と言われそうですが、少なくとも、下手に緩和されると逆にあちらさんが困る分野もありそうですよ、という感じで。



・少子高齢化について

これは本当に洒落にならないところまで来ていると思うので、対策が難しいのは分かりますが問題点としてだけでも広く世間に訴えて欲しいところです。国の借金が危険性を喧伝されつつ対策が立たぬまま毎年増えていますが、それなら少子高齢化も、話題にするなら対策を出せとか言わないで、問題としてもっと大々的に広報して貰いたいものだなと。

普通に街を歩いていて、エスカレータや歩く歩道で怖い思いをした方々は少なくないと思うのですが、あるいはレジや窓口でもめ事を起こしてしまうなど、老いて来るとどうしても動きが緩慢になったり耳が遠くなったりで問題を起こす事が増えて来ます。今はまだそれをフォローする方々が機敏に動けますが、20年もするとフォローする側も老人が多数になるわけで。

少子化対策と、その少ない人材をどう教育するかは非情に重要な問題だと思うのですが、しかし教育となると色んな方々が一家言あるぜと口を出してきてまとまらないのがまた気の重いところですが、憲法のように現状の議員さんの面々では力不足に思える議題や、原発などのように実際は解が限られていて専門的な議論をどう活かすかが求められる問題に政治家が関わるのは正直二の次で良いので、差し迫った問題にこつこつ取り組んで欲しいものだなと思うのでした。


・おしまい

政権交代の連続で選挙のたびに前回の与党代議士が100人以上落選する衆議院選ほどのインパクトはないにせよ、一人区の結果を見ても総取りか惨敗かの両極端になる最近の選挙では、長期的に人材を育成する事の難しさがあります。そうなると政治家として即戦力が求められるわけですが、やはり各界の成功者といえども新たな分野ではまず学ぶべき事も多くなかなか初当選で存在感を出すのは難しいわけで。

そうした弊害を思うと現在の選挙制度が疑問に思えて来ますが、しかし問題は制度ではなく、現実として国のために政治家になりたいと思えるだけの魅力がないのが問題に思えます。かつて升田幸三さんは「本業に自信が無い奴が選挙に出るんだ」と仰っていましたが、政治家を本業にしたいと思う人材を吸収して彼らを育てる余裕ぐらいは維持できるような形になって欲しいなと思うのでした。

以上、今日はこれにて。

テーマ : 2013参議院選挙 - ジャンル : 政治・経済

ブックストア談・京都店、閉店。

久しぶりに四条通を歩いてみたら、書店があるはずの場所に記憶とはおよそ違った風体のお店が出現していたので、例によって過ぎ去った過去を振り返って記録しておきます。

一応、正確に言うとタイトルには少し誤りがあるのですが、個人的な受け止め方としては表題通りなので、詳しくは追々という事で。また、京都には馴染みがあるのに書店の名前は記憶に無いという方には、ジュンク堂から西にすぐの、漫画の多い書店と言えば判って頂けるのではないかと。住所としては、四条通柳馬場東入になります。

ついでに、JR新大阪駅の構内にある書店が確かブックストア談だったと思います。新幹線待ちの際に寄りやすいお店なので今もなお健在だと期待したいですが、世知辛い世の中では確実に断言できないのが辛いところですね。。


さて、まずは閉店の経緯から。公式ページから引用すると、「関西初出店となるアニメガ京都店。旧ブックストア談京都店を全面リニューアル。(略)3階部分と2階一部がアニメガとしてオープン。今までのコミック館時代の専門性はさらにパワーアップ!さらにCD・DVD、キャラクターグッズコーナーも導入し、アニメファン、声優ファンの方も楽しんで頂ける売場になってます。」との事。文教堂系列なのは変わらず継続性もあるだけに、閉店と呼ぶのは間違っている気もしますが、何と言うかなぁ。。。

