日本シリーズ雑感。

今年のプロ野球日本シリーズが終わりました。9年ぶりの出場で29年ぶりの日本一を目指した阪神タイガースですが、ソフトバンク・ホークスに敗れ、その大きな夢は持ち越しとなりました。今回の結果は残念でしたが、日本シリーズで贔屓のチームを応援できる楽しさを満喫できたので、以下に雑感を書き残しておきます。
なお、敵地でのシリーズ連敗ストップというささやかな夢も果たせぬまま終わり、所沢での胴上げを最後に勝ち星から見放されたままなのが地味に辛いですね。。


さて、総評としては、勢いでクライマックス・シリーズを勝ち抜いて出場した阪神が、このシリーズでは勢いに乗れず後手後手に回ってしまった事が全てだったと思います。それは細かなミスが積み重なった結果とも考えられますし、そもそも短期決戦なのだから、細かなミスを徹底的に排除して緻密な野球を目指すのが王道だとは思います。が、ここ最近の阪神はそのようなタイプのチームではないので、今更そこを責めても仕方がありません。獲得選手にしろ采配にしろ、理論より感情、セオリーより感覚という傾向である意味一貫していたわけで、「今岡タイプばっかりや」と野村元監督がぼやきそうな状況ですが(笑)、もし彼が監督であればシリーズ出場は難しかったでしょう。

相手の秋山監督は難しい場面でも采配がスムーズで、その辺りは経験の差が出たと言っても良いかもしれません。とはいえ和田監督には局面における最適解を求めていたのではなく、そうした手腕に劣る事を承知で、逆境に陥っても選手を乗せて行って欲しいというモチベータ的な役割を期待していたわけです。つまり残念だったのは、監督が選手を見るより状況への対応ばかりを考えていたように思えた事でした。決断を丸投げして選手を過度に緊張させるのでもなく、細かな指示を与えすぎて選手を混乱させるのでもなく、状況に限定された中で選手の自主性を尊重するような姿勢が采配からもっと窺えたら良かったのにな、という辺りが今の率直な感想です。

ホークスは投打とも怖い選手が揃い采配もブレがなく、日本一に相応しいチームだったのは確かです。しかし、そんな素晴らしい相手に対して自分たちの力を出し切れなかった事が、ファンとしては敗れた事以上に残念だったのでした。


以下、各試合において印象に残った事を簡単に。


■第一戦:自らグダグダな試合に

5回裏の阪神の攻撃と6回表のホークスの攻撃。いずれも次にピッチャーに打順が回る状況で、投球に不安定な部分が出て来た中で、両チームとも続投という選択をしました。11年前のまだダイエーだった頃のホークスを相手の第三戦、ピッチャーの和田に代打を送った王監督の采配を思い出したのですが、指名打者のないセ・リーグ本拠地の試合で結果を大きく左右しかねないのが投手の交代という問題です。

さて、ここで5点取った阪神と1点に終わったホークスで明暗が分かれましたが、不思議な事に先発のメッセンジャーはその裏も打席に立ち、次の回もそのまま続投。更に1点を失ったものの何とか抑えて7回2失点でマウンドを降りました。数字としては及第点ですが、この2イニングでの間延びした雰囲気を考えると、4点差での快勝と表現するには微妙な印象が残りました。6回途中か遅くとも7回頭からはリリーフを出してキッチリ試合を締めておいた方が良かった気がします。


■第二戦:鳥谷の走塁死

6回に1点差に詰め寄った後の7回。先頭で出塁した鳥谷が二塁で走塁死した場面。この直前に捕手がボールをこぼす場面があり、そして再びボールを落としたのを見て二塁を狙った、という流れでした。結果から見れば判断ミスですが、同じ場面に立ち返った時に、走るという彼の決断が間違いだったと言えるかというと…難しいですね。

この試合自体は「相手のピッチャーが良ければどうしようもない」という結論に落ち着くと思うので、このプレイが勝敗を左右したとまでは言い切れません。だからこれは試合の勝敗を離れた個人的な興味という話になるのですが、一度目の捕手のミスを見て生じた「走れば良かったか?」という迷いが二度目のパスボールを「またとない好機」と過大評価してしまう原因になった事は、過酷な勝負の世界に生きるスポーツ選手だけでなく我々にとっても他人事ではないよなぁ…などと思ったのでした。


■第三戦:西岡のフィルダースチョイス

2点を先行される苦しい展開で迎えた6回。2アウト満塁のピンチで打ち取った打球をサードの西岡がセカンドへ送球。投げる時点でランナーを目にしていれば間に合わないと判断できたはずで、これは大きなミスでした。状況的にもシリーズの流れを左右しかねないプレイでしたが、彼の肘や肩の状態を承知の上で攻撃面を期待して起用したのだし、起きてしまった事は仕方がない。それよりも、これが心理的に尾を引かない事が最重要だったのですが。。。


■第四戦:鳥谷のヒットで勝ち越せず

完全に打線の勢いが止まっている中で、先行されながらも何とか追いついて迎えた延長10回。ヒットで出た西岡を2塁に進めて、鳥谷の当たりはライナーでセンターへ。塁間を2/3ほど走って西岡は一旦止まり、ボールが地面に着いたのを見て3塁へ。3塁コーチの動きがテレビからは判らなかったので断言はしにくいですが、ランナーもコーチも相手選手の守備位置と打球の動きをもっと早く確認すべきだったのではないかと思いました。そして、確認の為とはいえ西岡が中途半端な位置で止まってしまった事は、前日の失敗を払拭できていないと露呈したようにも思えました。

もし仮に相手のファインプレイがあれば最悪のダブルプレイで、アウト2つを遙かに上回る悪いイメージを植え付けられかねない場面だったので、1-3塁とチャンスが続いた事は不幸中の幸いと考えるべきかもしれません。しかし、次のゴメスが併殺打に倒れた結果を抜きにしても、このシリーズで一番好調だった鳥谷のヒットで勝ち越せていたなら、単なる1勝以上の気持ちのゆとりがチームに生まれていたように思います。シリーズを振り返っても、日本一になる最後のチャンスがあの場面だったな、と思えてしまうプレイでした。