漫画以外の商品も大量に購入してくれる熱烈な方々をターゲットにする方が、或いは採算性としては良いのかもしれません。しかし、自分のように漫画以外のグッズには興味がない層にとっては、今まで2階3階がほぼ全てコミックスだったのに、色々と余計な物が増えて床面積は減って、それでも行きたいと思えるか?と問われると、正直微妙な感じであります。自分にとって昔馴染みだったあの書店は、もう無いのだな、と思ってしまうのです。

そうでなくとも最近の漫画は、書店ごとに違ったペーパーが付いていたり、微妙なおまけ付きの限定版が目立って増えて来たり、映画に行くと貰えるコミックス0巻が登場したり。そのくせ、数年前の作品が大きなコミック専門店ですら入手しにくい状況で、例えば最新作で興味を覚えた描き手の過去の作品に遡りたい時に、通販以外で気楽に巡り逢うには、古書店や漫画喫茶に行くしかないのが現状です。

雑誌や一般書籍の売上げが酷く落ち込む中で、それでも音楽業界に比べてマシに思えるのは漫画やライトノベルが収入を下支えしているから……という話ですが、こうした傾向が続くようだと、現在売れ筋の作品群が完結した後に悲惨な未来を迎える事になるのではないかな?とか余計なお節介を言いたくもなりますが。。どうも話が広がりすぎたので、書店の話に戻して。


ここで、ブックストア談・京都店の歴史を簡単に振り返ってみましょう。自分が知る限りの事しか書けないので知識の偏りがあるとは思いますが、その点は毎回の事ですのでご容赦下さいませ。

さて、振り返ってみて、昭和の終わりから漫画を売りにしていた書店というと、本店と今は亡き駸々堂書店を思い出します。個人的には、駸々堂+漫画というと河原町通を三条から北上した朝日会館二階のコミックランドの方をより懐かしく思い出しますが、あちらは平成5年にオープンしたもので、80年代から漫画を売りにしていたのは河原町店の方です。

本店の歴史は、並びにあるジュンク堂書店・京都店よりも古く、後者のオープンは昭和63年の事でした。以前の日記で取り上げ事項の偏った年表を書きましたが、教養を重視する風が廃れつつあったとはいえ古き良き時代と言って良く、特に本店にとっては80年代サブカルの盛り上がりなどが大きな後押しとなって売上げに結びついたのではないかと思います。書店としてライバルになり得るジュンク堂が漫画を扱っていない事もあり、人文系の書籍は最低限で漫画に注力するという方針がより明確になった時期だったのではないかと思います。

個人的には、1階に一般書籍や雑誌・文庫、2階に漫画という本店の構成は、漫画を購入する環境として望ましいものでした。というのも、漫画に対する偏見はなかったものの、「漫画はいつか卒業するもの」「いい大人が漫画を読むものではない」という教育を受けて来ただけに、そして同級生同士の見栄の張り合いという要素も手伝って、完全な漫画専門店は少々敷居が高かったのです。書店の界隈で知り合いと遭遇する可能性は、大量消費の時代と謳われながらも今と比べると遙かに娯楽の少なかった当時、決して少ないものではありませんでした。なお、漫画からの卒業は、今まで何度か試みたもののことごとく失敗して今に至るのは、まぁご愛敬という事で(苦笑)。

当時は3階にアニメのお店(アニメイト?)が入居していて、それが別の場所に移転した後には模型のお店?が入りました。これが確か世紀が変わる少し前辺り。そして今世紀に入って、3階にまで漫画売り場を広げ、地下1階にプラモのお店が入居して、その構成で昨年の12月上旬まで営業していました。その後のリニューアルオープンの話は、既に書いた通りです。

最近は四条界隈に足を運ぶ事も少なくなりましたが、それでも出向いた時には、買いそびれていたコミックスなどを(昔からの応援の気持ちで)何冊かまとめて購入していただけに、今回の閉店は寂しい話だなと、そんな感じです。