■第五戦:最後まで後手に回る

0-0の緊迫した試合展開で、明らかに安定感を失った先発メッセンジャーを引っ張った末の8回。遂に先制を許した後で守護神の呉をマウンドへ。前日も安藤を引っ張ってピンチを迎えた場面での登場、結果は最悪のサヨナラ本塁打でした。絶対的な守護神であれば第四戦のあの展開・あの場面でこそ抑えて欲しいとは思いますが、二試合続けて継投が後手に回ったのは明らかに采配の問題だと思います。抑えのサファテの調子が悪かったので最後にチャンスを作れましたが、残念ながら勝てる流れとは思えませんでした。


■まとめ

最初に書いたように、勢いのチームが流れを自ら壊してしまった事が敗因と言って良いでしょう。それでも多くの試合で終盤まで緊迫した展開になったのは選手達の自力の賜ですが、それだけでは日本一になるのは難しいと判明したシリーズでもあったと思います。そしてそれは、リーグ優勝に手が届かなかった原因でもあると思います。

次にこの舞台に帰ってくるのが何年後になるのか分かりませんが、できるだけ早く、そして次はリーグ優勝も果たした上で日本一を目指して欲しいものだなと、そんな〆で今日はこれにて。

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阪神・金本選手の引退

阪神ファンにBKOと言ってもバース・掛布・岡田を連想して貰える事が少なくなって来た昨今ですが、時間の流れは残酷なもので。金本選手がついに引退を表明したというニュースを受けて、以下に雑感を書き残しておきます。

ちなみに、珍しく優勝争いに絡んでいた平成4年に某スポーツ新聞が、前半の躍進を支えたパチョレック・亀山・オマリーをまとめてPKOと呼ぼうとしたものの失敗に終わった事を知っているのは、今はもちろん当時でも少数だったでありましょう(笑)。と、それはさておき。


広島から移籍した初年、18年ぶりの優勝を成し遂げた2003年は3番として、そして2005年には4番として優勝に大きく貢献した金本選手の姿を覚えている阪神ファンは、今でも少なくないでしょう。昨今では過去の功績も考慮せず必要以上に選手を貶める言説がちらほらありましたが、先日のジーコ元サッカー日本代表監督なども含め、妥当な批評という域を超えて感情的・高圧的に個人そのものすら否定するほどの暴言まで聞こえてくるのは残念な事でありました。

本日時点での通算成績は、安打が歴代7位、本塁打が歴代10位、打点が歴代8位、得点が歴代5位、四球が歴代3位、出場試合が歴代9位、打席・打数がともに歴代5位という素晴らしいもので、これだけの選手であれば、引退については本人の意志に任せるべきではないかと思います。晩節を汚す等々、ファン個々人の価値観は様々だと思いますが、最終的な決断を選手本人が下した以上は外野がとやかく言える事は何もないでしょう。現役最後の数年間についても選手の責任は確かにありますが、それ以上に起用側の責任を問う声が普通に増えて欲しいものです。


現在の球団の低迷は残念な事ですが、金本選手に10年間にわたって主軸として活躍して貰う間に4番の後継者を確立できなかった事が、原因の象徴のように思えます。かつて野村監督が阪神に来た時、オーナーに向かって「阪神が自前で育てた選手が、掛布以外にいましたか?」と問い掛けたそうですが、一からの育成は相当な難事とはいえ代替策もあるわけで。結局、4番打者を消去法で選ぶしかない現状が、重い現実として現れているように感じられます。

かつて、赤星や井川や矢野など、もともと持っていた才能に実戦経験を加えて選手の実力を開花させた野村監督、金本や下柳の獲得など手薄な部分を補強で補い既存の戦力と上手くかみ合わせた星野監督、金本・今岡を4番と5番に据え藤川を中継ぎに移してJFKを構築するなど選手の別の活かし方を提示して見せた岡田監督など、やり方は三者三様でも、いずれも問題を解決して結果を出してくれた監督たちがいました。

現時点では寂しいニュースという印象の引退報道ですし、上層部や選手達がすぐに入れ替わるわけでもないだけに変化が感じられるまでには時間が掛かると思いますが、名選手の引退を一つの切っ掛けにして、何か新しい動きが出て来てくれたら良いなと、そんな感じのまとめにしておきます。


以上、今日はこれにて。

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大関魁皇の引退

昭和63年春場所が初土俵の同期:若貴や曙の引退が遠い昔のように思えるだけに仕方がないとはいえ、しかしやっぱり、魁皇引退のニュースは寂しい気持ちで聞きました。


印象に残る一番はと言うと、彼が最も横綱に近付いた平成16年九州場所の朝青龍戦がまず浮かびましたが、幾つか見た中で感慨深かったのは、この動画でした。

‪貴乃花 対 魁皇 〜同期の桜〜‬‏ - YouTube


貴乃花の早熟の天才ぶりも凄いものがありますが、当初は右が怖いだけという印象の魁皇関が年月の経過と共に少しずつその幅を広げ、遥か先の域にあった同期の大横綱に近付いていく過程が感じられて、目頭が熱くなる思いがします。


関取在位117場所、幕内在位107場所、通算1047勝、幕内通算879勝はいずれも歴代一位。そして幕内優勝5回は、最高位が大関の力士では最多。大関在位65場所、大関角番13回、関脇連続13場所も歴代最多で、これらは地力の高さを示すと共に勝負どころでの弱さを示すものかもしれませんが、記憶に残る力士だったなと思います。


書き出せば色々と出て来るとは思いますが、上手くまとめられそうにないので、今日はこんな感じで。魁皇関、長い間お疲れさまでした。


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去年の阪神

何だか個人的に気持ちが盛り上がらないので強引に書いてみるシリーズその1。という事で、昨年のまとめを書いていなかったので、去年の阪神タイガースの印象を今頃だらだらと書いてみます。以下、選手や監督は敬称略で。


■助っ人の大活躍と打>投の傾向

去年のシーズンを一言でまとめるとしたら、結局はここに行き着くのではないかと思います。年間安打記録を更新したマートン、阪神の選手としては2005年の金本以来となる本塁打40本越えを記録したブラゼルに加えて、城島も助っ人みたいなものでしたがシーズン途中に矢野が引退を表明するほどの活躍で(これはこれで相当に寂しい上に、結果として前年の赤星に続き引退試合を用意できなかった球団には文句を言いたいところですが)、スタンリッジも及第点。

ここまで助っ人が活躍するシーズンというのはなかなか記憶になくて、例えば昭和60年にバースは凄まじい成績を残しましたがゲイルはさほどでもなく(とはいえ、今のところ唯一の日本シリーズ胴上げ投手なので無下には扱えませんが)。平成4年のパチョレック&オマリーも、助っ人の名に恥じない活躍でしたがここまでの数字ではなく。2003年はアリアス&ムーア&ウィリアムス、2005年はシーツ&ウィリアムスに意外性のスペンサーと、さすがに優勝した年にはいい選手がいたなぁと思いますが、昨年の助っ人たちの成績はそれを上回るものだっただけに、優勝を逃してしまったのが何とも惜しいところです。

彼らの打撃に後押しされて、最終的には球団最高のチーム打率、チーム安打のセ・リーグ記録更新、3割打者が5人などなど派手に打ちまくった昨年の阪神。お陰様で、打率だけでなく本塁打数も防御率も絶賛急上昇でありました。そう、後者がねぇ・・・って事で、敗因についてもしぶしぶ書いておきます。。。


■投手起用について

肝心な場面で藤川が打たれてしまったシーンがいくつか印象に残っていますが、とはいえ彼の責任なのかというと難しいところで。プロである以上は結果を出してナンボ、という意味では責任がないとは言えませんが、それでもなぁ…と同情の余地があったことは確かです。

この辺りは言葉で説明しにくい部分がありますが、やはり監督以下の責任を考えてしまうわけで。つまり、「藤川に任せて、それでダメだったら仕方がない」という状況が見えた時に、そこで思考停止になっていた感がありました。そうではなくて、最終的には藤川に任せるにせよ、彼の負担を少しでも減らすような状況に持って行けないかと考える余地はあるだろうと。こうした点について、経験の少なさを言い訳にできる期間はもう終わったと思いますし、接戦においては致命的な差になりかねない部分ですので、今季は改善した姿を見せて欲しいものです。特に、ここ数シーズンの阪神の課題は短期決戦ですので、今年こそは良い結果を期待しております。


何となく一つだけ具体的な事を書くと、中日の落合監督との差が現れたのは、クライマックスシリーズ(CS)での投手起用、特に第二戦の扱いではないかと思います。昨今は日本シリーズでも第二戦の重要性が昔ほどは言われなくなりましたが、やはり短期シリーズの仕組みから考えても、第二戦を確実に取る事は単なる一勝以上の価値があると、個人的には考えております(微妙に例外なのは、同じ球場で最大6連戦の可能性があるCSセカンドステージですが、とはいえ前後の試合に比べて重要性が劣る事にはならないだろうと)。ましてや、CSのファーストステージは最大でも三試合という短期決戦ですので、第二戦に最も信頼できる投手を起用すべきだったと思ったのです。

昨年のCSで、真弓監督は巨人戦7連勝中の能見を第一戦に起用しました。一方、落合監督は巨人戦5勝の吉見を第二戦に起用しました。この辺りは違う意見の方も当然おられると思いますし結果論といえばそうかもしれませんが、苦手な投手が第一戦でいきなり出て来るのと、第二戦に控えているのと。相手が嫌がり味方が心強く思うのは、どちらかというと後者ではないかなと。もちろん、絶対的なエースが存在する場合は話が別で、「逃げた」という印象を敵味方に与えるというマイナス面が大きい為に初戦で起用すべきと思いますが、去年の場合はそこまでではなかっただけに…と思うのでありました。


勝負は水物である以上、いくら緻密に最善の策を積み上げても負ける時は負けます。今の12球団の監督の中で、オーソドックスな意味での勝負勘が頭抜けているのは落合監督、勝負に意外性の視点を持ち込める点で秀でているのは岡田監督だろうと勝手に思っているのですが、とはいえ彼らが指揮を執ったとして、原監督の下で優勝した前回のWBCで同じ成績を残せるとは思いにくいわけで。

そうした傾向があるだけに評価が難しいところではありますが、単純に結果が出るなら手段は問わず、逆に結果が出ないのであれば少しでも結果に繋がりやすい改善をして欲しいものだなと。偉そうな事を書いてみたのでありました。


■おしまい

という事で、なかなか試合は観られませんが、阪神が優勝する年は景気が良くなるという過去の傾向からも、今年は何とか優勝して欲しいなと思う今日この頃であります。


以上、ひとまずこれにて。


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阪神・赤星選手の引退

昨夜の12時少し前、フジテレビ系「すぽると」を見るように言われてテレビをつけて、阪神タイガース赤星選手の引退を知りました。実は夕方からニュースでばんばんやっていたとの事ですが、昨日はそれから、ぼんやりと寂しい気分を引きずりつつ過ごしておりました。

こうして書き始めてもなお、何を書けばいいのか分からない部分が残りますが、ともかく思いつくままに書き残しておきます。



■成績についての整理

新人から5年連続盗塁王、そして3年連続60盗塁は他に元阪急の福本選手しかなしえていない数字。通算381盗塁は史上9位タイの記録。吉田義男さんの盗塁数を抜いた時のニュースが記憶に残っています。