なお、最近は京都BALの地下でジュンク堂がコミックスを大規模に扱っていますが、こちらもビルの建て替えでいったん全て閉店となるらしく。更に、河原町通沿いという立地故に工事時間が限定され、そのため工期が普通よりも長く掛かるらしく。大阪の旭屋書店もそうですが、長期間の休店後にどれだけ客が戻って来るかは出版業界の斜陽傾向もあって何とも言えないだけに難しいところですが、何とか頑張って欲しいものです。

その他、書店絡みの話題としては、阪急がブックファーストをトーハンに売却するそうで。話の流れ的には、かつての駸々堂の店舗を引き継いだ梅田コミックランドがどうなるか気になるところですが、阪急さんが書店を見切ったという事実もなかなか切ないものです。。


最後まで不景気な話を脱する事が出来ませんでしたが、時代の流れとして仕方がないですね。。
以上、今日はこれにて。

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衆院選を前に

入社三年目ぐらいの女の子と真面目に雑談をしていたら、「我々の職種は…」とか「あの会社は職種的には…」とか「これからの時代に合った職種は…」とか、やたらと職種を連発するので、昼間から北斎の蛸と海女などを連想しそうになった今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか?

と、今日も無事爽やかに書き始められたところで、本題に入りましょう。あまり書く気が起きないテーマですが、今回の衆院選について。おそらく長くなるので、適当に興味のある項目だけでもご覧になって下さいませ。また、以下はあくまでも個人的な意見ですので、特に自分が正しいと主張する気もなく。ただ、読んで戴いた方にとって今回の衆院選を考える一助になれば良いなと思う次第であります。

なお、構成としては、政策別に思うところを書いて、次に政党別に思うところを書いて、最後にまとめという形になります。



■政策別あれこれ

各政党が独自色を出す為とはいえ、色々と細かい事が多いなぁという印象で。政策の優先度が考慮されないままに、あれもこれもと報道だけが過熱している印象を受けます。また、どの政策についても各論のみの議論となっていて総論が疎かに思える辺り、今に始まった傾向ではないですが気になるところです。

個人的には経済優先で良いと思うのですが、政策以前に政党によっては実現の可能性がほぼ皆無だったり、実現の運びとなったところで抵抗を受けて頓挫しそうだったり、色々と考え出すと難しいですね。。。



・経済

普通に安倍さんのインフレ・ターゲット(≒リフレ)政策で良いのではないかと思っています。みんなの党の主張の方がより正確だとは思いますが、日銀改革も視野に入れた発言をしているのはこの2政党ぐらいでしょうか。他の主要政党の経済政策は、正直何を言っているのか解らない部分が多いです。。

残念なのは、これに対する反論が奇妙なものばかりに思えるところ。日銀の独立性とは手段の独立を指すという事が共通理解を得られておらず、白川さんの「バブル期でもインフレ率は低かった」という反論は、戦後の我が国の物価上昇率を調べてみると、80年代後半がそれまでの数字の推移からは逸脱しているのが見て取れるだけに説得力を感じません。何より、報道が混乱している状況なのが困ったところ↓。

参考:東京新聞:週のはじめに考える 「日銀引き受け」論争の真実:社説・コラム(TOKYO Web)

この件などを受けて、ネット界隈では安倍さんを陥れる陰謀論という意見が姦しいと聞きますが、科学関連の報道などを見ていても、普通に報道の担い手の知識不足に思えたりして。加えて言えば、政策を議論すべき候補者たちも経済についての知見に不安を感じる人が多いのも悩ましいところ。

ちなみに自分はリフレ支持と書きましたが、説得力のある反論が得られれば反対派に鞍替えしますし、しかし現実は上記のように論になっていない反対しか聞こえて来ないわけで。例えば最近だと、リカーズ「通貨戦争」(朝日新聞出版)の内容を前提に論を組み立てる候補者などが出て来てくれたら、意見を傾聴する気にもなるのですが。。

自分の知識の無さを棚に上げて何だか偉そうな事を書いていますが、安倍さんの政策に対する反論は、それが実行に移された後に特に出口戦略を検討する上で大いに役に立つはずなので、もう少し実のある議論を拝聴したいところです。