通算打率.2947は、4000打数以上の選手としては、33歳での引退と聞いて連想した掛布さんの.2919を上回り、藤村富美男さんの.2999には及ばないものの堂々たる数字です。ちなみに2000打数以上だと、通算で.3365というカーネル人形似のおじさんが阪神の選手としてはトップ(その上には、海を渡った天才打者が.3531で控えるのみ)。また、田淵さんは打率はさほどでもないです(ただし、本塁打率=本塁打数/打数は、王さんとカブレラ選手に次ぐ歴代3位)。



■プレイのイメージ

赤星選手といえばやはり走塁ですが、持ち前の俊足をいかに活かすかという技術面での追求が、あの盗塁の数字に繋がったのでしょう。また、数字に残らない部分として、状況に応じて一つでも次の塁を目指そうとする姿勢が素晴らしく、それは盗塁を試みる際の相手バッテリーとの駆け引きの場面でも顕著に確認できました。

打者としては、通算で本塁打が3本という腕力の無さはたびたび指摘されましたが、コンスタントに三割を維持して、かつ大事な場面では四死球を選んで塁に出る事も多く、00年代の阪神の攻撃には「塁に出た赤星選手を帰す」という強固な型がありました。

外野手としては、守備範囲が非常に広い上にエラーが少なく、果敢なダイビングと的確な送球で、広い甲子園で投げる投手達を背中から支えました。

肉体的には他のプロ野球選手と比べて恵まれているとはいえない体でしたが、それを常に頭で補い、自分の長所を充分に理解して、自分がやれる範囲で最高のプレイを追及する真面目な姿勢が印象的でした。しかし、選手としての責任感の強さは度重なる怪我に繋がり、太く短い9年間の選手生活でした。



■以下、思いつくままに

2000年のシーズン終了後に大リーグに移籍する事になった新庄選手の穴を「自分が埋める」と宣言した入団会見。新人として迎えた2001年は、キャンプ時こそ野村監督命名「F1セブン」の一人としての扱いだったものの、特にシーズン後半は上坂・赤星・濱中の1~3番が固定されて将来が期待できる布陣でした。同じ時期には井川投手がローテーションの一角として起用され、負けが先行したものの防御率2点台の数字を残し、攻守ともに上向きの兆候が見られた年でした。

翌年は星野監督の就任により1番を任されたものの怪我に苦しみ、当初は2番だった今岡選手が好調を維持したので、復帰後は入れ替わりに2番として起用されました。今岡・赤星・濱中の並びは、個人的に非常に期待を持って応援していた記憶があります。また、前述の井川投手は開幕投手を務め、この年は白星先行で防御率も2点台前半に抑えたものの、復活した桑田投手に阻まれタイトル獲得はなりませんでした。



■そして2003年

前年のオフに獲得した金本選手を3番に据え、4番に濱中選手を置いた(怪我の後は檜山選手らを対戦相手に応じて起用した)ものの、1,2番の並びは変更なく迎えたシーズン。考えてみると、この18年ぶりの優勝を飾った年に、赤星選手の選手生活の多くが凝縮されていた、のかもしれません。

この年の開幕前、外野のレギュラー争いは金本・檜山・濱中に次ぐ4番手だと盛んに言われました。特に打者としての能力を問題にする論調が主流でしたが、オープン戦では弱点と指摘された長打力をアピールするなどして結果を残し、レギュラーを勝ち取りました。

少し話が逸れますが、実は赤星選手のレギュラーは確定していて、しかし更なる発奮を促すために厳しい事を言っていたと、後に星野さんは語っています。この辺りが、自分があまり星野さんを好きになれない部分なのですが、選手の頑張りを監督の手柄に移し変えるかのような態度と。それから選手にハッパをかけるというやり方は手法としてはアリとしても、マスコミを通す必要はあるのか?という点に疑問を感じますし、その点に限って言えば野村さんとよく似ているなぁと思います。亡くなられた島野さんが上手くフォローをしていたから結果として成り立っていた、という切ない事実は、後に北京での惨敗で実証される事になります。。

話を戻して、この年に加入した金本選手の影響は大きく、赤星選手が塁に出た時には打者として不利なカウントになるリスクを冒してでも盗塁を手助けして、結果として60の大台を超える盗塁数を記録しました。守備でも一年間エラーなしという数字を残しています。


開幕から独走状態を維持したまま、マジック2で迎えた9月15日。この年から施行された休日法改正によって敬老の日が9月第3月曜日に移りましたが、2003年はちょうど15日が第3月曜日で祝日となり、デーゲームが行われました。9回サヨナラの場面で登場した赤星選手は、開幕前に非力を問題視された故なのか否か、巡り合わせとは不思議なものですが、見事に外野の頭を越してランナーを帰し、この試合を勝利に導きます。そして約2時間後、他球場の結果により、このサヨナラヒットは結果的に18年ぶりの優勝を決めた一打になりました。


この年の日本シリーズの第一戦。果敢なダイビングキャッチを試みて負傷した赤星選手は以後の試合で精彩を欠き、チームも、当時評論家だった落合さんが事前に予想したとおり、互いの本拠地で譲らなかった結果、涙を呑みました。

結局この年は、選手としての飛躍、プレイスタイルの確立、そして、後の引退に繋がる怪我の予感を感じさせるプレイ、それら全てが見受けられたシーズンでした。。。



■まとめ

2004年以降は、新しく就任した岡田監督が金本・今岡の4,5番構想を持っていたために主として1番を任され、全イニング出場などチームに大きく貢献しましたが、常に潜在的に確率として存在する怪我との戦いの日々でもありました。しかし、それを怖れることなく、常に全力でのプレイを見せ続けてくれました。

引退の判断はもちろん余人がどうこう言える事ではなく、ご本人の決断を支持します。が、チームにとって大きな痛手である事はもちろん、あのプレイがもう見られないのは本当に寂しい事です。