いきなり長々と書いていますが、では最後に自民党政権になって経済は回復するのか?というと……途中で政策が頓挫する可能性が高い気がするんだよなぁ。。。

先に述べた戦後のインフレ率の推移を見て思い出す事ですが、60年代の高度成長期もインフレ率は高く、70年代初めの列島改造ブームに石油ショックが重なった時期は例外としても、その後も昭和50年代を通してインフレに苦しんだ庶民は少なくなかったはずで。それに終戦直後のインフレ経験者を含めると、インフレと聞くだけで嫌悪感を催す方々を批難できない気持ちがあります。そんな中、リフレで円安が進行した状況で燃料や穀物などの価格が値上がりした場合、「制御できないインフレだ」という煽りに政権が耐えられるかというと、、、難しそうな予感がします。

頭の痛い選択になりますが、実現の可能性が微妙とはいえ、知識的・経験的な裏付けが希薄に感じられる他政党の経済政策よりは、、、という感じですね。では、次。



・消費税

個人的には経済の下部テーマとしか思えないので簡単に。消費税を争点として大々的に掲げているだけで、その候補者の評価を下げてしまいたくなるのが正直なところです。

長期的に見て増税が避けられない事と、短期的には経済をいっそう悪化させ税収は増えないという悲しい結末しかもたらさない事は、共通理解と考えて良いかなと思います。では財務省は何を考えているんだ?となりますが、悲観的な将来を織り込んでいるんだろうなと。

とりあえず、経済を何とか立て直した上で考えるべきテーマだと思うので、現時点ではスルーするのが妥当かなと思います。



・TPP

これも前提として強い経済が優先事項だと思うので、あまり争点にはしたくないテーマかなと。

基本的に我が国は、超とは言わないまでも間違いなく大国ですし、その源はどう考えても経済力なので、そこが維持できていれば交渉などもより有利に展開できる事を自覚すべきかなと。そもそもの交渉力に不安を感じるのは理解できますが、かといって先延ばしを続けて良い状況でも無さそうですし。。

あるいは自虐的になりますが、経済がこのまま衰退して行くにしても当分の間は、我が国の経済規模は外から見て魅力的な獲物に見えるはずなので、その辺りを利用してTPPなり対EUなり対東アジアなりを複合的に扱う方向でしょうね。

なお、このテーマでも反対派の意見は解らない部分が多いのが正直なところ。反論の仕方が様式化しているとしか思えないのですが、耳を傾けるに値するような深みのある反論が聞きたいものです。



・原発

反対派が様式化の極みにあると言っても良い気がするテーマ。あの80年代と比較してすら退化しているとしか思えない反核集団の現状は、率直に言って福島の事故処理やその他の原発への対処についても悪影響にしかなっていない気がします。ただ現状を放置する事にしか貢献していないというか。。

現実的には、ニュースはあれども分析は自粛ムードの感がある4号機の事を考えても、抜本的な解決策などは望めないわけで。姑息的な対応を積み上げるしかない点で、そもそも議論になる方が不思議な気もします。脱原発までの年数を競うのは意味不明だし、無駄に国防などに話を繋げて原発を擁護するのも筋が違うし、まともな話が聞きたいとか思ってしまう今日この頃。。

ちなみに姑息的な対応ですが、報告書の内容を信じるのであれば、原発が稼働中か停止中かは第一の優先事項ではなく、911後の米国の対応に倣って緊急時に速やかに電源や冷却水その他を現場に投入できる体制を整える方が遙かに重要に思えます。後は、多くの人が唖然としたであろう使用済み核燃料のずさんな扱いですが、、、何を言っても変に騒ぎ立てて、結局は何ともならないんだろうなぁ。。。

現状さすがに推進派はいないとして、現状維持派にせよ反対派にせよ、原子力関連の専門家がこの先も多数必要な事では共通理解が得られるはずなので、彼らの環境改善や新たな人材の育成を政策で後押しする動きも出て来て欲しいところですが。。反対派で底の浅い方々などが「消える技術の専門家など要らん」とか言い出しそうで……というのは偏見かな。。高木さん亡き後、専門知識を持たない集団が専門家を蔑視して、運動のブームを作ることしか考えていなかったのが反対派の困ったところだと思うんだけどな。。。

とりあえず、この10年で家電業界が辿った道を参考に、技術者の軽視が人材流出に繋がる未来だけは避けて欲しいかなと控えめに希望する今日この頃です。。



・外交

昨今の近隣国との泥仕合から、勇ましい発言も聞かれるテーマですが、、、変に騒がず機会ごとに粛々と対応しつつ、多くの国を対象に我が国の主張をきちんと表明し続ける事かな。海外の報道をちらほら見るだけでも、圧倒的に主張が足りていない事は理解できるはずなので、そこを第一に考えて欲しいところ。でも、伝統的にダメですね。。。

後は、何を持って国益と考えるかですが。。例えば対中関係を考えた時に、石原さんが騒ぎ立てて政府が国有化した一連の流れが新しい全人代の常務委員メンバーの決定に大きく影響した事を、ご両者ともどこまで自覚的だったのか?とか考えてしまったり。対日姿勢を考えると、現状の面々よりは胡錦濤氏の院政の方がまだ国益に適う気もするのですが、この辺りの影響力をもっと自覚して欲しいなと思ったり。もちろん、自覚しすぎて汪兆銘政権を作るような動きに繋がるのも問題ですが。。この件については、外務省が消費税における財務省と同様の思考から意図的に国有化に持って行った感じも受けますが、まぁ、薄熙来氏の事件を見ても素人が考察するには荷の重いテーマですのでこの辺で。

とりあえず、政権が交代しても外交の基本軸は継続するという前提が、前回の苦い教訓として根付くならば良いのではないかと思います。



・社会保障

児童手当、高齢者医療制度、年金、最低賃金などがテーマですが、いずれも解は限られているので、黙々と撤退戦を指揮する意識で取り組んで頂ければと。



・憲法

憲法改正即戦争という反対派の論陣がどこまで共感を得るのか知りたい気もしますが。。一応9条について考えると、現実に存在する軍隊を憲法できちんと定義しておく方が無難なのは確かだと思います。曖昧なままなし崩しに戦争に至るケースと、定義によってそれ以上を制限されている状態と、どちらが良いかという話ではないのかな?と。

ただ、現時点で政権に一番近いと思われる自民党の改正案↓について言うと、文章が酷いというか、想定が甘いというか、これならば改正しない方が遙かにマシとしか思えないのが正直なところ。

参考:「憲法改正草案」を発表 | コラム | 自民党の活動 | 自由民主党

例えば明治憲法の制定に当たって、伊藤公は憲法案とともに憲法義解を出して議論の参考にさせたわけですが、それと比べると申し訳ないほどに内容が浅く文章が稚拙に思えてしまいます。。或いは現行の憲法でも、成立の経緯などから来る批判は同意する部分もありつつ、英文を読むと起草者たちの教養は感じられるわけですが、改正案は。。。

憲法改正という形式だけが欲しいのであれば話は別ですが、我が国の未来に関わってくる事ですし。。真面目に改正を考えるならば、国内最高クラスの憲法学者に海外の専門家も加えて、数年の年月を与えて専念させるべきではないかなと思います。ただ、その場合も制定を命じた政治家の意志が大きく問われるだけに、現在の代議士の面々では棚上げすべきテーマかなと。あまり先延ばしをしていられる状況でもないのですが、人材難とは本当に悩ましい問題ですね。。