考えてみると、ラッキーゾーンが撤廃されて以降、広い甲子園で堅実な守備と走塁を重視した野球が求められていたにもかかわらず、それを体現できるような選手がなかなか出て来ない時期が長く続きました。

赤星選手の価値は打率や出塁率や盗塁などの数字面でも窺い知る事はできますが、何よりも。本拠地である甲子園が長年求めていた選手像そのものである事が一番大きかったのではないかと、ここまで書いて思い至ったので、ここで締めとさせて頂きます。

阪神タイガースの歴史において一時代を築いた中心選手にして、お金を払って見に行く価値のある「プロの技」を持った名選手の引退に、心から一言、「お疲れ様でした」という言葉を最後に呟いて、今日はこれにて。


以上、読んで頂いてありがとうございました。


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WBC決勝展望

眠たいけど書きたいので乱筆失礼、と前置きして。明日のWBC決勝の展望などを簡単に。


準決勝のアメリカ戦は結果を知った上で7回途中辺りから観たのですが、う~ん・・・。アメリカの守備は何なのでしょうか?エラーとして表に出た部分だけではなく、日本だったら大目玉を喰らいそうな緩いプレイが幾つかありました。

ハイライト(つまり点に繋がったシーンが多い)の印象が強かったので余計にそう思ったのかもしれませんが、短期決戦で重要なのは守備=投手力と守備力なのに、後者をまるで軽視していた印象を受けました。というか、守備面で「大リーグの凄さ」を感じる場面があまり無かった、と言った方がより正確かもしれません。


最近サッカーでも野球でも主張している事ですが、守備については緻密、攻撃については余裕を重視すべきではないかと思っています。で、日本代表の場合は、攻撃でも緻密を重視し過ぎている気がする...などと偉そうな事を書いていたわけです。

ところがアメリカの場合は守備も攻撃も「ガンガンいこうぜ」みたいな感じで。大リーグは殆ど観ないので守備の技術があるのかは分かりませんが、代表クラスであれば(技術で日本選手より劣っても)身体能力でカバーして緻密な守備を行えるだけのポテンシャルはあると思うのに、どうしてそれを怠ったのかな?と。逆に言えば相手にはのびしろがまだあるという事ですが、ちょっと拍子抜けでした。今の状態だと、3回に2回は充分に勝てる相手という印象でした。


で、決勝の相手は日本と同じくらい守備の重要性を理解している韓国ですが。。。ま、嫌な相手ですね・・・(苦笑)。とにかく、決勝の名に相応しいレベルの攻防が繰り広げられると思います。大雑把に戦力比較をすると。。

投手力・守備力という点では少しだけ日本の方が上回っている印象です。日本の方がより緻密という感じで、ただ、相手も相当のレベルです。

攻撃面では、長打力で少し劣るのと、機動力などの活かし方で違いがあるように思います。これも日本の方がより緻密という印象です。

この辺りはベンチの影響も大きいわけですが、采配の幅という点で完敗だった北京五輪に比べるとまだマシかなぁ、と。原/星野比較になりますが、どちらもオーソドックス型で、星野さんは当たれば効果抜群(外れたらチーム崩壊の危機ですが)のカンフル剤を使えるものの、ここ一番の采配が弱気。原さんはカンフル剤は使えないものの、我慢強い采配ができる(我慢が強すぎる場面もちらほらありますが)。ペナントではほぼ互角ですが、短期決戦だと決断という点で原監督の方が期待できる気はします。

で、韓国の監督はというと、試合を観ていないのに語るのもなんですが、4度の日韓戦のスコアボードを見る限りでは、北京五輪の監督よりは戦術の幅・勝負勘の点で現監督の方が劣る印象を受けるのです。なので監督についてはほぼ互角~やや劣勢という感じかと。

最後にメンタル面ですが、日本を相手にした時の韓国選手の気合の入り方には凄まじいものがありますが、これまでの対戦の蓄積が与える影響と決勝という舞台を考えると、ほぼ互角と言って良い状態だと思います。というか、そうでないと話になりませんし、プロ失格だと思います。


結局、勝負を分けるのは、両チームの攻撃面での違いなのかもしれません。終盤を迎えた段階で日本がリードする展開だと、オーソドックスな采配と攻守両面での緻密さでそのまま押し通せる可能性が高くなります。ただ、韓国の攻撃は緻密さに劣る分だけ意外性と爆発力があり、そこは要注意かと。

逆に終盤を迎えて韓国がリードしている場合、オーソドックスで緻密な攻撃では劣勢を挽回しにくいかもしれません。こうなると個の力が重要なわけで、攻撃において試合の流れを理解した上での奇手が期待できる川崎選手辺りがポイントになりそうな気がします。阪神ファンとしては、競った展開での彼の存在の大きさは2003年のシリーズで存分に味わっただけに、今度は味方として期待したいところです。


何だかんだと長くなりましたが、今日のアメリカ戦を含め、これまでの試合で課題も見え、かつ流れとしても相当に良いものが出来ていると思います。正攻法で充分に勝機はあると思いますので、優勝・連覇という結果を期待しております。


以上、今日はこれにて。
読んで頂いてありがとうございました。


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WBC

なかなか記事を書く時間が取れなくて、あとサボる味を覚えた、みたいなものもありますが(苦笑)。久しぶりの記事なので、リハビリ的に書いてみます。


本日、外歩きをしていたら電気屋さんの前で10人以上の群れが・・・。で、何かと思って近付いてみたらWBCのキューバ戦を放送中で、しかも9回裏1アウトという状況だったので仲間に加わって観戦してみました。そんな感じで殆ど試合を観られていないのですが、何となく以前から思っていた事を書いておくと。

セ・リーグとパ・リーグの違いとして「緻密か豪快か」という乱暴な分け方がありますが、不思議な事に、緻密さよりも豪快さで優勝したセ・リーグのチームが日本シリーズに出ると何故か緻密を志して迫力が薄れたり。更に、日本シリーズで豪快な野球を見せていたパ・リーグの選手が、日本代表になると妙に小さくまとまってチームバッティングを心掛けたり。

この辺りについて、自分はいつも奇妙に思っていたのですが、韓国の野球を「パ・リーグみたい」と表現しておられるブログを拝見して、何だか腑に落ちたというか妙に納得してしまいました。


で、ちょっと思ったのは、「チームのため」という意識が強すぎて、組織の中で力を発揮し切れていない選手が多いのではないかな?っと。まともに試合を観ていないのに言うのもなんですが、ネットで一球速報を一気読みした範囲では、当たらずといえども遠からず、的な印象でした。


「チームバッティングで繋ぐ野球」ってのは確かに方向性としては無難で、相手にしてもやられたら嫌なのは確かですが、やられない限りはそれほど怖くないんですよね。つまり、何人かに単打を打たれ、中には連打を喰らったケースもあるけど、結局ゼロ(もしくは最少失点)に抑えた、というケースならあんまり怖くないというか。逆に、出会い頭のソロホームランで、かつ展開的には痛くない失点でも、投手にしてみたら嫌なものだったりするわけで。

要するに、「どうせ繋いで来るんだろうし、それが重なると嫌だけど、一発をあまり気にしなくていいのは楽だな~」と、相手のピッチャーを精神的に優位に立たせる可能性があるのではないかと思うのであります。味方の目線で言うと、本来は打率も長打も期待できる選手が揃っているはずなのに、結局は器用貧乏に陥っているというか。


リハビリなのでそろそろまとめますが(笑)、「繋ぐ野球」に囚われ過ぎず、時には狙っても良いのでは?と。回の先頭バッターとか2死後の下位打線とかだと反対は少ないと思いますが、1死1塁なんてケースでも、ごく稀には「狙っていけ」というサインを出して良いと思うのですけれど・・・。あぁ、後者まで期待するのは(特に準決勝以降では)難しいですが、前者のあまり問題の少なそうなケースでは試みて貰いたいなぁ・・・と。


しかし、「パスを繋ぐ事」が目的化しやすいサッカーの代表もそうですが(苦笑)、「繋いで点を取る」という目的を繰り返し確認した上で、ファン・国民・そして自らの為にも頑張って、勝って欲しいと願う次第であります。

ただ、明日の韓国との順位決定戦は、消化試合として利用すればいい派なので別に勝ちを求めませんが・・・それでも敗れると腹が立ちそうなのが辛いところですね。3連敗はやっぱり嫌なので、控え選手を中心に起用するのは当然としても、序盤でそれなりにリードする展開に持ち込みたいところですが・・・。何とか頑張って貰いたいものです。


以上で、今日はこれにて。
読んで頂いてありがとうございました。


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今年の阪神

ペナントレースが終わった時にはプレーオフが終わってからにしようと思い、プレーオフが終わった時には日本シリーズが終わってからにしようと思い、要は書く気が起きないから引き伸ばして来たのですが、一応今年の阪神について書きます。

関係ないですが、日本シリーズが11月ってやっぱりちょっと違和感があったりして。というか、ドラフトよりも後にシリーズがあるのは、ちょっと改善した方が良い気がします。あと、アジアシリーズに興味を惹かれないのは少数派なのでしょうか?


で、本題。というか、今年に限っては巨人の猛追を褒めるべきなのでしょうね(棒読み)。どうにも原因を追求する気が起きないので、結果について。

個人的には、優勝を逃した事よりも、岡田監督の辞任の方が痛いと思っています。チームが変化の時期に来ているのは確かですが、阪神のOBで岡田さんよりも野球を知っていると思える人材はなかなか居ないわけで。

テレビ映りやマスコミ向けの発言という点で岡田さんよりも上の人材はそれなりに思い付きますが、絶対に無理なのを承知で言うならば。そうした人材(例えば掛布さんとか)を監督に据えて、岡田さんがヘッドコーチとして全権を握る構成のチームを見てみたかった気がします。とまあ、これは絵空事ですが。


ともかく、(阪神にしては珍しく)新監督が早々に決まったのは悪い事ではないので、来季に向けての課題である「若手選手を育てる」事に全力を注いで欲しいものです。

正直に言うと、今の段階で真弓新監督への期待はそれほど高くありません。が、西武の渡辺久信監督のように、不安な声が多い中でも一年で結果を出す事はありえるわけで。

二軍での指導者経験を経ての就任だった渡辺監督よりも条件は厳しいですが、良い意味でのサプライズが起きる事を願って、来季は応援したいと思っております。文字通り、「真弓~真弓~ホームラン~」という心境であります(笑)。


以上、あんまりまとめになっていませんが、とりあえず今年の阪神についてはこんな感じで。


しかし、2006年は脅威の粘りで中日に最後まで喰らい付くものの、結局は追いつけず。
2007年は脅威の猛追で首位に立ったものの、10連勝のち8連敗でゲーム・オーバー。
で、今年は序盤に独走態勢に入ったのに、世紀の大逆転劇を許してしまう。

ここ数年は、底力はあるものの、最後の詰めがどうにも甘かったという印象ですが、その傾向が一変する事を願いつつ、今日はこれにて。

読んでいただいてありがとうございました。


テーマ : 阪神タイガース - ジャンル : スポーツ

野球とサッカー

ブログに何らかの批判を書くのは、気持ちのいいものではない上に、書く事で発散できると良いのですが、それほどは意識していなかった不満が自分の中でハッキリ定着してしまう事もあるだけに、どうしたものかと思いつつ。書く事に決めた以上は書いてみましょう。