・その他

道州制とか各種改革とか。維新よりは、みんなの党の主張の方が解りやすいとは思いますが、現状の優先順位は落ちるので野党として時折必要性を発言して貰う程度で。



■政党別あれこれ

できるだけ簡潔に済ませたい。。


・民主

「懲罰」という風情になるのは避けて欲しいところですが、仕方ないかな。。。前任の二者に比べると現実寄りの政策に戻し実質的にマニフェストを放棄した野田さんの方向性は妥当なものだったと思いますが、そもそも政権を支える人材に苦労している現状では、重要事項に取り組めないのが切ないところ。前例を無視した軽い行動も多かったし。。

惨敗はほぼ確実としても、一定の勢力を何とか維持して国政が極端に偏りすぎないよう重しとして存在していて欲しいところではあります。できれば、能力不足を自覚する人々が中心になって再生を目指して下さい。仮に衆参ダブル選挙だった場合、自民圧勝で歯止めが利かなかった可能性があるだけに、タイミングとしては良かったのではないかなと思ったり。



・公明

支持母体を貶す意図は全くない、という前提で、この党がキャスティング・ボートを握る展開はいい加減に止めてくれないかなと思ったり。政策にしろ国会での政争にしろ、無難かそれ以下というイメージしかないのですが、困った事に二大政党が迷走している場面では、その姿勢が役に立つという奇妙な展開。しかし、支持母体が強固なのは凄いですね。



・共産

20世紀の歴史を知る者として、自分が投票する事はないけれども、確かな野党としての共産党には期待しています。一定の勢力のままで居て欲しいなと。



・社民

既に役割を終えた政党としか言いようがないのですが、この党が担ってきた時代遅れの思想を、所属政党の看板だけは付け替えた議員達が維持している現状を思うと、解りやすく社民党の旗の下に集まってくれと言いたくもなります。

で、既に述べた理由から当面の憲法改正には反対なので、その点では期待しています。



・維新

維新八策などを見ても、それぞれの政策がどう繋がるのかが理解できず。。個々の議論はまだ理解可能ですが、全体としてどう把握しているのかが見えないです。これは橋下さんの傾向なのでしょうね。

大阪のダブル選挙では一騎打ちだった事もあり、相手の繰り出す誹謗中傷の酷さがそのままプラスに働いた面が少なくなかったと思いますが、今回は。。。本命が自民で、対抗の民主がどこまで生き残れるかという状況で、空論が目立つ維新に消去法で投票する人がどの程度出るのか興味深いところです。

石原さんについては、年齢を考えても、脈絡なく爆弾発言を繰り出す傾向も、色々と疑問が募りますが。。。ただ、都知事辞任の際に「若い連中は何をやっているんだ」云々という発言は重いなぁと思います。善し悪しがはっきり出るだけに、出来るだけ良い面が出てくれますように、と願う感じで。



・みんな

政策的には妥当なものが多く、特に経済関連はそのまま採用して貰っても良いのになぁと思いながらも、機会に恵まれなかった印象。で、賞味期限は終わってしまったかな、と。いかに魅力的な政策を提示しても、それを実現に近付ける動きがない事には難しいだろう、と。

政策についても、大きなテーマになるほど渡辺さんの理想家的な傾向が露骨に出て来る印象で、現状では政権を担うには至らないかな、と思います。できれば復党して頂いて、今や自民党からもほぼ消え去った感のある党人の傾向を身に付けて貰えたら、父親越えも見えてくるのではないかなと。期待は残しています。



・未来

見事なまでに民主党のばら巻きマニフェストを踏襲しているのがいっそ清々しいし、こうした政党が一定の支持を集めるのも悪い事では無いとは思います。院内の弱小会派として、時折存在を思い出される程度の勢力で居て下さい。



・自民

春や昔の春ならぬ、とか呟きたくなりますが、現状で一番マシと思える自民も、三年前に比べて劣化しているという現状は切ない限り。ただ、いかに採点が低くとも、他を上回っているならそこを選ばざるを得ないのがまた辛いところ。。。

何だかんだで、麻生政権はあの当時に望みうるものとしては最良のものだったのではないかと思うのですが、問題は経済対策でした。で、中川さんが急所だと認識して酩酊させた野党の戦略は正しかったと思いますが、国にとっては不幸な事だったなと。この結果、経済系閣僚を兼任する事になった与謝野さんが、その後の民主党政権下で消費増税を見届ける流れになったのも皮肉な事でした。と、過去を振り返るのはこれくらいにして。

現実味という点では難しいですが、みんなの党のところでも書きましたが、できれば離党した渡辺さんに舛添さんも呼び戻して、それから副総理格で麻生さんに外務大臣辺りを引き受けて貰って、とにかく重々しい面々で政権を発足させて欲しいなと思います。石破さんをどうするかは悩ましいところ。

そういえば、総裁選で安倍さんが勝ったのは、経済政策の面からは良かったなと。理解の深さという点では微妙ですし、前回の失敗に懲りず天下国家の大問題に安易に取り組みそうになる危うい傾向など不安材料は多々ありますが。そして自民党政権に戻ったところで問題が山積みの現状は変わりませんが。できるだけ無難に勤め上げて欲しいと思っております。



・その他の政党

さすがに把握できていません。。。



■まとめ

色々と偉そうな事を書きましたが、全般的に自分の知識が圧倒的に不足しているのは承知の上で、しかし現時点で考え理解している事をできる限りそのまま書くように心掛けました。

自分などが言うのも何ですが、知識と経験を感じ取れる話ができるような議員さんが増えてくれる事を願いつつ。どの業界も人材不足で困った事だなと思いますが、成長の切っ掛けには事欠かないという解釈もできますので、地味に頑張って欲しいものです。

そんな感じで、長々と書いた割には大した掘り下げも出来ていませんが、今日はこんなところで。

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海遊館へ

二ヶ月ほど何も書いていなかったので、先日行ってきた海遊館の話でも書き記しておきます。

この春に京都にも水族館がオープンしましたが、今年は宵々々山・宵々山・宵山が土日祝日という日程で、三日間でミリオンを目指して盛り上がる祇園フェスティバル真っ只中の来館は避けようと思い大阪へ。久しく訪れていなかった海遊館に涼みに行く事にしました。ちなみに京都新聞によると、今年の祇園さんは25万(↑10万)+29万(↑1万)+40万(↓5万)+山鉾巡行16万(↓4万)だったそうで。閏年でなければ、金土日祝日という暦になったのにね、というお話。


さて、前回が10年前だったので、あまり記憶に残っていない新鮮な気持ちで現地へ。十数カ国語でお出迎えの言葉が書かれた看板を横目に、館内入り口へと向かいます。入館当初はスタッフが多いなぁ…という印象でしたが、それ以上にお客さんが多くて繁盛している様子でした。親子連れが多く見られ、外国の方も割に多く、特にアジア系の方々が増えているように思いました。


館内には音声ガイドのサービスがありますが、今年は来月末まで限定で(訂正:期間限定ではない模様です。)、Nintendo DSを利用したガイドも提供中との事。レンタルは音声ガイドと同じ500円ですが、本体を持ち込めば無料でダウンロード可能で、子どもの来館が多い事を考えると面白い試みだなと。音声トータル15分は普通の音声ガイドの半分で、しかしガイドを聞ける箇所は多めだったので、子どもたちが飽きないサービスを試行錯誤しているのだろうなと思いました。

個人的な希望としては、興味を惹かれた魚の写真を撮ると画像分析によって名前を教えてくれるアプリが欲しいところで、エラーが多めでも提供して欲しいなと思ったり。誤認識でも、「絶対にこれは違う!」とか言いながらも楽しめると思うのですが、どんなものでしょうか。

また、どの程度の間隔で書き直しているのかは判りませんが、各所に貼られている解説文も適宜リニューアルされている様子でした。例えばクラゲのゾーンでは、蛍光タンパク質の研究で2008年にノーベル化学賞を受賞された下村博士の話などもあり、当たり前と言えばその通りかもしれませんが、この手の地味な作業は好感が持てますね。