という事で、野球とサッカーについて。要は、その両方に深い理解のある書き手がもっと出て来て欲しいものだと。そんな事をふと思ったのでした。


・2006年

この年には春先に野球のWBCがあり、この初めて行なわれた大会で日本は見事優勝を果たしました。一方、6月にあったW杯でサッカーの日本代表はグループリーグ敗退。その際に、「中田選手はイチロー選手に及ばない」とか「ジーコ監督の代わりに王監督に指揮してもらえば」とか、意味のない比較を通してサッカーを見下す野球ファンがいました。

残念だったのは、「野球に関する限りは」興味深い分析なりをしておられる方が、そうしたサッカーに関する無知を曝け出す様な、優越心を前面に出しただけの底の浅い言及をしていた事で。蛇足がなければ面白いのになぁ・・・などと思う事がたびたびありました。


・マスコミ

逆に、サッカー好きな方が野球を悪く言うケースで思い付くのは、マスコミに言及する場合などでしょうか。

スポーツ紙の書き方やらアナウンサーの実況について、暗にサッカーの優位をほのめかす様な書き方で「野球とは違うのだから」と述べる方が時々おられます。彼らも、「サッカーに関する限りは」試合の分析など深く掘り下げた文章を書いておられたりして。

要は、サッカーも野球もその他の競技も、もっと言えば経済や政治についても報道の仕方には問題があって、その問題の質はどれも同じ様なものだと思うわけで。それが、「野球ではそれでいいだろうけど」と思っておられるのが垣間見えて残念に思うのであります。


・どちらが頭を使うのか?

それから、時々見かけるこの話題。

野球派:野球は時間をかけた投手と打者の心理戦が面白いけど、サッカーは深く考える前に展開が変わるから、あまり頭を使わなくていい。云々。

サッカー派:サッカーは一瞬で攻守が入れ替わるから瞬時に頭を切り替えなければならないけど、野球は攻守がハッキリ分かれているから頭を使わなくていい。云々。

何というか、どちらも頭を使うべき場面が多々ある、という結論が妥当だと思うのですが。どんな競技でも、頭を使わなくても結果が出る時があるだけに、一度持った印象は、特に興味を持てない競技については拭い難いという事なのでしょうか。


・きっかけ

自分は子供の頃に、それほど本格的にではないものの野球にもサッカーにも熱中した時期がありましたし、「どちらも好き」という方は結構おられる気がするのですが。何故か「野球とサッカーとどっちが好き?」と、一つに無理矢理絞らせる様な質問を受ける事があって。最近もそんな事を訊かれたのがきっかけで、こうした事を考えてみたのでした。


他人が興味を惹かれるぐらいに深い理解を、複数の分野で修める事は難しいからなのか。或いは、それぞれについて深い理解を得られても、分野をまたいだ比較をするには、また別の修めるべき能力が必要だからなのか。

恐らくはその両方なのでしょうけれど、サッカーにしろ野球にしろ、その分野だけではなく全く違った分野にも造詣の深い方が書く文章は、やはり印象が違いますね。逆に、確かに詳しいけれども、もう少し色んな事にも興味を持った方が良いのでは?なんて思ってしまう書き手の場合は、当たり外れが激しい気がするというか。そんな事を考えていたのでありました。



あんまりまとまっていませんが、そんな感じで。

ちなみに、月が変わらないうちに北京のサッカーと、もう一つ全く別の話題についても上梓したかったのですが、どうにもサーバーが重くてこの土日はログインできない時間が多かったのが残念であります。ともあれ、今月はこれにて。

以上、読んで頂いてありがとうございました。



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星野後継

ここぞとばかりに野球ネタが続きます。北京のサッカーも簡単にまとめておきたいところではあるのですが、どうにも書く気が起きないもので・・・。という事で、来春のWBC監督人事について。まずは北京での敗因を探ってみます。


・敗因

何やら、国内リーグと国際舞台でのストライクゾーンや公式球の違いが投手にプレッシャーを与え、それが敗因だという論調が主流なのだとか。あまり陰謀説は好きではないですが、監督の責任を追及しない不自然な流れがあるように感じてしまうのが正直なところです。


で、誰にでも手に入れられるデータ↓。あまり凝る気はないので、表はhtmlで適当に作りました。カッコ内は延長10回までのスコアで、これは延長11回以降はノーアウト1塁2塁で始めるという妙なルールの影響を除外する為です。

韓国キューバアメリカ日本
韓国-7-48-75-3
キューバ4-7-5-4(3-3)4-2
アメリカ7-84-5(3-3)-4-2(0-0)
日本3-52-42-4(0-0)-


予選4強のみ予選合計決勝トーナメント
韓国20-1441-229-4
キューバ13-13(11-12)52-2312-5
アメリカ15-15(10-11)40-2210-14
日本7-13(5-9)30-146-14



これを見れば分かるように、日本は予選リーグを通じて最少失点。決勝トーナメントに進んだ4強の直接対決に限っても、タイブレークを考慮しようがしまいが最少失点を誇っています。

逆に決勝トーナメントでは失点が増えていますが、これは監督が特定の投手にこだわった事、対応が遅れて大量失点を喫した回があった事が大きかったかな、と。


一目瞭然なのは、とにかく点が取れない事。攻撃に関して気になったのは「打線が繋がらない」事で、犠打や盗塁・エンドランなどの数と成功率を調べて4強で比較してみたいところです。面倒なので印象論で済ませますが、こうした攻撃時のベンチからの指示が、他の国と比べると少なかった気がするわけで。

打者について言えば淡白に打ち急いでいた印象で、四球でもいいから繋ぐという意識は乏しかったのかな、と。観ていない試合の方が多いので確証は持てませんが、四死球の数や相手投手の球数、打者の最終カウント(2-1から打って凡退、とか)などを調べると興味深いデータが得られそうです。


何やら細かくなって来たので大雑把な話に戻しますが(笑)、4強との戦いを振り返ってみると。

1.キューバ戦:先制され二度追いつくものの突き放されて敗戦
2.韓国戦:先制するも追い付かれ逆転負け
3.アメリカ戦:0-0からのタイブレークで敗戦
4.準決勝・韓国戦:先制するも追い付かれ逆転負け
5.3決・アメリカ戦:先制して二度追い付かれた後に突き放されて逆転負け

もちろん、終盤に踏ん張り切れなかった投手陣、追加点や勝ち越し点を奪えなかった打線にも問題はありますが、ここまで逆転負けが多いのは采配に問題があると言われても反論できない気がします。試合を観ていて選手との間の意識の差も感じられただけに、WBCで星野監督続投を支持する根拠が乏しいと思うのが正直なところ。

また、「熱血」「闘将」という言葉で語られる事が多い方ですが、どうも個人的には「自分に酔っている」感じがして、発言を素直に受け取れないというか。感情を表に出すと言っても、例えばラモスさんの言葉ほど響いて来ないんですよね。そうした違和感を選手たちも感じているのだとしたら、チームをまとめるのは難しいのではないかと思うのでありました。



・勝手に人物批評

何やら、スポーツ紙によると星野監督+野村ヘッドコーチという案があるそうで。。。ただ、以下で取り上げる監督候補は、誰であれ全権を与えないと難しいと思うわけで。勝負どころになればなるほど意見が対立して空中分解する可能性が高くなるわけで、誰か一人に絞るのが無難でしょう。という事で、候補別に個人的な印象を。なお、王監督は健康問題で候補からは外しました。


1.落合監督

個人的には本命。勝てる試合をものにする采配も、競った試合で勝負を仕掛けられる采配も期待できるかな、と。仰木監督亡き今、勝負勘という点では抜きん出ている気がします。

問題点は、アンチが多い事でしょうか。選手としての実績も申し分ないだけに、普通にしていれば尊敬を集めそうなものですが。。その独特の個性ゆえに、外野はもちろん選手からの人望という点でも今ひとつ不安があります。イチロー選手なりが上手く橋渡しをして、選手の気持ちを盛り上げる事が重要かな、とか思ったり。


2.野村監督

個人的には対抗。緻密な采配と野球を良く知っているという点では圧倒的な存在かと。

問題は、負ける時には理に従って負けてしまう事でしょうか。彼我の戦力差があるならば仕方がないとしても、乱戦・混戦になった時には不安が残ります。また、特定の選手をえり好みする傾向があるだけに、限られた戦力でやり繰りするのは上手くても、代表監督として豊富に選択できる人材を使いこなせるか?という点も少し心配です。外野受けは、落合監督ほど悪くはないと思うのですが・・・。


3.森監督

個人的には大穴。野村さんに匹敵するほどの野球への理解の深さと、西武監督時代の経験は心強い。

ただ、横浜の監督として成果を残せず、結果を残したのが10年以上前という事で、選手たちとの間に相当ギャップがありそうなのが気になるところ。西武監督時代を除けば、選手や一般からの受けが良かったとは言えないだけに、難しいでしょうね。今のところ短期決戦といえば日本シリーズとプレーオフぐらいで、ペナントレースに秀でた監督は出て来ても一発勝負に強い監督は育ちにくい気がするだけに、この人のシリーズ経験の豊富さは捨てがたいのですが・・・。


4.古田監督

個人的にはナシ。捕手としての技量は随一も、それを監督として活かすには経験が不足しているかな、と。

正直に言って、名前が挙がるのが不思議な感じです。ヤクルトの監督時代を振り返ってもチームをまとめる力量が不足していた印象ですし、監督はもちろんコーチとしても、まだ早いとしか言えないような気がします。また、近鉄・オリックス合併に端を発しストライキにまで発展した騒動の際に選手会長だったわけで、フジテレビ以外の外野受けが悪いと思うのも不安材料。



・補足

適当にネット上を散策した限りでは、予選リーグの韓国戦で「7回に和田投手が四球を出した時点で投手交代すべきだった」という意見が主流みたいですね。また、自分は「(7回の頭から)川上・藤川・岩瀬という継投が無難だった」と書いたのですが、その辺りについて、記憶が薄れないうちに補足しておきます。


重要な点は、あの時点でのブルペンの状況。確かこんな感じだったと思います。
1.6回の時点で、ブルペンには川上投手のみ
2.7回に入って、藤川投手もブルペンに

という事で、藤川投手の準備ができていたならば「四球の時点で投手交代」はアリだと思うのですが、8回に投げるつもりでブルペンに入ったような雰囲気を感じました。少なくとも、すぐに登板できる雰囲気ではなかったような。。となると、四球で出したランナーがいる状態でリリーフ経験に乏しい川上投手に交代するよりは、和田投手の継投の方が無難だったと思うのです(結果は最悪でしたが)。


では、ブルペンに問題があったのか?リードした時点で藤川・岩瀬・上原の継投を前提にブルペンに行かせるべきだったかというと・・・。「6回裏二死から新井選手の本塁打で先制して、次の稲葉選手は初球を打って凡退」という事で、時間的な余裕がなかったのも確か。となると、「既に準備に入っている川上投手を含めた3人で1回ずつ抑えてもらう」のが、やっぱり無難だったかな、と。万一どこかで追い付かれても、上原投手を温存できているのは心強いですし。


結論としては、より良い采配を期待するならば「中継ぎ専門の投手を選出していれば・・・」という時点にまで遡らないと実現が難しいと思うわけで。継投を決めた和田投手が四球を出した時点で、以後の采配が後手後手になるのは避けられなかったと思うだけに、問題にすべきはそれよりも前ではないかと思う次第であります。

ちなみに、同点にされた後でも、状況に応じて上手く差配すれば勝てる可能性は充分にあった試合でしたが、それを言い出すとキリがないというかお互い様なので。小さな失敗が結果に響く事も多々ありますが、この試合で取り上げるべきは違う点だと思うのでありました。



以上、今日はこれにて。
読んで頂いてありがとうございました。


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