結局3時間弱を館内で過ごし、行きは地下鉄だったので帰りはバスに揺られながら、久しぶりに大阪の町並みを眺めつつ大阪駅まで帰りました。昭和40年代後半から整備が進み、海遊館がオープンした平成初め頃が一番良い時期で、今は老朽化がちらほら見られるという印象は他の地域とも共通する事だと思いますが、大々的に再開発が行われている大阪駅周辺を少し離れると昔ながらの町並みが現れるのは、これはこれで何となくほっとするような気持ちになりますね。


以上、そんな感じで今日はこれにて。

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5月15日

5月15日というと即座に思い付くのはそのまま5.15事件ですが、今年は沖縄の本土復帰40年かつ基地問題などで話題が豊富な事もあってか、予想以上に報道が盛り上がっていた気がします。ちなみに犬養首相の暗殺からはちょうど80年。ついでにJリーグの開幕も1993年のこの日でした。

1972年の沖縄返還は世界史の年表に載っても不思議ではないほど重要な出来事ですが、とはいえ正直なところ各社の社説にしろテレビの特集にしろ、実感に乏しい報道が多い気がしました。これはサンフランシスコ平和条約の発効から60周年を迎えた今年4月28日にも思った事ですが、以下それらについて雑然と書き残しておきます。


自分にしても当時の空気を肌で知っているわけではないのですが、しかしそれだからこそ、現実感が濃厚な生の歴史を報道で伝えて欲しいと思っています。「昭和47年、沖縄返還」といった知識としての理解だけでなく、体験という形での理解をも期待するわけです。が、実際の執筆者さんの理解がどうであれ、少なくとも社説として出された文章を読む限りでは、前者に偏ったものがほとんどだなという印象を受けました。

実はこれは今回に限った話ではなく、我が国が完全に先進国の一員になった1970年辺りで断絶があり、それ以前の歴史を感覚として受け継げていないと感じる事がありました。30~40代の野心あふれる研究員でも、知識としての歴史を本当によく勉強されている反面、どうも現場感覚が希薄で頼りなく感じる方々が、その専門を問わず増えている印象です。そしてこれは時間軸に沿った話ですが、一方で同時代的には専門性という点でも断絶があり、つまりはある事件についての一般的・表面的な理解と、専門的・実際的な理解との乖離は、年を追うごとに酷くなっている気がします。しかし、こうした傾向は今後強まりこそすれ、改善される可能性は残念ながら少ないのでしょう。。


若泉敬さんについては、ここ数年でNHKを始め何度かテレビで取り上げられて知名度が増した感じを受けます。返還交渉の際に当時の佐藤首相の特使として、秘密裏にキッシンジャー大統領補佐官(当時)と交渉を重ねたとされていて、その過程を詳細に記録した「他策ナカリシヲ信ゼムト欲ス」(文藝春秋)という著書があります。本書を1994年の5月15日に上梓し、同年の6月23日:沖縄戦が終了したとされている日に自死を思うが果たせず、2年後に本書英語版の草稿を完成させた直後に、服毒自殺を遂げました。

自分が本書を知ったのはとある縁からで、短いながらも当時の経験を話して貰いつつお薦め頂きました。今日、手元にある旧版をぱらぱらと流し読みしていたのですが、例えば第11章冒頭の「最後には天皇陛下だ」という項などは、昨今の政治状況を思うと隔世の感があります。ここでの著者の疑念:一国の宰相としての決断から逃避し天皇の権威に縋る事になるのではないか?という考察は、政府が責任を回避し続ける現在からすれば何とも贅沢な話です。詳しくは直接読んで頂くとして、「陛下がおられるかぎり、大丈夫だ」という佐藤さんの発言は確かに正しく、我々はそれを昨年の3月16日に身をもって知る事になりました。。


どうも暗い話になりがちなのと、ネット世界の片隅で影響力のない人間が書く事とはいえ扱いが微妙な話題が多いだけに、なかなか書くのが難しいですね。という事で、中途半端ですが書いた分だけ公開しておきます。
以上、今日はこれにて。

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